《改行表示》 4.《ネタバレ》 邦画の劇場版1を基本にしてOV版1の発端部分その他を加え、わけのわからない箇所やおふざけを除いて再構成した結果、非常に筋の通ったまともなホラー映画になっている。邦画版の特徴だった時間の前後もわかりやすく単純化されており、初めからこういう風に作ればよかっただろうが、と思わせるものがある。 真面目な映画のため、特にOV版にあったような笑いを誘う場面は目立たなくなっているが、かろうじてバスに乗っていたバカップルのようなのは存在自体が微妙に可笑しい。また細かいことだが、外国人教授が少年の額に手を当てようとしたときに、瞬時に少年が避けて無表情に睨んだのはネコの動きのようで面白かった。 ただ個人的に不満なのは女優が全般的に可愛くないことで、これは邦画版との大きな違いに思われる。邦画版と一対一で対応している人物も多いが、邦画版のあの人物がこれかと思うとあまりの可愛げのなさに呆れてしまう。その中で主役はかなりいい方で、終盤で日本人看護師と並んだところを見ても外人にしては大柄でないのが好印象だった。 ところで中盤過ぎに日本の刑事が、毎度の冒頭に出る辞書的説明をまるで日本全体の事情のように一般化して語っていたが、これはわが国に関する著しい誤解を生む恐れがある。映画全体としても日本の風景の中に外人多数を連れ込んだような違和感があることもあって、“日本にさえ来なければこんな目には遭わなかった”という教訓的な感じの映画になっている。タクシーの窓に「ようこそ日本へ」というシールが貼ってあったのは皮肉のようだがこれも笑うところなのか。 この当時はともかく現在は訪日外国人数が著しく増加しており(2004~2014の10年間で倍以上)、外国人観光客などを対象にした民泊の動きも全国的に活発になっている。そういうときに、古風な日本家屋には何が憑いているかわからない、というこの映画は水を差すのではという話だが、まあそういうことも含めて外人には受けるだろうと思うべきか。劇中の家の内部も微妙に外人受けしそうな作りのようでもあり、これが日本への旅情を誘うことになるとすれば幸いである。 [2020/02/16追記] 2015年の時点では、当時のインバウンド拡大の風潮に乗って外国人観光客を無条件で歓迎するようなことを書いてしまったが、その後に民泊の弊害とかオーバーツーリズムとか(感染症のリスクとか)の問題が出て来て、今となってはあまりよろしくない書き方だった気がする(反省)。政界や経済界の思惑はともかく個人の立場としては、人数や金の問題というよりも、日本に関心があって日本のことをもっとよく知りたいお客さんに来てもらいたい。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 6点(2015-12-12 13:55:18) (良:1票) |
3.日本劇場版に若干ビデオ版を取り入れただけの、今までの集大成というか良いトコ取りで上手くまとめた印象。「ハリウッドでナンバーワンを獲得」という言葉に弱い一般層や邦画は観ないが洋画なら観るという方々を取り入れるにはもってこいな作品に仕上がったかな。ビデオ版と日本劇場版もレンタルで高回転するかもね。ハリウッドでナンバーワンを獲得するとは同じネタを引っ張り続けた清水監督も満足だろうけど、偉大な一発屋にならんことを祈りますわ。続編も決ったらしいけど慎重にね。 【ロカホリ】さん 6点(2005-02-15 21:54:08) (良:1票) |
2.ストーリーはリメイク元と同じですね。でもとてもうまくリメイクしてますよ。こういうタイプの映画はあちらにはないだろうから、なかなかのカルチャーショックじゃないですか。目のつけどころがいいよね、サム・ライミは。あんまりお金もかかってなさそうだから、興行収入1億ドル突破だなんて、かなり利益率が高いんだろうなぁ。たぶん2も作るだろうし、その続編も似たような感じになるのかもしれないけど、僕としては、清水監督は新たな可能性を切り開いてほしいと思いますね。末永く監督していくには、ずっと同じことも出来ないだろうし。 【あろえりーな】さん 6点(2005-02-13 04:03:08) (良:1票) |
1.(ちと長文…) 位置づけとしては「呪怨3」って感じもしますが、中身は「ザ・リング」以上のまんまリメイク。しかし、撮影それ自体がだいぶ贅沢になった様なので、作品の質としては一段も二段も上がってます。時間軸を前後させる構成も、より巧くなってた様な気もするし(何回も同じ物を作れば上達もするか…)、個人的にはオリジナルより楽しめました(唯、伽椰子が殺される理由には多少難有り)。興収1億ドルも突破したし、多分こっちにも「2」があるんじゃないですかね。ところで、本作にはそんなことより画期的な意義があります。日本人が作ってる訳だから当たり前っちゃぁ当たり前なんですけど、それは過去のどんなアメリカ映画にも無かったリアルな日本の描写(若しくは日本で生活する外国人の描写と言ってもいい)。一昨年は「ロスト・イン・トランスレーション」等という勘違い映画が持てはやされましたけど、私に言わせれば本作の方が遥かに上質ですよ。ということで、この製作スタイルを決断したサム・ライミに6点献上。 【sayzin】さん 6点(2005-01-28 00:07:11) (良:1票) |