6.ネタバレ 前半は寅さんが連れて帰ってきた赤ん坊の騒動で笑わせてくれます。しかし子どもが欲しくても子宝に恵まれなかったおばちゃんがわが子のように赤ん坊を可愛がる姿と、自分の子どもをいとも簡単に置いて姿をくらました挙句、気が変わって軽い気持ちで迎えに来る若い親との対比が少し悲しくもあります。
後半は寅さんがしっかり恋愛モードに突入してくれます。ここでいい味を出すのが江戸川合唱団のリーダー、大川弥太郎。中期以降の作品では寅さんは完全に若い二人の恋の指南役に回ることも多くなります。本作でもその傾向はあるものの、寅さん自身も大川と同じ相手にしっかり恋をしており、大川は寅さんのれっきとした恋のライバルでもあるんですね。これは第14作。まだまだ寅さんは若いなあと感じ、嬉しくなるのです。
そしてその恋の相手は十朱幸代演じる看護婦さん。寅さんのマドンナは悩みを抱えていたりどこか影のある女性像が多い中、そんな影を感じさせない十朱さんが演じる庶民的で明るく元気一杯のマドンナ像と寅さん、とらやの人々との絡みは陽気で明るく、シリーズの中のお気に入りの一作です。 【とらや】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-07-30 22:10:13) (良:2票) |
5.ネタバレ シリーズ14作目。あぁこれ、私が初めて観た寅さんです。たぶん中学生くらいにやってた日曜洋画劇場で、マドンナの「飴降って痔固まる」の話を覚えてました。 本作からおいちゃんが変わりましたね。私の中ではおいちゃん=下條さん。今までのおいちゃんと比べて大人しめな印象ですね。
今さらだけど男はつらいよは、ほぼ2つのパートに分かれていて、マドンナと寅の話が後半にあって、前半はもう一つの話って感じ。 本作は前半、寅が赤ん坊を連れてくる話と博が手を怪我する話で、後半赤ん坊は引き取られ、博の手は治ってる。つまり前半が無くても後半は成り立つんです。 もちろん、博の手の怪我を診せた看護婦に赤ん坊を診せに行くって関連はあるけど、マドンナパートの中心は看護婦である必要が無いコーラスグループの話。 たぶんもしかしたら、たくさんのバリエーションを作ったマドンナ・シナリオ案と、同じくたくさん作った前半のシナリオ案(とらやの人々の掘り下げ、寅の旅先話などなど)を組み合わせて、一つの作品にしてるんじゃないかな。
妄想はそれくらいにして、本作はタコ社長の人柄がいい味出てました。博の怪我を心配して、寿司を届けて詫びる姿。印刷所の仕事を止めて社員を休ませる気遣い。いい社長だと思います。 それとおばちゃん。寅の連れてきた赤ん坊を本気で育てようとしたおばちゃん。男が引き取りに来たあとの、おばちゃんの喪失感はもう少し掘り下げてほしかった気がする。湿っぽい話になってしまうけれど。 寅がさくらに7,700円入った貯金通帳を渡すのも良い。名義が諏訪さくらなのがもう、泣けてくる。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 5点(2023-08-27 18:00:24) (良:1票) |
4.ネタバレ コメディならではの強引さが楽しい作品です。まず博の労災事故、ここで早くも看護師さんであるマドンナが登場して物語の布石を打つ。え、強引どころか、計算された脚本やんか、ってか。しかし、寅さんが帰宅し、老後の備えの話題となると、まるで会話を事前に予期し構想を練っていたかのように、壮大かつ軽薄な計画をスラスラ披露する寅さん、当然喧嘩となりとらやを飛び出すが、老後の備えと称していた通帳を捨て台詞と共にさくらに渡すと、それは実はさくら名義の通帳だったというオチ。喧嘩してカッコよく飛び出すところまで全て事前に織込み済みだったとしか思えない寅さんの全言動、コメディたるもの、このくらい強引でなくっては。そこから一転、侘しい港町でアンパンを買う寅さんの姿、風情があっていい感じ。しかし強引さは手綱を緩めず、知りあった甲斐性無しの男に赤ちゃんを押しつけられる展開。この後、登場人物の誰一人、警察に届けるべきという発想を持たないのが大変よろしい。この赤ちゃんが寅さんとマドンナを結びつける存在であり、一方とらやの面々はこれを阻止しようとムダな足掻きをする訳ですが。マドンナも強引にとらやに出入りするようになり、最初っから、寅さんにホレさせておいて後で別の男に走る算段だったとしか思えない。このシリーズのマドンナとして、これだけ自分の義務(?)に忠実なヒトも珍しいのでは。寅さんもこれに応え、いつにもまして軽薄で無責任な言動の数々を披露。当然にして最終的にマドンナは他のムサい男を強引にも選択。失恋したと知った瞬間に旅支度をする寅さんも、それを大して止めもしないとらやの面々も、素晴らしいほどに要領が良く、こういうストレートさも本作を実にサバけたものにしています。例の赤ちゃん、最後まで物語をかき回す役として存在してくれればいいのに、残念ながら作品の途中で退場してしまう。こうして物語を「整理」してしまうのが、本シリーズの限界かとも思う反面、最後に「遠い空の下で元気にしてるよ」と顔を見せてくれるのが、本シリーズの優しさか、とも。ところで、コーラスに参加した後のさくら、丸めた紙を持ってますが、楽譜ですかね。丸めちゃってるってことは、もう参加する気ないんですかね。喫茶店で丸めた紙を窓際に押し込んでましたが、このまま置いて行く気なんでしょうね。と思ったらその後のシーンでもまだ持ってましたね。意外に続ける気なんですね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-02-22 04:20:35) (笑:1票) |
3.ネタバレ 【子守りはつらいよ・唐津篇。今回のマドンナ:十朱幸代さん。】 口の悪さが半端ない今回、ヒロシに謝れ!タコ社長に謝れ!その口、ガムテープででも塞いでおきなさいよってんだ。 それと同じく責任感の欠如による駄目っぷりもまた半端なかったですね。連れて帰って来た子はまるで他人事だ(笑) そのくせ都合の良い時だけ赤ん坊を奪い取るように抱きしめ、用が済めば、当たり前のように、さくらに押し付け、おばちゃんに押し付け、最終的には源公さんの背中だよ(笑)。まったくしょうがないね この馬鹿寅は。(笑)
挙げ句、きっと唐津からの道中、一度も赤子のオシメなんて替えてないのでしょうね 名前が花子だとか言ってましたもんね チン●ン付いているコトさえ知っていなかったですもんね(笑)。
とまあ、そんな今回、赤ん坊が無事に引き取られ去って行ったコトは良かったものの おばちゃん、さぞ寂しくなったことでしょうね 子宝に恵まれなかったという談話に気の毒さが増してしまった しかし、それでもしっかりツッコミ役の仕事と店番の仕事しっかりこなしてましたね どうも御苦労様でした。でも寅は何一つ手伝う事やってませんでしたがね (こ~のバカたれが~。)
恋の件に関して言えば、今回、寅さんよりも顔中ヒゲだらけの汚らしい青年(桜中学:社会の服部先生だった人)のほうを応援してしまった 寅はまあいいだろ どうせ、この先まだ33話もあんだから。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-01-23 21:08:11) (良:1票) |
2.ネタバレ マドンナは十朱幸代。
前半、春川ますみが子供を引き取りにとらやにやってくるシーンが良かった。この回より、おいちゃんが下條正巳に変わって、とらやでのドタバタがかなり抑えられることになる。(ドタバタするのはタコ社長と寅さんくらいかな)下條のおいちゃんは前二人と違って至極真面目。それを察したのか、おばちゃんがところどころでお笑い担当となる。彼女の「あの、何てったっけ、ひげ中顔だらけの、ほら」というセリフは、森川信の「まくら、さくら」を思い起こさせた。
十朱幸代は可愛らしいけど、この頃になると寅さんもあまり入れあげなくなって、あっさりと社会の服部先生(『金八先生』)に譲ってしまうのである。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-04-28 23:21:57) (良:1票) |
1.ネタバレ 山田監督は、世間から一見馬鹿にされるような人間に魅力を感じるとインタビューで答えていたのを覚えています。 「生まれた子には何の罪もないんだ」 寅さんが言ったセリフを、後のシーンで御前様にも言わせる山田監督の計算高さ。頭が下がります。 本作は、赤ん坊を取り巻く寅さんたちの騒ぎっぷりが最高。 さくらさんの「私、おかあちゃんじゃありませんから!」 もう窒息しそうなくらい笑えました。 挙句の果て、源ちゃんが赤ん坊をおんぶしてるんだから! 最近観賞した寅さんシリーズでは、最高に笑えた逸品です。 【クロエ】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-15 06:11:39) (良:1票) |