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タイトル名 |
Pearl パール |
レビュワー |
かたゆきさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2024-08-13 10:08:00 |
変更日時 |
2024-08-13 10:39:26 |
レビュー内容 |
彼女の名は、パール。1910年代のアメリカ南部の寂れた田舎町で、貧しい生活を送る農家の一人娘だ。激しい恋愛の末に結婚した夫は現在、ヨーロッパの戦線に従軍中でもう長いこと顔も見ていない。数年前に発作を起こし全身麻痺の後遺症が残った父親を献身的に介護しながら、保守的で気難しい母親と鬱屈した毎日を送っている。そんな彼女のささやかな楽しみは、たまに町でミュージカル映画を観ること。夢のようなそんな世界に憧れるパールは、いつか自分も華やかな表舞台に立つことを夢見ている。だが、ヒステリックで厳格な母親はそんなパールに厳しく当たるばかり。息がつまるような現実に次第に爆発しそうな感情を募らせてゆくパール。そんな中、次代のミュージカルスターを発掘するためのオーディションが町の教会で開かれることを知った彼女は……。謎の老夫婦にひたすら殺されまくる若者たちを描いたスプラッターホラーの怪作『X』。そこに登場するシリアルキラー老婆の約60年前の若かりし日を描いたという本作、さして観る気はなかったのだけど、自分の一推しそばかす美少女ミア・ゴスちゃんが再び主演を務めているということで今回鑑賞。前作は、とにかく全編これでもかってくらいの悪趣味エログロ描写の連続とあまりの内容のなさに自分はまったく嵌まれませんでした。でも、続編となる本作は、確かに悪趣味は悪趣味なのだけど、その悪趣味具合が今回は自分の好みにバッチリ嵌まっていて普通に面白かった!いやぁ良いですね~、この悪趣味さ。まず、主人公パールの理想と現実とのギャップが悪趣味。全身まひで喋れない父親とヒステリー爆発な母親と薄暗ーい部屋の中でトウモロコシメインの晩御飯を食べるシーンなんてもうやんなっちゃいますわ。んで、パールが何かやらかしそうな周りの設定が悪趣味。前作に引き続き登場の裏の池に住むワニちゃんがもうヤダ。久々に男に口説かれたパールが畑の案山子に跨って悶々解消するとこなんか見てらんない。何の根拠もなくオーディションに合格すると信じたパールが、いざ本番で披露するタコ踊りなんてもはや監督の悪意しか感じません(笑)。そして、満を持して暴走するパールのイカレっぷりが悪趣味。大火傷を負った母親のゾンビ顔も悪趣味だし、一部始終を見ている全身麻痺の父親が何も出来ずただ見てるだけというのをただ観客に見せるだけというとこも悪趣味。極めつけは最後の〝ディナー〟。メインディッシュがまさかのあのウジ虫だらけの腐った豚の肉とか、もはや悪趣味の極み!!!!!でも、この悪趣味さが終盤心地良くなってる自分がいました。それはやはり、ミア・ゴス演じるこの主人公が存外に魅力的だったからでしょうね。女と言うだけで家庭に縛られることを余儀なくされたこの時代、精一杯自分らしく生きようともがいたある女性の生き様を極めて悪趣味に描いた逸品。脚本も担当したミア・ゴスの熱演も相俟って、なかなか見応えのある悪趣味映画の秀作でありました。 |
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