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タイトル名 |
サヨナラ COLOR |
レビュワー |
かっぱ堰さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2012-06-23 21:24:58 |
変更日時 |
2012-06-23 21:24:58 |
レビュー内容 |
監督兼主演には何の思い入れもなく、主演女優が目的で見た。昔あこがれたマドンナが、今は普通に世間ずれした顔の大人の女性になっているのだが、心を開けば昔のままの(劇中人物というより主演女優の)笑顔がよみがえるというのがいい。筆談の場面は自分のことのように嬉しかった。
ところで、愛する者に生命を捧げるというのは本来泣ける話のはずだが、この映画の主人公が複数の女性を周囲に配した上、一番いいと思ったのだけに特別にこだわっているのは傍から見ると嫌味である。また自分の生命をヒロインに気前よく与えるならともかく、死んだ後まで出てきて恩着せがましく自己アピールし、一生かけて代償を払わせるつもりなのは自己犠牲どころか自分本位で、こうなるともうヒロインにとって本当によかったのかどうかわからない。別の医者にかかっても助かったのではないのか(執刀したのは中島みゆき先生だし)。これほど主人公のしつこさを徹底しなくても感動的な映画にはできたはずだが、そこを譲らないのが監督の自己満足映画ということか。 ただ、それでこの映画が気に入らないかというとそれほどでもなく、しょうがない奴だと笑って済ませるような感覚である。劇中にも出てきていたが、みんな笑って許しあえる同窓会のような雰囲気があり、本人が瀕死の白鳥のなりきりをやっていたのも、バカな奴が余興をやってみせたような印象だった。手放しでほめる気にはならないが、何か憎めないところがあるというのは認めざるを得ない。
なお編集で落とされた映像も含めて、この映画は海の風景に開放感がある。人が死んだら海の向こうに行くともいうが(自分の地元では山に行くが)、この映画は現世と来世の接点で展開したストーリーだったということか。本来この映画で提示するはずだった死生観のようなものがきちんと前面に出ていれば、主人公の身勝手な印象も少し薄められていたかも知れない。 |
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