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タイトル名 |
ストロベリーショートケイクス |
レビュワー |
タケノコさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2020-10-27 17:54:12 |
変更日時 |
2020-10-27 22:06:41 |
レビュー内容 |
本作の面白いのは、彼女たち4人の「部屋」にスポットを当てているところ。その「部屋」を通して、彼女たちという人物を説明しているように思う。実際、部屋というのはその人となりがよく表れるもの。里子は想像した通りの可愛らしい部屋だし、秋代はエキセントリックに棺桶だったり、塔子は部屋一面の「絵」だったり、どんな女性が住んでいるのか、色々と想像に難くありません。対象的に、趣味や生き方にこだわりを持たないちひろは自分の部屋すらまともに描かれない。どうやら表向きは塔子と同居のようだが、部屋を見るかぎりではちひろの自己主張は希薄であり、完全に塔子の住まいにパラサイトしているような感じ。 でも、一つだけ不思議な感覚があった。里子、秋代、塔子の我が道を往く生き方を眺めているうちに、段々と無個性なちひろが三人に負けじと輝きを放ってきた。個性のないこと、実はそれも強烈な個性なのかもしれない。 ありがちな雰囲気映画ではなくて、彼女たちの心境とその変化をしっかりと伝えていると思うし、間違いではない裸も含めて、とても生々しくもありよくできたリアルな恋愛群像劇と思う。そして、みんな恋に人生に不器用だが、本作ではキラキラと輝いていて、この映画はそんな彼女たち (の全て) をやさしく肯定しているようだ。 個人的には、今泉監督 (mellowのラーメン屋笑) や岩井俊二監督の「リップヴァンウィンクル」に少なからず影響を与えているように感じた。 |
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