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アメリカン・アウトロー - たきたてさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 アメリカン・アウトロー
レビュワー たきたてさん
点数 7点
投稿日時 2016-06-24 11:06:45
変更日時 2016-06-24 11:14:09
レビュー内容
 血生臭い時代背景とストーリーを、ポップで明るい雰囲気に仕上げたエンタメ作品。
 よって多少の不謹慎感はありますが、気軽に見られるポップコーンムービーとなっています。
 プロットも極力わかりやすくなっているようですね。
 まずは南軍が北軍に敗北します。南軍のレンジャー部隊、故郷に還ります。故郷の村に、政府の息のかかった鉄道会社が立ち退きを迫ります。つっぱねます。仲間が処刑されそうになります。助けます。今度は母親が殺されたりして、報復強盗が始まります。
 このようなシリアスな脚本を、ひたすらライトなテイストで味わうことになります。
 当然犠牲者もいるわけです。ジェームズ兄弟の母親。ヤンガー兄弟の末の弟。また、話題の中でしか出てきませんが、ドク・ミムズの長男も死んでいます。
 ですが『人の死』の扱いが、この作品ではかなり軽いです。悲しみ、怒り、痛みといった感情が、この作品から伝わってくることはありません。もちろん、そこから生まれるはずの、逆襲や復讐によって得られるカタルシスもありません。なんせ、ラストは自分達の家族を殺した相手と馴れ合う始末です。そして笑顔で新天地へ向けて再スタートですから、死んだ者達は浮かばれないですよね。
 したがってこの作品は、終始ジェシー・ジェームズというアウトロー・ヒーローを描くことにこだわった作品と言えそうです。
 そりゃあ、見ていて楽しいですが、深みはなく、共感することも無く、見応えもありません。
 ついでに言うと、部分的に脚本がかなり雑です。 一例を挙げると、仲たがいのシーン。ここはかなり強引ですよ。
 その人間性とカリスマで、みんなをひっぱってきたジェシー、突然のご乱心です。
 『俺がボスだ。』『お前は死にぞこないだ。』
 不自然極まりないです。
 ライトなタッチは好きなのですが、しめるところはしめてほしいですね。
 『袂を分かつシーン』や、『人の死のシーン』だけは、もう少し脚本や演出を練っても良かったのではないかな。
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