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引き裂かれたカーテン - 鱗歌さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 引き裂かれたカーテン
レビュワー 鱗歌さん
点数 8点
投稿日時 2011-04-12 00:15:49
変更日時 2011-04-12 00:15:49
レビュー内容
ヒッチコック作品の中では評価が芳しくないものの一本、かもしれませんが、展開が速くてとにかく楽しい作品、です。盛り沢山の内容に、息切れしないように注意。冒頭からポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースが妙に濃厚にイチャイチャしているなあ、と思ったら、あっという間にそこに疑惑の影が差してくる展開。ああ、タイトルにある“カーテン”ってのはそのカーテンのことか、と思う間もなく、さらに物語は思わぬ方向に。絶望的な逃避行、というより殆ど荒唐無稽な脱出劇、ですが、ポール・ニューマンの飄々とした感じがうまくマッチして、サスペンスとユーモアを両立させています。1つのシーンが次のシーンへとバトンを渡し、まさに物語が“転がって”いくような、小気味よさ。いやむしろ慌ただしさと言っていいかも知れませんが。物語の展開の速さばかりではなく、主人公が彷徨う美術館のシーンなどを挿入することにより、独特の雰囲気も醸し出してみたり。と言う訳で、なかなかのオモシロ映画に仕上がっている、のですが、ただ・・・↓すでに指摘されている方もおられますが、劇場のシーン(大仰な“フランチェスカ・ダ・リミニ”の音楽に乗って、いかにもショボいバレエが演じられているのが可笑しい)で、主人公が英語で「火事だ」と叫ぶのが(しかもそれで劇場がパニックになるのが)、これはちょっと無理がありましたね(あまり関係ないけど、芥川龍之介の『煙草と悪魔』を連想する。寝惚けている悪魔が、わざわざ日本語で叫ぶか、どうか)・・・。さて、本作においても、ヒッチコック本人がどこに出演しているかが楽しみのひとつなのですが⇒⇒⇒音楽が「正解」を教えてくれます。
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