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ビハインド・ザ・サン - かたゆきさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ビハインド・ザ・サン
レビュワー かたゆきさん
点数 8点
投稿日時 2014-07-11 21:29:30
変更日時 2014-07-12 00:12:52
レビュー内容
あの血に汚れたシャツを見ろ、お前の兄が流したあの赤い血が黄色く乾いたとき、弟であるお前が兄の名誉を守るため復讐を果たすのだ――。1910年、古くからの因習と旧態依然とした家父長制に囚われたブラジルの片田舎。隣家の男に兄を殺された、貧しいサトウキビ農家の次男トーニォは、父親の命令によって復讐を果たすのだが、殺された男の家族もまた彼に復讐を誓うのだった。幼い弟も抱え、生活のために同じところをぐるぐる廻り続けるような日々と、そんなふって湧いたような暴力の連鎖に心底嫌気が差していたトーニォは、ある日、全国を転々と移動興行しながら悠々自適の生活を送る美しい女芸人クララと出逢う。閉塞感の最果てを生きるような自分の人生から、少しでも逃げ出したいトーニォは、いつしか彼女に惹かれてゆき、自分も一緒に旅立ちたいと願うようになるのだったが…。のちに、若き日のチェ・ゲバラの南米各国を巡るバイク旅を乾いた映像と繊細な音楽とで瑞々しく描いた青春ロード・ムービーの佳品「モーターサイクル・ダイアリーズ」を撮ることになる、いかにもウォルター・サレス監督らしい、南米版「ギルバート・グレイプ」と言った趣きの鬱屈した青春ドラマでありました。もう、見ているだけでこちらも全身から汗が噴き出しそうな暖色系の乾いた映像で描かれる、家族という牢獄から必死に這い出そうともがく青年の普遍的なドラマはなかなか見応えありましたね~。この監督の、社会の不条理に怒りを燃やす若者の心情を南米のからりと乾いた映像の中に繊細に描き出す手腕は、もうこのころから確立してたんですね。特に、トーニォとクララが次第に惹かれあってゆく初々しい恋愛描写の数々は美しい音楽の力もあって出色の出来でした。そして一転して訪れるラストの悲劇…。家族とは人間を縛り付ける牢獄にすぎないのではないか?ときに家族というシステムはか弱き者を犠牲にするのではないか?そんな疑問を抱きながらも、それでも人はやっぱり家族を作る…。人間の生きることの悲しみとせつなさを冷徹に見つめながらも、最後、広い海岸へと歩き出すトーニォの姿に、それを乗り越えうる微かな希望を見出したような気がします。うん、なかなか良い映画でした。
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