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タイトル名 |
愛怨峡 |
レビュワー |
大経師さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2015-02-04 22:23:23 |
変更日時 |
2015-02-04 22:23:23 |
レビュー内容 |
「祇園の姉妹」「残菊物語」という大金字塔に挟まれているがこれもまた大傑作。 かよわい女性が、出産を経て何でも耐えられてしまう強い人間にかわって行く過程が描かれています。 やはり女性を描く作家溝口健二! 一つ一つのフレームの作り方が本当に面白いです。 特に清水将夫が山路ふみ子属する一座の楽屋を訪ねるとき。 楽屋を訪ねている清水将夫にフォーカスをあてつつも楽屋の奥で山路ふみ子と河津清三郎が実際に舞台にいて、楽屋ではその主役二人の三味線とアコーディオンの音楽が聞こえていて、清水将夫の会話の中でちょうどいいときに山路ふみ子が演奏を終えて舞台から楽屋に来る行程がきちんとフレーム内におさめられているという荒業。 他に注目すべきポイントとして、田中春男さんが非常にかわいらしい演技をしているところと、数年前の瀧の白糸では普通の女性を演じていたはずの浦辺粂子さんがここでは既に産婆という老け役を演じているというところ。特に浦辺粂子さんは完全に本物の産婆に見える素晴らしい役作り。浦辺粂子さんは一体何十年おばあちゃまを演じていたというのでしょう。 山路ふみ子さんの魅力的なカットも沢山あります。 フィルムの状態が悪いのと一部欠落しているのが本当に残念。 ちなみにこれ宅配のTSUTAYAでレンタルしたのですが、届くのに数ヶ月かかりました。
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