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タイトル名 |
カサブランカ |
レビュワー |
アングロファイルさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2010-10-05 18:43:27 |
変更日時 |
2015-09-14 22:54:09 |
レビュー内容 |
これも久しぶりに鑑賞。ロマンスだと思っていたら、反ナチ映画だったのですね。しかしラブストーリーもうまくからめてあり、そのコンビネーションがいいと思いました。また、主役2人だけでなく脇役も魅力的な人物がそろっており、それぞれ存在感があります。イヴォンヌなどちょい役ですが、「ラ・マルセイエーズ」の場面でフィーチャーするなど、うまい使い方だと思います。
で、結局イルザが本当に愛したのは、ラズロだけだったのでしょう。彼が死んだと思ってリックに“逃げた”わけですが、生きているとわかったらすぐに飛んでいったことでも、イルザの気持ちはわかります。インテリな思想家を愛するというのも、バーグマンによく合った役でしょう。リックはとばっちりを受けた形ですが、まあ理由も言わずに突然消えたら、それはヘコみますわなぁ。「人情家」という評判ですが、前半のリックにはそうしたところが見えません。イルザに去られて、人として大切なものをなくしてしまったのでしょう。彼女と再会し、当時の事情を知ったことで、その行動に納得がいった。このことによってリックは大切なものを取り戻す。つまりこれは、男の魂の復活を描いた作品だったのですね。最後に2人を逃がすのは、報われないながらも、あの時可能だった愛情表現なのでしょう。真に相手を愛している人間にしかできない行為であり、やはりこれには感動を覚えます。 「アメリカに乾杯」とかあからさまな箇所もありますが、十分普遍性のある、いい映画だと思います。
【2013年05月19日追記】「新・午前十時の映画祭」で見ました。セリフやちょっとした動作が人物の心理や関係を物語っており、細かいところまできちんと描かれた、繊細な作だという印象を受けました。特に最後の空港での場面は圧巻。よく「恋愛と結婚は別」と言いますが、イルザはそういう気持ちだったのかもしれません。今回1点プラスします。 |
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