《改行表示》 4.《ネタバレ》 バイオリンを弾くのが下手だったり、ワトソンの「名前当て」も完璧には成功出来なかったりと、まだ未熟で人間臭さの強いホームズ像が如何にも「ヤング」という感じがして、好印象。 その一方で、ヒロインを巡る恋のライバルな男子生徒を嫌味に描いているけど、ホームズ自身も「嫌味な優等生」に思えてしまうキャラなので、これにはチグハグな印象も受けましたね。 既に恋人がいたり「授業中は気が散るから話しかけないでくれ」と言ったりと、取っ付き難いタイプの主人公なので、もう少し相棒のワトソンの比重も大きくして「親しみが持てる凡人」としてのワトソンの魅力も描いていたら、それと対になるホームズの魅力も、更に際立っていた気がします。 あくまで個人的な見解ですが、偉大なるポーの「オーギュスト・デュパン物」をそのまま剽窃したとしか思えない「シャーロック・ホームズ物」が何故魅力的なのかといえば、それはワトソンの存在が大きいからであると考える自分としては、ちょっと本作はホームズにばかり偏り過ぎに思えちゃいました。 また、本作は「スリーパーズ」や「レインマン」で有名なバリー・レヴィンソンが監督を務めているのですが、それ以上に脚本のクリス・コロンバスの個性が色濃く表れている感じでしたね。 後に「ハリー・ポッター」シリーズの脚本を担当する人だけあってか、それと共通した「少年少女達の学園物語」として仕上げられている。 特に、空飛ぶ自転車に乗って歓声を挙げるシーンなんかは、如何にも「青春物」「子供達が主役の話」って感じの魅力が伝わってきました。 退校処分になったホームズを見送るヒロインが窓に息を吹き掛け、指で「I LOVE YOU」と書く場面なんかも、凄く良かったですね。 しかも、相手が読めるようにと普段とは反対に書く為、ちょっと考えて間を置いたりするのが、また可愛いんです。 そんな印象的なやり取りが、ラストシーンにて「ここには思い出が多過ぎる」と、ヒロインが指文字を描いた窓を見つめるホームズの姿に重なる脚本となっており、切ない余韻を与えてくれました。 「レストレード『警部補』が登場し、最後に昇進する」 「恩師であり敵となる相手が『モリアーティ』を名乗る」 など、元ネタを知っていればニヤリと出来る描写が多いのも特徴ですね。 自分としては、ヒロインのエリザベスが後のアイリーンなのでは? と思っていただけに、その予想が外れたというか「最後に死ぬからアイリーンじゃなかったのか!」と唸らされた形。 パイプを買ったワトソンに対し「そんなの馬鹿に見えるだけさ」と皮肉るも、別れ際にパイプをプレゼントされたら、喜んで受け取るホームズの姿も良かったです。 その他、印象深いのは、吹き矢を操る相手と格闘になった際に「相手が吹くよりも先に射出口から吹いて、毒矢を逆に呑み込ませる」方法で勝つ場面。 そして、ワトソンの好物である「クリームパイ」がチョココロネみたいな形をしており、かなり美味しそうであった場面なんかが挙げられそう。 観賞中は、退屈になってしまう事も多く 「幻覚シーンが何度もあって、流石にしつこくて飽きる」 「ヒロインが死んで犯人も逃げ延びてとバッドエンドに近いので、後味が悪い」 などの不満点も数多くあるのですが、こうして感想を書いてみれば「良かった部分」ばかりが思い浮かんでくるんだから、何とも不思議ですね。 観客にとって「良い思い出」として記憶に残り易いタイプの、非常にお得な映画だったと思います。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 6点(2017-10-11 16:40:41) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 ワトソン君の名前当てのシーンがピークで、あとは尻すぼみ。後半はもう推理戦ですらないです。前半のノリで最後まですすめてほしかった。 序盤にちょっとだけ出てくる化学のおじいちゃん先生に爆笑。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-04-06 05:04:21) (良:1票) |
2.子供の頃、大好きな映画だった。今観ると、いかにもスピルバーグ印の冒険活劇という感じで、推理ものとしてはいささか物足りない。犯人が勝手に手がかりを落としていくものだから、それを追っていけば犬でも辿り着くという安易さ。シャーロックがほとんど推理らしい推理をしていないので、ミステリーを期待する向きには合わないかも。しかし、当時の最先端であろうSFX描写や少年たちの冒険ものとしてはなかなかに見応えがある。ラストのサプライズに、往年のシャーロッキアンもニヤリとするでしょう。 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 6点(2007-12-13 23:40:36) (良:1票) |
1.ああっ!もっとボロクソかと思ったら、意外にも好評。私、この映画大好きなんです。美術や音楽が良くて、役者もみんないい雰囲気で。エリザベス役のソフィー・ワードにファンレター書いたら、返事とサイン入りポートレートを送ってもらって、それは今でも宝物。子供っぽくて説得力のない脚本のせいで(幻覚が必ずすぐ自傷に繋がるってのは幾らなんでもねぇ。それで殺そうとする事自体、無茶でしょ)、かなり印象が悪くなっちゃってる部分もありますが、その脚本担当クリス・コロンバス以外は、本当にいい仕事をしてる映画でした。古きイギリスの寄宿学校を舞台に展開するファンタジー、『ハリー・ポッター』世代に見て頂きたい映画(ワトソンくん、ハリーみたいだし)。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2003-11-24 14:31:54) (良:1票) |