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タイトル名 |
ピクニック(1936) |
レビュワー |
ひと3さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2011-03-18 22:27:33 |
変更日時 |
2011-08-27 10:12:13 |
レビュー内容 |
見上げるカメラと見下ろすカメラという区別。見上げるカメラは被写体の背後の空を呼吸し、晴れ上がった空の幸福が、画面いっぱいに広がる。ブランコという宙吊りの媒介の威力がそのとき驚異的である。ピクニックをしに田舎にやってきた家族の娘をどう誘惑すべきか、当地の二人のナンパ青年たちが策を練っており、窓をバンと開けると、ブランコに乗る当の娘の姿がある。なんとも美しい刺激的なシーンである。そして、寄りの見上げのカメラのなか、ブランコの娘は凧のように上に上に昇るかのようで、瞬間上へフレームアウトしたりする。男たちの関心は、娘のスカートのなか、猥雑な見上げ。 娘とナンパ男は、川岸にあがり、草上に腰をおろす。娘は「無垢に」見上げる。樹にとまる小鳥の姿が、娘の見た目ショットとしてカットインされる。「無垢な」見上げに小鳥は、苦笑を誘うほどに、いかにもふさわしい。その娘を彼が押し倒す。「無垢な」見上げが押し倒され、カメラは今度は濡れ場を見下ろすというわけである。
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