4.面倒見が良く実直なアメ・フトのコーチと、知的障害のある黒人青年との、実話を基にした友情物語。当然のことながら差別や偏見あるいは虐めといったシーンもあるのだが、これが初監督作とは思えないほどM・トーリンの演出には終始抑制が効いていて、このテの作品にありがちな嫌味がないのには好感がもてる。もっとも、実在の人物に対しての配慮があったともとれるが、障害者云々のお話というよりは、コーチと彼を取り巻く人間ドラマに焦点を充てたことが、そういった印象をもたらしたのだと思う。旧知の住民仲間や学校側あるいは家族、とりわけ自分の娘のことなど人間関係に苦悩するコーチが、無邪気で打算の無いラジオの姿に、人生の大切なものを教えられるというのが作り手の最も言いたかったこと。そういう意味で本作は定石ながら実話の重みを十分感じとれる作品となっている。若き日のラジオを演ずるキューバ・グッディング・Jrも巧みだが、仲間たちが集うバーバー・ショップでの、その場の空気をコーヒーの味わいで表現する演出を小粋なものにしているのも、渋さの増したE・ハリスの好演があればこそ。カムバックのD・ウィンガーの美しさは相変わらずだが、歳相応のしっとりとした演技で彩りを添えてくれているのも嬉しい限りだ。 【ドラえもん】さん 8点(2004-10-28 18:21:54) |
3.涙を流して感動する作品ではなく、見終わった後にちょっと優しい気持ちになれる映画。この手の作品にありがちなあざとい泣かせのエピソードはなく、人間対人間を地味ながら丁寧に描いているのが好感。ジョーンズの片腕のおっさんのハニカットが脇役ながら好印象。最後に実在のラジオが出てきたのは嬉しいサプライズでした。 【ライヒマン】さん 8点(2004-10-16 15:44:23) (良:1票) |
2.大好きだったデブラ・ウィンガーが復帰しているというので見に行った。最初、「タイタンズを忘れない」のようなスポ根ドラマかと思ったけど、これは違った。田舎の小さな街の人々と知的障害者のほのぼのとした交流の話で、障害者を扱ったヒューマンドラマというとハリウッド的な偽善性が鼻につくところだけど、この話は実話で、ストーリーも「出来すぎ感」はない。実在の主人公がラストに本当に映像に出てくる(しかもキューバ・グッディングそっくり。あれ? 逆か)ので、そうしたあざとさも感じなかった。涙がぼろぼろ流れる感動作じゃないけど、何とも言えないほのぼのとした気持ちになれた。軍人とか堅い役の多いイメージのあるエド・ハリスがラジオの成長していく姿を見て満面の笑顔を見せるシーンが良かった。世間で言われている通り、本当に良い俳優だ。デブラ・ウィンガーは若い頃の印象のまま、きれいに歳を取っていました。復帰作に良い作品を選んだと思う。 お話とは関係ないけど、試合の場面では映画の舞台設定となった70年代のグランド・ファンクなどのロック(リメイク作のようだったが)がガンガン流れて気持ちよかった。 【しまうま】さん 8点(2004-10-02 14:19:33) |
1.うーん、映画にするほどの話かいな?とも思ったけど、帰りの車中でちょと考え直す。別に映画がみんなみんなドラマチックでなくともいいよな。アメリカの田舎町のちょっとしたイイ話、それ以上でもそれ以下でもない作品。 【馬飼庄蔵】さん 6点(2004-09-30 12:21:47) |