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タイトル名 |
ゾンビ/ディレクターズカット完全版 |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2021-02-14 14:19:28 |
変更日時 |
2021-02-14 14:19:28 |
レビュー内容 |
~DAWN OF THE DEAD~死人の夜明け訳が一般的。“ザ・デッド”の始まり、兆し。ゾンビ=リビング・デッドにわざわざ“リビング”を付ける必要もないくらいゾンビが溢れる世界。新型コロナウイルスにわざわざ“新型ウイルス”って付けない感覚。または人間という種の“死”の始まり。
鑑賞環境の選択項目に『店先』って無いのね。…そりゃ無いか。 当時小学4年生、夏祭りの昼間に、友達3人とクーラーの効いたそうご電器へ。AV家電コーナーで垂れ流されてた映画を見た友人(ホラー平気)が「あ、ゾンビだ」と見出した。きっとビデオかLDの展示だと思う。まだホラー耐性の無い頃だったけど、見栄張って「全然怖くないね」と言いながら見続けた。 「この人殺されるんだよ」とかイチイチ教えてくれる友人は、鬱陶しいというより怖いシーンへの心構えが出来た。 思ったほど怖いシーンもなく、ショッピングセンターで好き勝手する主人公たちにワクワクしたし、彼らの安息をぶち壊した暴走族に怒りを覚えた。そしてゾンビの捕食シーンが怖く、友人は「あれ豚の内臓だよ」とか教えてくれたが、そんな裏事情より、いつかノロノロ歩くゾンビに襲われたらどうしようと、しばらく怖かった。片足の神父さんの記憶があるから、追い出されもせずほぼ全視聴したんだな。緩やかな時代だ。
中学に入り、ビデオをダビングしたものを擦り切れるくらい見た。最近DVDも買った。 私が見てたのは、オープニングからゴブリンの印象的なテーマソングが流れる米国劇場公開版だったようだ。今回見たBSのディレクターズ・カット版とは、音楽の入り方が微妙に違う。ダリオ・アルジェント監修版は、もしかしたら見たこと無いかもしれない。
赤いゴツゴツした不気味な壁から始まるオープニング。心臓の音のような不気味な音楽。説明もなくガヤガヤした現場。役に立たないテロップ、少ない情報、受け入れられない専門家の話、仕事を投げ出すスタッフ、不満を見せながらも働くスタッフ。同僚の「our responsibilities finish(俺たちの責任は果たしたよ)」で終わる音楽…DC版より米国版が最高。このドキュメンタリータッチな臨場感がたまらない。 場面は変わりSWAT指揮官の「your responsibilities!(お前たちの責任だぞ)」に続く。責任。ゾンビが街をウロウロしてる現状、仕事なんかしてる場合じゃない。誰の責任とか言ってる場合じゃないなのに、人間は争いと収束行為を続ける。 牧草地の州軍とハンターの場面も秀逸。記録映画のような撮り方。あの歌、誰のなんて曲だろう?DVDを見出すと、OPとここは何度もリピートしてしまう。 給油所でゾンビに襲われるスティーブン達。「逃げろ!」と言われても逃げないフラン。逃げられない、助けられない、助けを呼べない、叫べない。ただ、ゾンビと格闘するスティーブンと、自分に向かってくるゾンビを交互に見ることしか出来ない、この何も出来ない感が凄い上手い。この世界のゾンビが唸ってノロノロ歩くから出来たシーン。ゾンビに叫ばれて走られたら、こちらも走るし、叫んでしまう。この違い、この見事な世界観。 ショッピングセンターのゾンビを一掃後、悲しげな音楽が流れる。あちこちに散乱する動かないゾンビ。こうなっては人間の死体と変わらない死体の山。言葉が出ない主人公たち。ゾンビを建物外に棄てるのではなく、冷蔵庫に埋葬する心境。 一生観続ける映画なので、続きはまた、そのうち |
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