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タイトル名 |
仁義なき戦い 頂上作戦 |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2021-03-03 21:42:02 |
変更日時 |
2021-03-04 11:09:56 |
レビュー内容 |
第四作目にしていよいよ本題の広島戦争に突入、さすがの警察も世論の非難もありいわゆる頂上作戦を展開してきて、結論から言うと組織自体の真正面からのぶつかり合いとはならず手打ちに落ち着き、各組織の若い輩どもが自分らの鬱憤を晴らすために暴れて死者を増やしたってのが正直な感想です。まあこれは実話ですからしょうがないですけどね。広能昌三=菅原文太は本編半ばであえなく刑務所入りしてまたもやフェイドアウト、ここからは前作から引き続いて武田明=小林旭が存在感を増して主役のような展開で、やはり日活の大スターでしたから東映も気を使ってた感があります。ラストで文太と旭を刑務所で再会させ、本シリーズを象徴するような会話をさせますが、当時では文太より旭の方がはるかに格上だったということです。笠原和夫は本作で四部作終了とするつもりで脚本を書いたというのは有名な話しですが、たしかにここで話を終わりにするために作品全体のテンションを下げていったのかもしれません。とくに本作の後半はいろいろな人物のエピソードが盛り込まれており、群集劇としての要素がシリーズ中でもっとも強くなっています。なかでも志賀勝が小池朝雄を射殺して「あんたら見とった通りじゃ」と捨て台詞を吐くところは、彼の風貌も相まって日本映画史に残る殺人シーンだとおもいます。 しかし、岡田社長の鶴の一声でさらに五作目が撮られることになり、さすがに笠原和夫も脚本から降りることになりました。“泣く子と岡田茂には勝てない”という東映の体質ではしょうがなかったのかもしれませんが、当時の東映って暴力団も顔負けするような強面だったようです。こういうポリシーがないがめつい根性が、日本映画界のダメなところなんですよ。 |
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