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タイトル名 |
ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ |
レビュワー |
かたゆきさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2019-09-14 23:51:04 |
変更日時 |
2019-09-19 02:24:38 |
レビュー内容 |
パキスタンからアメリカへと渡ってきた移民の青年、クメイル。故郷とは何もかも違うこの自由な地でコメディアンを志した彼は、シカゴの小劇場で地道な下積み生活を続けていた。そんなある日、いつものように舞台で故郷のパキスタンを揶揄するようなネタを披露していたクメイルに、客席から若い女性が野次を飛ばしてくる。その場は軽くやり過ごしたものの、動揺を隠せないクメイルは舞台の後に彼女に文句を言いに行くのだった。彼女の名は、エミリー。成り行きで何故か一緒に酒を飲むことになった彼らは予想外に意気投合し、そのままクメイルの家で一線を越えてしまう――。一夜限りの関係で終わるはずだった。だが、クメイルはその後、何度も彼女と会い、数か月後にはすっかり彼氏彼女の関係になってしまっていた。そろそろお互いの家族に紹介するタイミング。でもクメイルには一つの悩みの種があった。彼の家族は皆敬虔なイスラム教徒で白人のアメリカ人など到底認めてもらえないだろうということ。そのことが原因で次第にギクシャクしていく二人。そんな折、エミリーが原因不明の謎の難病を発症し昏睡状態へと陥ってしまう…。文化の違いを乗り越えて愛を育もうとする若い恋人たちを襲った突然の悲劇を、実話を基にして描いたラブ・ストーリー。自らの体験を本人自らが演じていることでも話題となった本作、アカデミー脚本賞ノミネートということで今回鑑賞してみました。うーん、正直僕の好みとは合わない作風でしたね、これ。この重たいテーマを最後まで軽くライトに描くという狙いはいいと思うのですが、なんだか物語のテーマがいまいち絞り切れていない印象。難病に犯されてしまった彼女との関係を深く見つめ直す青年の恋物語とパキスタンとアメリカの文化の違いに自我を引き裂かれていく青年の自立の物語が最後までうまく絡み合っていないように感じました。その証拠に、クメイルの家族とエミリーが顔を合わせることは最後までほとんどありません。この両者の葛藤を描いてこそ、このテーマはより活きてくるように思うのですが。本人が自ら演じていることもあり、なんだか終わってみれば結婚式のよくある新郎新婦の馴れ初め再現映像ロング・バージョンのように思ってしまいました。ただ、エミリーの両親を演じたベテラン勢二人はなかなかのいい仕事ぶり。最後まで興味を失わずに観られたのは、この二人の魅力によるところが大きい。 |
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