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タイトル名 |
黒部の太陽 |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2021-05-09 13:53:35 |
変更日時 |
2021-05-09 13:53:35 |
レビュー内容 |
映画の大半がトンネルの中という、地味な絵面の超大作。 冒頭の剛によるフォッサマグナの解りやすい説明から、支柱を潰しに来る圧力を伝える軋む音は恐ろしく、すべてを押し流す水流はとても迫力がある。まるで列島の抵抗、日本人VS日本列島のように見えた。
暗いトンネルとむさっ苦しい男たちばかり映るから、合間の雄大な黒部渓谷の大自然や、剛と由紀のデートシーンが美しい。 細い山道を大きな荷物を背負って現場に向かう人夫たち。当時のカメラがどれくらいの大きさか解らないが、かなり恐ろしい撮影風景だったんじゃないだろうか?怖いなぁと思って観ているうちに、人夫の滑落死!…って、説明とか無いんだ?流しちゃうんだ? 実際171名も亡くなっていて、そのうち飯場の雪崩でいっぺんに87名も亡くなっているそうだが、確かにそこをしっかり描いたら、後味の悪い重たい映画になってしまうから、バッサリ割愛したのかな。 前段として語られる黒サン工事が、国家総動員法のもと人海戦術による地獄だった現場を表すのに対し、今回の黒ヨンは豊潤な資金とバックアップ体制で挑んでいる。だけど結果として、行き当りばったりで完成予定ありきの無理な日程。人夫を使い捨てて、金に物を言わせて作業を急いだことが伺える。どちらの現場も岩岡の親父が仕切っているんだから、時代が変わっても同じような地獄が展開されている。発破事故の際、人夫から「お前ら親子が!」と言われたときの剛の辛さが伝わる。
開通時の爽快感、開通後のセレモニーの神々しさ。最後に日本酒を撒く姿が、まるで強敵日本列島を称えるようで美しい。 一緒に樽酒を飲みたい気持ちになるが、やっぱ樽にヘルメット入れちゃダメだ。 |
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