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タイトル名 |
ワンダー 君は太陽 |
レビュワー |
かたゆきさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2019-04-07 23:32:24 |
変更日時 |
2022-10-07 10:07:26 |
レビュー内容 |
プルマン家の長男、オギーことオーガスト君は何処にでもいるような普通の男の子。大好きなアイスを食べながら自転車で公園に遊びに出かけたり、パパと一緒に『スターウォーズ』を観てライトセーバーで戦ったりするのがお気に入り。将来の夢は、立派な宇宙飛行士になること。でも…、オギーには普通の子とは違うところが一つだけ。それは、神様のちょっとした手違いによって生まれ方が少し特殊だったんだ。生まれてすぐ彼は27回も手術をして、おかげで呼吸が楽になり目や耳も良くなったけれど、見た目だけは普通になれなかった。公園で他の子に逃げられたり、何処に行ってもジロジロ見られたり…、オギーはいわゆるそんな男の子だ。見た目を理由にそれまで自宅学習を続けていたオギーだったけれど、今年5年生になるのを機に、彼の両親は一大決心をする。それは、普通の学校に通わせることだった。大きな不安を抱えながら入学初日を迎えたオギーが見たのは、今まで感じたことのない世界だった――。見た目が〝ちょっと〟人とは違う男の子オギーと、その家族や友人たちの何気ないけれどかけがえのない日々を穏やかな視線で見つめた青春物語。前作でも思ったことだけど、この監督の手にかかると何気ない日常もきらきらと光り輝くような世界へと見事なまでに生まれ変わるんですよね。登場人物もみな等身大で誰一人として(主人公であるオギーも含め)特別な人も居ないし、描かれるエピソードだってごく身近なもの。とても地に足付いた世界なのに、すごくポップで洗練されている。誰の人生も特別で大切なもの――。そんな使い古されたテーマを嫌みなくここまでセンス良く描けるのは素晴らしい才能だと思います。なんだか初期のラッセ・ハルストレムを思い出しました。子供たちもみんな生き生きとしてとても演技とは思えないほど自然体。主人公オギーの視線だけで描かれるのかと思いきや、彼を取り巻く友達や姉や女友達と次々と視点が切り替わることにより、この主人公を特別な存在としてではなくあくまでも一人の人間としての魅力を引き出させることに成功しています。最後まで脇役に徹した、両親役のジュリア・ロバーツやオーウェン・ウィルソンも良かったですね。観終わった後に誰もが心温まる気持ちになれる青春ドラマの傑作でありました。 |
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