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タイトル名 |
レポゼッション・メン |
レビュワー |
アンギラスさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2010-07-10 23:07:23 |
変更日時 |
2010-07-11 01:20:44 |
レビュー内容 |
開始5分でこの映画はダルいと直感し、30分がたつ頃にはそれがほぼ確信に変わっていたのだが、まさかまさかの大逆転が待っていた。 【以下バレ】 人工臓器回収屋が債務不履行に陥った患者から臓器を回収する話で、どうするかというと電磁ガンか何かで気絶させたあとその場で腹を裂いて臓器を取り出すのである。心臓や肝臓など取り出されたら患者は当然死ぬ。しかし回収人たちはいっさい罪に問われない(ようだ)。ムチャクチャな話であるが、しかし考えてみると近い将来、人工臓器の時代が来るとしてもし取り替えたあと破産したらどうすんのかという問題はかなり深い。この映画のようにあっさり殺すわけにはいかんだろうが人工臓器はおそらく半永久的に動くよう作られた半不動産(?)である。開き直られたらどーすんのかという問題は容易に結論の出ない議論となるだろう。
(中略)
しかし後半、自分が回収される立場となったことでストーリーは走りはじめるのだが、同時にどういうわけか映像にハリが出はじめる。落とし穴だの空港でのガラス越しだの元相棒との撃ちあいで大笑いだの。見に来てよかったというレベルにいきなり達して私はホッとする。連れの女がなぜあんなに強くかつ10箇所も人工臓器を入れているのかなど不明なことには関係なく、映像さえよけりゃこっちは十分見れるのである。
そしてそこからクライマックスまでの疾走感に、私はもう頬が緩みっぱなしであった。なぜ最初からそれをやらんのかという感じである。ベッドシーンなどのB級な場面、ことにその行動動機となる心理葛藤はB級にも到達していないような淺薄さだが、それらを隠蔽して余りあるノリのよさ。そして極めつけは互いの臓器をポスしあうクライマックス。テーマの表層性をああいう形で昇華させたことに、私は何か哲学的な感銘すら受けた。ぎゃはははははっ。
パクリも多かったが、あまりの頑張りにそれも許せてしまう。彼らもまたオールド・ボーイやブラジルが大好きなのだということがひしひしと伝わってくるからである。 |
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