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タイトル名 |
ショーガール |
レビュワー |
Yuki2Invyさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2020-05-05 12:20:38 |
変更日時 |
2020-05-11 00:03:05 |
レビュー内容 |
ハダカというのは、それを隠して恥ずかしがるからエロいのだ。誰も彼もが脱ぎまくりな本作、全員揃ってハダカ如きを恥ずかしいなんて思っちゃいない(それは羞恥心が無いサマを「演じて」いるのではなく、本当に馴れっこになってしまっていることを意味する)。ので在るからして、実のトコロはこれが全然エロく感じなかった…というのが正直な感想(ある意味残念)。しかし、だからこそ本作のダンスシーンからは、性欲と切り離されることを強制されてきた「ハダカの美の歴史」を、逆の側から超越した真に純粋な「肉体の美しさ」を感じ取ることが出来るのだと言える。俗悪なモノの中だからこそ、本当の美しさが際立つ、この単純な方法論こそがヴァーホーヴェンの真骨頂である。
それはストーリーの面でも同様で、ただ自分の最悪な状況を打開したい、自分を証明したいと願うだけの前半の持たざるノエミは実に美しく、翻って、一たび手に入れた「虚栄」を守ることに固執し、「もっと多く」を望むために手段を選ばない後半の勝ち誇ったノエミは実に醜い。しかし彼女は、敗北と引き換えにひとつの真理を得て虚ろの都を去ってゆく。それこそが人間の成長であり、これは何とも痛快なグッドエンドじゃないか!と思うのだ。
非常に単純な物語ではあるが、重ねて、これこそがヴァーホーヴェンの真骨頂であり、彼の最高傑作であると私は確信している。 |
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