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タイトル名 |
ブルークリスマス |
レビュワー |
かっぱ堰さん |
点数 |
2点 |
投稿日時 |
2012-03-12 20:33:20 |
変更日時 |
2013-10-26 11:46:17 |
レビュー内容 |
90年代の有名アニメの元ネタの一つということで見た。 恐るべき科学力か何かを備えたユーエフオーが、人間の血液に変異を生じさせるというところまではまあいいとして、そのことに対する人類社会(台詞では「政治」)の対応にリアリティが感じられないのは困ったことである。発生源を断つことも考えずにただ対象者を隔離して抹殺するのでは、とにかく嫌なものは見たくない、という子供じみた行動のようで、本気で対策を打とうとしているようには思えない。一体ここで「政治」がやろうとしているのはユーエフオー対策なのか、迫害そのものなのか。 また劇中では「謀略」という言葉が妙に好まれていたようだが、登場人物に怖い顔で「政治における謀略ってものはな…」などと大仰なことを言わせるなら、背後にはもっと深い闇があると匂わせるくらいでないと凄味に欠ける。しかし結局は登場人物が語ったことそのままで終わりだったようで、かえって底が浅く感じられた。
ほか、個人的にこの映画が好きになれない最大の理由は、ヒロインに魅力が感じられないことである。変にとぼけた感じに見えるのは金星人(※)の仕業かも知れないが、やはり普通に「イライラしたり、嫉妬深かったり、人を憎んだり」していた頃の方がよほど生き生きしていたのではないか。こんな連中ばかりになるのでは、為政者が事態の拡大を危惧するのも当然に思われる。そもそも相手役の男が無口で何を考えているかわからない上に、ヒロインの精神が退行状態では誰にも共感できなかった。最後の場面は人が死んでいるので気の毒というべきだが、素直に泣けないのが残念だ。 ※注:アダムスキー型の円盤に乗って来るのは主に金星人とされている。
なお余談だが、この映画の脚本段階では特殊部隊が暴走族を射殺する場面があったのを監督が削除したとのことだが、結果的にはその場面があった方が、ヒロインの相手役の本来の非情さが際立った気がする。 |
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