1.その日は確かに『少女へジャル』を見ようと劇場に向かったはずであった。が、窓口でチケットを買う時、隣りのスクリーンからのイカくさい臭いが私の嗅覚を刺激し、脳が「いかレスラー」と発声するよう命じてしまった。トルコ人とクルド人の対立に静々と涙するはずが、イカとタコの対決にバカバカしくて涙することになってしまったのだ。しかしこれは真面目にパカをやってくれている。それがすがすがしい。オレンジに染まる夕景、超ロングショットで捉えたいかレスラーのシルエットには感動したぞ。石田香奈とかいう女優のお遊戯演技が、またこの作品のチープさにマッチしている。煩悩を克服するためにお寺で行に励むレスラーと神社で願をかける恋人のクロスカットも日本の宗教事情を現していておもしろいじゃないですか。ラストにはどんでん返しまで用意。監修・実相寺昭雄、これは河崎実監督が描く真剣なおパカスポ根ムービーであります。この点数が精一杯ですが、けっして見て損はない、とおスミをつけておきましょう。 【彦馬】さん 6点(2004-08-23 00:02:51) (良:1票)(笑:4票) |