《改行表示》 8.《ネタバレ》 普通のタクシー運転手が、殺し屋の仕事になぜか付き合わされる物語。 この『なぜか』の部分の説得力が弱く、多少強引な展開ではあるが、許容範囲。 登場人物が多すぎないのが良いですね。自分好みです。 それに大部分はヴィンセントとマックスの二人が中心となっているため、変に凝ったサスペンスよりすっきりして見やすいですね。 ただ、シーンとシーンをつなぐ『タメ』のようなものが長すぎて、ややクドイ。 そーゆー雰囲気を作りたいのはわかるのですが、中だるみを引き起こす原因になっているような気がします。 ストーリー自体は、ある種の哲学を感じますし、何かのメタファーなのかなって思う部分もありますが、やはりシンプル。 こーゆーストーリーであれば、変に間を置かずに、テンポよく進んでいったほうが良かったんじゃないかな。 要所要所のアクションは瞬殺パターンが多くて好き。迫力があるし、サスペンス色が強くなります。 ラストの攻防も見事でしたね。 こんなに怖いトム・クルーズを見たのは初めてです。 特に地下鉄での『降りたいけど降りられない。』という状況の作り方がうまいです。 いたってシンプルな構図だけに、緊迫した雰囲気がよく伝わってきます。 総評。中だるみする部分はあるものの、気にならない程度。全体的にスリリングかつサスペンスフルで面白かったです。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-03-25 04:30:48) (良:3票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 何故か私の周り(特に女性陣)にはT・クルーズ嫌いの人が多い。 理由は色々有る様だが、演技が大して上手くないのに演技派ぶってる所が気に入らないそうだ。 そんな人に私は本作の鑑賞をお薦めしており、結果としては殆どの場合、T・クルーズの評判を少し高める事に貢献(?)出来ている。 本作は有る意味「レベルの高い命懸けの掛け合い漫才」を観ている様で、相方のJ・フォックスが居なければ作品自体成立しないのは明白だが、それでも白髪の冷徹な殺し屋を嬉々として演じているT・クルーズは充分見応えが有った。 自論だが、私は「トロピック・サンダー」しかり、初のセルフパロディとも言える「ナイト・アンド・デイ(未見)」しかり、T・クルーズはデビュー当時のアイドル的イメージの払拭含め、貪欲に自分の可能性に挑戦し続けている稀有な俳優だと思うのだが、皆さんは如何思われるだろうか? 【たくわん】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-27 13:00:40) (良:2票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 ストーリーにサプライズがあることは全く期待せず、マイケルマンらしい質の高い熱い男の世界の映画を期待していた。 本作は嫌いではないが期待したほどの映画ではなかったと思われる。 トムクルーズの殺し屋役ではあるが、カッコイイのは中国系の男を殺すところだけ。 本来なら、人間をゴミとしか思っていなく他人を拒絶するような冷酷な非情な殺し屋であるべきだったはずだ。 マックスが言っていた「本来人間が持っているはずの大切な感情」を失っている人間には徹し切れてないという印象を受ける。 まだ軽い気がする、ジャズマンやマックスの母親とのやり取りは演技だとしても、ファニングとエレベーターを乗り合わせた時に「何階か?」や「今夜はどうだ?」とか聞くのには違和感を覚えた。 「人間なんて宇宙の中の小さな砂」と言っていたには、殺し屋としての哲学が伝わらない。自分も含めて人間なんて皆変わらんようなことを言っていたが、なんのために殺し屋やっているのか分からん。 ラストの死に様もイマイチだろう。人間をゴミだと言って、人間関係なんて無意味だと言っていた男が死ぬときは、もっと憐れで惨めな感じを出したほうが良い。 そうしないと何も伝わらない、本作の隠れたテーマは都会の人間関係の希薄さだろう。 かなりベタかもしれないが、親父から暴力を受けて感情を失い、地下鉄で人が死んでも6時間誰も気づかないような世界に嫌気をさしていたが、実は誰よりも温かい人間関係を欲していたというような設定でも良かったかなと思われた。マックスとの交わりで何かが変わっても良かった気がする。 アカデミーはよっぽど相手に恵まれないとノミネートすら厳しい、しかもこの映画の主演はジェイミーフォックスだし。 ジェイミー演じるマックスは良かった。 夢を抱きながらそれを実現できずに、時々一人島に逃げ込みながら、プロのタクシードライバーという現実に甘んじている男。 もう少し、自分が実は逃げているだけの男だと気づいて行動に移すシーンを丁寧に描いて欲しかった。 少し不思議に思った点があるので書きたいが、空港でカバンのすり替えをしているがこの男はヴィンセントの特徴が分かっているのにそれがフィリックスには伝わっていないのはおかしい。 そしてマックスの母親にリムジン会社の嘘をついているが、タクシー会社に何度も電話するというのは整合性がつかず、イマイチ分からん。 【六本木ソルジャー】さん 7点(2004-10-24 03:30:11) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 妻投稿です。旦那と会話しながら観ました。■■■■旦那:「トムクルーズどこに出てるの?」私:「黒人じゃないほうよ」■私:「うわー、人が降ってきたよ!」旦那:「上で何があったんだろう」私:「この豚は60億人の中のたった1人だって」旦那:「そんな当たり前の事言われてもわかんねえよ■私:「なんかパソコン壊しちゃったからパシリされてるよ?」旦那:「自分でやればいいのに」私:「そうだよね・・ゴルゴ13だったらさりげなくやるよね」旦那:「ほら案の定大騒ぎになっちゃった」■私:「あれ? ニホンオオカミってまだ生き残っていたっけ?」旦那:「絶滅したよ。でもここはアメリカだから普通のオオカミじゃない?」■旦那:「なんか白髪が黒人にお説教している」私:「そういう奴って多いよね。他人を酷い目にあわせておいて、お前がああだからこんな目にあうんだって言うやつ」■旦那:「おおー事故っちゃった」私:「殺し屋が逃げていくー。実は弱虫なんだね」旦那:「あれ? なんか黒人の女の人を殺そうとしているみたいだよ」■旦那:「うおおおお、白髪がくる、白髪が来る、白髪が来る」■私:「撃った? 撃たれた?」旦那:「白髪が負けたらしい」私:「殺し屋って言っても大したことはないねえ」旦那:「地下鉄に置いていっちゃうんだ。これじゃあ、あの黒人殺人罪で捕まるよ?」私:「黒人の女のひと検事だから大丈夫じゃん!」旦那:「あ、朝になった」私:「考えてみればこの映画、夜の数時間の話なんだね」■私:「この映画と私が小学校で今度読み聞かせる絵本『でてきて おひさま』とどっちが感動した?」旦那:「俺はこの映画かな。この映画、結構教訓になるよ。機会ばかりみて言い訳しないで、信念を持って行動せよって!」私:「私は絵本のほうかな。私は逆に、言いわけばっかで信念を持って行動できない人間に平和で平凡な生活は送れないと思う(つまりタクシーの運ちゃんは殺し屋にとやかく言われる筋合いはない)し、信念よりも『朝太陽の下で生きたい』がためにおひさまのいる山に行く動物さんのほうが立派だと思うよ。『当たり前がわからない人間は当たり前を要求するな』と戦っているんだよ!」旦那:「でも引きこもりのおひさまを空に出すのって、『太陽よ!少し近づいているので離れてくれ』という某サル踊りヒーローより難しいからね」私:「あれ、うちら、何のレビュー書いていたっけ汗」 【はち-ご=】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-03-05 06:50:03) (笑:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 ヴィンセントとマックス。この二人には共通点と相違点がある。ヴィンセントは殺すことが好きで殺し屋をやっているようには見えなかった。本人の弁だが殺し屋を始めたのが6年前。それが本当なら転身したということだ。殺し屋稼業に就く前のことは語られない。一方のマックスはタクシーを転がして12年。リムジン会社を起業する夢を語る。タクシー運転手の自分は仮の姿だ、まだ途上だ…と。 ヴィンセントは自らの過去をマックスに重ねたのだと思う。自分も夢をストレートに語った時があった。だが、もう語れない。夢をまっすぐに語るマックスを青臭いと感じたのか、羨ましいと感じたのか。おそらくその両方だ。そして“仕事”が思うように運ばず苛立ったヴィンセントは指摘してしまう。確かこんな台詞。「お前はすでに夢が実現しないことが分かっている。なのに自分をごまかし続けている」。この言葉はヴィンセントが6年前に、自身にも浴びせた言葉ではなかったか。二人の共通点は夢が叶っていないこと。相違点は、夢を諦めたか否かではない。夢が叶わない現実を受け入れたか否か、である。 何度か機会があったはずなのに、ヴィンセントはマックスを殺さなかった。それは過去の自分を全否定したくなかったからだろう。 誰しも人生に夢を描く。ほんのひと握りがその夢を実現させる。では、実現できなかった者たちはどこへ行くのか? 大多数は殺し屋にはならずとも、ヴィンセントのように線を引いて人生を送るのである。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-02-18 04:44:59) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 先ほどテレビで見たので投稿します^^; 「ヒート」を以前見て面白かったのでこれ見たんですが この監督さんはやはりガンアクションに非常に拘りの有る人ですね。 今回もかなりその点で楽しめました。 一見して隙が無く非情で凄腕の殺し屋ビンセント(笑)が 1台のタクシーに乗り込む事から始る物語ですが 始って見るとプロの殺し屋と呼ぶには余りにもズサンで行き当たりばったりを臨機応変と言って見たり まあ、実はミスも多く隙も多い殺し屋だったという事で^^; それに絡んで行くしがないタクシードライバーのマックスがかなり良い味出してました。 全編やっぱりマン風味というか独特の風合いを出していて途中の2人問答などを見ても その後の展開や結末は1筋縄で行かない。行かせたくない。 ただやはりこれだけ極悪で刹那な主人公ですから待っているのは死しか無い訳です。 これは観客も気付いている。ああ-----いつ死ぬの? その点でも最後の最後。ウキュ-----っとうなってしまう渋い複線が待っています。 結構気に入った作品なんで後でDVD借りて字幕でもう1度みたいかな。 ただハマレ無い人には面白く無いと思います。 私はちょっと甘めの7点で。 【一般人】さん [地上波(邦画)] 7点(2007-10-21 23:25:30) (良:1票) |
2.漠然と抱えている夢に向かってひたすら同じ仕事を繰り返すタクシー運転手と、今動かないと意味がないと煽る孤高の殺し屋。この2人の生き様の対比が何より面白かったです。無理矢理巻き込まれた事で、マイペースに生きてた運転手も行動せざるを得なくなり、その過程、心情の変化が興味深いです。銀狼のトムは、今までの役の中で一番凄みを感じました。またそれを演出したマイケル・マンという監督の技量も感じたし、さすがに男の映画を描くのが上手いなと思いました。ジェイミー・フォックスってやっぱり演技上手いんですね。後半、銃の撃ち方が上手くなりすぎた部分を除けば完璧な演技だったと思います。キューバ・グッティング・ジュニア、渡辺謙、そしてジェイミー・フォックス。本当にトム・クルーズは「あげちん」ですね。私もあげられたいです、ヘンな意味じゃなく。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-18 00:54:25) (笑:1票) |
1.《ネタバレ》 偶然、殺し屋を乗せてしまった不運な男、マックス。と考えるのは在り来たりである。僕は反対に幸運だったと考える。その理由はとても単純。それは女性検事であるアニーを殺し屋から命を守れた事。この事によってマックスは大きく変われただろう。長年同じ仕事をし続けたせいで、一歩踏み出す勇気を失っていたマックスに新しい勇気を与えた殺し屋。この出会いは幸運としか言い様がない。もし殺し屋と出会わなければマックスは女性検事であるアニーが殺害された事すら知らなかっただろう。なぜならアニーに電話をし、デートに誘う勇気すら失っていたからだ。結局マックスがアニーの死を知ったのはテレビのニュースでだろう。僕はそう考える。だから、マックスにとってはとても幸運な出会いであり、幸運な“巻き添え(コラテラル)”を食らったのだと僕は考える。そう考えれば、死んでしまった殺し屋役のトム・クルーズもきっと救われるだろう。 【ボビー】さん 7点(2005-03-13 17:09:14) (良:1票) |