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タイトル名 |
Dearダニー 君へのうた |
レビュワー |
かたゆきさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2016-08-09 23:55:43 |
変更日時 |
2023-06-12 09:59:31 |
レビュー内容 |
かつてヒット曲を連発し栄華を誇っていた往年のロックスター、ダニー・コリンズ。だが、いまや老境の域に差し掛かった彼は、酒とドラックに溺れる寂しい日々を送っていた。もう何十年も新曲を書かず、かつてのヒット曲だけを頼りにツアーを廻っていたダニーに、ある日、マネージャーが誕生日プレゼントとして一通の手紙を持ってくる。なんとそれは、ジョン・レノンが生前彼に宛てて書いたものの約40年もの間配達されずに保管されていた手紙だった――。「親愛なるダニー、音楽を堕落させるかどうかは君自身。音楽と自分自身に常に忠実であれ。ジョンより」。深いショックを受けた彼はツアーを中止し、浮気中の妻には別れを告げ、とある地方都市のホテルにやってくる。新曲を書くため、そして今までずっと目を背けてきた自らの過去と真剣に向き合うために……。実話を元に、落ちぶれた往年のロックスターが約40年ぶりに発見されたジョン・レノンからの手紙をきっかけにして再起を図る姿を軽妙に描くヒューマン・ドラマ。アル・パチーノ主演、ジョン・レノンの名曲が幾つも使われているということで今回鑑賞してみました。うん、いいですね、このいい意味で力の抜けたノスタルジックな雰囲気。ともすれば雰囲気だけの薄っぺらい作品になりそうなテーマなのですが、そこにアル・パチーノやアネット・ベニングといった熟練の役者陣がいいアクセントを効かせていて非常に好感の持てる作品に仕上がっていたと思います。特にアル・パチーノ、酒浸りで胡散臭いロックスターながら時おり深い優しさを垣間見せるという個性的キャラクターを見事に演じておりました。そんな彼が後半、癌を患う息子と和解しようともがくことになるのですが、そこも単純な和解劇とせず主人公の弱さをちゃんと目を逸らさず描くところも好印象。うん、人間なんてそんなすぐ真人間に変われるほど単純じゃないしね(経験者談!!笑)。ただ、本作のストーリーにはちょっと弱い部分があるのも事実。それは、ジョン・レノンの手紙を読んだ主人公が急に心変わりする理由にいまいち説得力が感じられないところ。レノンからの激励の言葉を受け取った主人公がずっと書いていなかった新曲製作に取り掛かるのは分かるのですが、長年疎遠にしていた息子との和解まで決意するというのはいささか強引すぎやしませんか。とはいえ、この牧歌的な雰囲気を壊すほどの瑕疵ではない。全編を彩るジョン・レノンの名曲群も良かったですし、なかなかの佳品だったと思います。 |
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