4.《ネタバレ》 てっきり、コスタ・ガヴラス作品のようなシリアスな社会派ドラマかと勝手に勘違いしていました。まさか、空港を舞台にした御伽噺のような脱力系ハートフルコメディだとは・・・・。でも、トム・ハンクスの「フォレスト・ガンプ」を髣髴とさせるトボけた演技にぐいぐい引っ張られて楽しい時間を過ごすことができました。こういう本当に悪い人間が出てこない作品は見ていて楽しいですね。ちょっと長いですけど。 【TM】さん [地上波(吹替)] 7点(2008-09-30 19:17:50) (良:1票) |
3.トム・ハンクスはコメディアンであると信じる立場から、本来の彼の持ち味が生かされたコメディ作品は嬉しい。問題は1000人もの観客と同じスクリーンを見ているはずなのにゲラゲラ笑い続けていたのが私一人であったこと。この寂しさはいったい何なんだ。 トム・ハンクスだから、スピルバーグだからと言って大箱でいかにも感動系なコピーをつけて売らなければならないという事情もわからなくはない。だからと言ってクスリとも笑わずに深刻ぶってスクリーンを見つめ、とってつけたようなラストでは涙まで流す観客の異様なまでの主体性の無さに愕然とした。人々は映画に対する感想まで誰かに教えてもらわなければならなくなってしまったんだろうか。自分の頭でモノを考えていれば、この程度の「感動話」に泣ける方がどうかしている。 もはや「大作」にしか出演を許されなくなってしまったトム・ハンクスと、「大作」しか手がけられなくなってしまったスピルバーグにとって、果たしてこの選択が正しかったのかどうかは疑問。これは低予算で低スケールで、地味に撮って味の出るストーリーだったと思うし、泣く泣く大作に仕立てた割には頑張っていると思うのだけれど客寄せパンダのキャサリン・ゼタ=ジョーンズは蛇足だったし主人公がNYへ行きたい理由も実際そんなに必要ではなかった。ただ飛行場から出て行かない主人公というシチュエーションだけが重要だったのであって、優れたアイデアだっただけに潤沢すぎる予算は却って邪魔になってしまった。売れすぎた才能の行き場の無いエネルギーという皮肉。ついにスキンヘッドになってしまったスタンリー・トゥッチの熱演に敬意を表して7点。返す返すも惜しい作品ではある。「トゥルーマン・ショー」にとても似ていると感じたのは私だけだろうか。 【anemone】さん 7点(2005-01-02 00:18:35) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 私がトム・ハンクスをこよなく愛する1つは「その軽快な演じ方」にあります。コメディアン出身の彼は、「ビッグ」「ターナー&フーチ」「プリティリーグ」最近では「レディ・キラーズ」などで、彼にしか出来ない軽快なテンポの演技をしてきましたが、「フィラデルフィア」「フォレストガンプ」で2年連続オスカー受賞してからは比較的重厚な役回りが多い気がします。「プライベートライアン」「グリーンマイル」「キャストアウェイ」「ロード・トゥ・パーディション」など。
演技力を見せ付ける彼も素敵ですが「人間味あふれる等身大の演技」を見るなら彼の右に出る人はいません。当然この映画は「彼のためにある映画」であり、時には椅子をベッドにするシーンで間に落っこちそうになり、悪戦苦闘するシーンや、1つ嘘を付けばNYに出られると言われても決して嘘を付かない彼の姿勢に思わず笑わせられました(笑)<そのくせ、キャサリンゼタには何故ターミナルにずっといるか嘘をつく!
この映画は決して派手ではありません。クリスマスに他で上映されているどの映画よりも地味なヒューマンドラマです。それでも「ビッグネームが作り上げたテンポよい人間ドラマ」として見ると、本当に見てよかったと思える映画だと思います。
特にトム・ハンクスのファンの皆さんなら、このような、間に彼の笑いのテイストが散りばめられた作品は思わずうなづいてしまうのではないでしょうか!?「レディキラーズ」もですが、彼がどこか『笑い』を散りばめた人間的な作品を最近は選んでいるような気がして嬉しくてたまりません!
最近のスピルバーグは商業主義になってきたという人はいますが、彼が監督したという先入観を捨ててこの映画を「祖国に帰れなくなった男の9ヶ月間の物語」と思って観たら、これは中々の佳作だと思いますよ!文句無しに上手いトムの演技に6点。キャサリンゼタはやっぱり綺麗だったので+1点!スピルバーグとトムハンクスの4本目のコラボがいつか見れるのを期待してこの点を付けます!! 【まさかずきゅーぶりっく】さん [映画館(字幕)] 7点(2004-12-23 20:56:06) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 最近のスピルバーグは「Catch Me If You Can」にしてもそうだが、いろんな意味で大作を作らなくなった気がする。それは彼が意図的にそうしているのか偶然そうなっているのかは知らないが、これらの映画を見てなんでスピルバーグがこんな映画を?っていう印象を受けてしまう感じは否定できない。地味でもないし派手でもないこの映画は、他の監督が作ればこの監督はなかなかやるなと思わせる出来なのにスピルバーグのネームバリューからなのか、何かもう少し期待してしまうのはやはり彼が大御所たる所以だろう。しかしこれは彼がいい意味で余裕を持って映画を作っている証拠だ。ストーリーはアメリカから見れば外国人である我々にとって非常に共感できるシーンがいくつもある。特にトム・ハンクスが英会話の本を片手に入国管理官と話すシーンは爆笑ものだ。個人的には恋愛が絡んでくるところはあまり好きではないが、この映画はハリウッド映画だと割り切って見ればさほど気にする程度のものではない。傑作映画を見た満腹感は得られないが非常に安心して見れる映画に仕上がっている。それはどんなジャンルの映画でもどんな脚本でもある一定以上のレベルに仕上げるスピルバーグの凄さなのかもしれない。 |