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図鑑に載ってない虫 - TAMAKISTさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 図鑑に載ってない虫
レビュワー TAMAKISTさん
点数 8点
投稿日時 2010-05-18 21:01:10
変更日時 2010-05-18 21:01:10
レビュー内容
 おバカ映画は趣味ではない。伊勢谷友介目当てで見た。“ランニングシャツにベストを着てネクタイを首にぶら下げる”のがかっこいいと、初めて思った。で、ラストの爽快感に驚く。
 たぶん、それは、松尾スズキと演じるコンビの味わいのせいだと思う。見たところエンドーの方が遙かに年上だが、うわてに出ているのは「俺」で、格好の割には常識人の「俺」は自分がエンドーの面倒を見ている気分のところがある。「おい!エンドー!」と呼びかける声と、それになんのこだわりもなく応じるエンドーの自然さで、二人の関係が全て示されたと思う。
 「さよ子」に、エンドーは“居なくなったら居なくなるタイプ”だから擬死体験に誘うな、と言われた「俺」が、自分だけ死ニモドキを飲もうとしてエンドーとするやりとり。結局、黙っていじけてしまうエンドーに応対しきれず、「あー、もう、わかったよ!一緒にやろう!」となる。三途の川も一緒に渡ろう! いいのか? せっかくだからさ! 演技が違ってたら噴飯もののシーンだが、ここは素直に楽しめた。
 そしてエンドーは消えてしまい、一人海辺でアイスを売る「俺」。お下げを垂らした伊勢谷だ。客が「 ねえ、何か、失くした? 失くしたでしょう。顔にそう描いてある。」と言う。強い海風が乾いた喪失感を強める。・・・。
 売れないライターが真っ赤なオ-プンカーを走らせるなんて、日本の現実にはそぐわないが、乗り込む男二人は、とてもかっこいい組み合わせだった。
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