|
タイトル名 |
男はつらいよ 私の寅さん |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2023-08-19 17:13:00 |
変更日時 |
2023-08-19 18:06:52 |
レビュー内容 |
シリーズ12作目。冒頭の夢がだんだん豪勢になっていくなぁ。本編よりこっち創るのが楽しくなってたりして? ここに来て寅の子供時代の男友達が出てきたり、とらや一家が九州旅行に行ったりと、マンネリ打破に取り組んでいた時期なんだろうか?
今までのシリーズとの大きな違いが、寅が面と向かってフラレるところ。事情を察して身を引いたりはあったけど、今でも使われるであろう「友達でいましょう」は、確か寅さんでは初めてですよね。 そして大抵、寅を踏み台に(もしくは寅は無関係に)幸せに向かって進み出すマドンナだけど、本作のりつ子は失恋(※観てる最中、津川雅彦がりつ子の片思いの相手だと思って、こんがらがったわ。)したまま、宙ぶらりんに終わるのも初めてじゃないかな。
劇中3度も出てくるセリフ「自分の気に入った作品は誰にも売りたくない、まして気に入らない作品は売りたい訳がない」画家を志す者の心中とはこんなものなのか。りつ子が食べるにも困る貧乏画家なのも、嫁に行って出戻って、更には片思いの画家に失恋してしまう男運の悪さも、彼女のこの考え方から来るものなのかもしれない。 言ってしまえば自身の実力に対し理想が高すぎる。一条も寅も自分の理想とは違うから受け入れない。だから幸せにもなれないし、画も売れない。 最後の啖呵売「だが、私にも生活というものがある」が答えだわ。「私の寅さん」なんて言ってる場合じゃない、現実を観て、自活していこう。 |
|
K&K さんの 最近のクチコミ・感想
男はつらいよ 私の寅さんのレビュー一覧を見る
|