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タイトル名 |
12人の優しい日本人 |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2024-06-17 20:09:03 |
変更日時 |
2024-06-17 20:27:39 |
レビュー内容 |
数年前に先にコッチ観て、先日ルメットのホンモノを観て、またコッチ観てみました。どっちも面白かったです。 12人がそれぞれ意見を出して、有罪・無罪が二転三転する。もう2~3作品バリエーションが作れそうな気がするくらい、シチュエーション自体が面白いんですね。コレもし、タイトルがここまで思いっきりでなかったら、私なんて鬼の首取ったかのごとくパクり認定レビューしてたかもしれません。
日本は裁判員制度が導入されていますが、公開当時は映画のような制度はなく、“もしも日本に陪審員制度が導入されていたら?”といった、いわゆるSFシミュレーション作品だったとも言えます。タイトルの『男』の部分を『日本人』にしているのは、女性も参加しているのはもちろん、『日本は人種問題を考えなくていい、一億総中流(貧富の差が少ない)の、単一民族国家だから。』というタイトルジョークだったんでしょう。今だとちょっと問題に思われる可能性がありますが、'91年の洒落たタイトルだと思います。
真相の解明はないので、彼らの議論に突っ込んでも仕方ない作品ですので、12人の話し合いを静かに見守ります。陪審員13号の私としては、目撃者のおばさんが「死んじゃえー!」って聞いていたことに違和感を感じました。彼女の耳が信用できず、クラクションの信憑性が疑わしいのに、どうして「死んじゃえー!」はキッチリ覚えていたのか?『死ねー!とか殺してやるー!とかナントカ言ってました。』ならともかく、ハッキリと「死んじゃえー!」は、ネタ振りとして出来すぎじゃないでしょーか?※いや作品へのツッコミではなくこんなセリフで映画に参加したいなって思っただけです。
この当時日本が陪審員制度導入に動いていたかは知りませんが、このSF作品は、タイトルの『優しい』が示す通り、一般の日本人には、心を鬼にした判決は出せないのでは?という答えを出していたように思えます。陪審員8号の「だけど、ホンネ言うと彼女、殺してるんですよね~?」なんてとてもリアルです。そして陪審員長の過去の経験談は、有罪に一票を入れるその先を想像させます。 ルメットの作品では純粋に少年が有罪か無罪かを考え、本作では自分が、有罪と思えた時に有罪と言えるかどうか?を考えさせられました。 |
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