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タイトル名 |
レフト・ビハインド |
レビュワー |
ゆきさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2016-05-25 13:42:58 |
変更日時 |
2020-02-19 17:32:58 |
レビュー内容 |
飛行機パニック物としては、それなりに楽しめる代物だったと思います。
ただ、それは裏を返せば「世界中から人々が消失する」という展開に、あまり必然性を感じなかった、という事にもなってしまうのが辛いところです。 だって、作中のクライマックスが明らかに「無事に飛行機が不時着出来た」場面であって、人間消失の件が全く関係無い事になっていますからね。 それこそ機長が消えてしまったのならば意味もあったのでしょうが、本作は主人公である機長が現世に健在であり、しかも彼が有能な人物であるものだから、問題無く不時着を成功させて、それでお終い。 これほど無意味で、なおかつスケールの大きい設定というのも、中々珍しいのではないでしょうか。
神様を信じる者だけが消えてしまったとなると、悪人だけが残った世界なのかと身構えてしまいますが、この映画では、その辺りも極めて曖昧。 肝心の主人公達が「神を信じていない」という一点を除けば、比較的善人である事も相まって、あまり危機感だとか絶望感だとかが伝わってこないのですよね。 何せ、主な舞台となる飛行機内に「こいつは文句無しに悪人だ」と思える人物がいないのだから、外の世界が大変な事になっているのが不自然に感じてしまうくらいです。
原作小説はベストセラーであり、これ以前にも三度映画化されているそうですが、いずれも「キリスト教を信じる事」が絶対的に正しいと描かれている内容なのだとか。 そうなると「飛行機が墜落するかも知れない」という展開に着目して、自分みたいな不心得者でも楽しめるような娯楽映画に仕上げてくれた監督さんに、感謝すべきなのかも知れません。
いずれにしても、自らを信奉する人間しか救わないのだとしたら、神様ってのは嫌な奴なのでしょうね。 そんな意地悪な神様なんかではなく、もっと誰にでも優しく出来る存在であって欲しいものです。 |
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