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タイトル名 |
アシュラ(2012) |
レビュワー |
ヒナタカさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2012-10-07 16:58:09 |
変更日時 |
2012-10-07 16:58:09 |
レビュー内容 |
原作は残酷描写と人肉食のシーンがあったために、有害図書指定を受けたことでも有名でな作品です。 自分はこの原作は未読でしたが、映画は発禁処分を受けたとは思えないほど、道徳的な作品に仕上がっていると思います。 飢饉に見舞われた世の中で、10歳にも満たない子どものアシュラは生きるために人を殺し、その肉を喰らいます。 それは食べるものがなく、生きていかなければならないためなのです。 そして描かれるのは、アシュラが人喰いから「人間」へと成長していく物語であり、この上のないほどの悲劇でもあります。 アシュラの想いが痛いほどわかるので、涙を流してしまうシーンが多くありました。 声優を務めた野沢雅子さんが、(原作を)発禁にするなんてとんでもない、世界中の人に観て欲しいと宣ったことに完全に同意します。 流血シーンが多いのであまり小さい子には薦めませんが、子どもにも是非観て欲しい作品です(直接的な表現は少ないので、レーティングは全年齢指定です)。 今の飽食の時代では、こうして飢え、苦しむことのない幸せを忘れています。 この映画で描かれる飢饉、そして主人公が人を喰らうシーンは本当に気が滅入るものですが、作品には必要なものです。 そのことを、決して「綺麗事」ですまさずに教えてくれる本作は、確かな説得力を持っているのです。 本作の上映時間は短く、わずか75分です。 しかし下手に長い映画よりも、はるかに価値があると思わせる素晴らしさがあります。 本当に多くの人に観てもらいたい作品です。 アニメが好きな人だけでなく、映画からメッセージを感じたい方、心に残る映画を観たい人に是非おすすめします。 エンドロール後にも1シーンあるので、お見逃しなく。 |
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