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怒涛の兄弟 - S&Sさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 怒涛の兄弟
レビュワー S&Sさん
点数 2点
投稿日時 2014-07-17 22:39:34
変更日時 2014-07-17 22:39:34
レビュー内容
邦画では時代劇の流れを汲んで公儀やお上(今で言うところの国家権力)をヒーローとするドラマツルギーが存在しますが、それにしても公安調査庁の課長が主人公という設定はかなりの珍品です。公安調査庁の課長(中山昭二)には大学生の弟(松本朝夫)がいて、こいつが左翼思想にかぶれて秘密結社(たぶん共産党)の一員となります。この組織、活動資金を稼ぐために会社まで創って密輸に励みます。その社長の悪事が秘密結社のボスにばれ、指令を受けた弟は社長を射殺して裁判にかけられますが、最後は母親の愛によって魂は救われるという、いわば任侠時代劇によくある母子ものをそのまま現代に持ってきただけの古臭いお話しです。だいたい法廷で「裁判長様、私の話を聞いてください」と傍聴席の母親が不規則発言をして、それがそのまま証拠として採用されるなんて、この脚本書いた人世の中の仕組みが判ってるのか非常に疑問です。当時の共産党は武装闘争に走って非合法化される寸前まで追い込まれていた時期でしたが、映画の中でそれらしいモデルとはいえ悪の組織として描かれているのは非常に珍しいことで、さすが新東宝です。 まあ語るほどの価値もない愚作なんですが、みんな時代劇みたいな芝居をしている中であまりにバタ臭い前田通子が浮いていたのが印象的でした。
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