8.《ネタバレ》 原作を知ってるだけに、なぜジブリがこの原作を選んだんだろうって不思議だった。結果、悪くはなかった。 この映画がテレビで放映された時、「こんな中学時代送ってなかった!」と鬱になったと2ちゃんなどで話題になったそうですが、そう云ってるのって多分少女漫画の洗礼をうけたことのない男子ではないでしょうか?りぼんやなかよし世代の人たちにこの設定は王道ですもん。何を今更って感じです。 雫の住んでいる団地、私の友達が住んでいたところにそっくりです。インテリアもなにもかも。あれが現実の人間の住居です。アニメであの姿が描かれた事って今までないのでは?その件に関してブラボーって云いたいです。もしかしてあったかも知れないけど、あんなさわやかな中学生の主人公の住居としては初めてな気がします。 地球屋に初めて行った時にあった年代物の時計の文字盤に「PorcoRosso」と書いてあってちょっと興奮。 |
7.《ネタバレ》 何といっても印象深いのは、図書カードの件。 自分と全く同じ好みをした異性がいるだなんて、正に運命。 天沢くんに惹かれる主人公の気持ちも分かるなぁ……と思っていたら、それは運命でも偶然でも何でもなく、単に「好きになった女の子が読みそうな本を、男が片っ端から借りていただけ」だったと判明して、もう吃驚です。 主人公もコレには引いちゃうんじゃないかなと思っていたら、頬を染めて、ときめいている様子だった事には、更に驚かされましたね。 昔の恋愛映画って、現代の観点からすると「これってストーカーでは?」とツッコミたくなる展開が多いんですが、本作もその一例として挙げる事が出来そう。
監督は近藤喜文ですが、脚本や絵コンテなどは宮崎駿が担当している為か(相変わらずのロリコン映画だなぁ……)と思わせてくれる事にも、何だかほのぼの。 本当に、拘りを持って「如何に主人公の少女を可愛く描くか」を突き詰めたのが伝わってきて、恐らくは性癖的に近しい要素を持っている自分としても「あざとい」「不道徳」と思いつつも、惹かれるものがありました。
そして、これが大事なポイントなのだと思うのですが、本作って少女だけでなく、相手役となる少年も、凄く魅力的に描かれているんですよね。 美男子で、優等生で、特別な才能を持っていて、夢に向かって一直線でと、同性の自分からすると嘘臭く感じるくらいなのですが、そもそも劇中の主人公カップルって「女性から見ると嘘みたいな少女」と「男性から見ると嘘みたいな少年」という組み合わせで成立しているのであり、そこが男女問わず観客の心を掴む要因になっている気がします。
男友達に対し「本当に鈍いわね」と怒っていた主人公が、実は自分の方がずっと鈍感だったと分かる流れも面白かったし「人と違う生き方は、それなりにしんどいぞ。何が起きても誰のせいにも出来ないからね」という父親の台詞も、胸に沁みるものがありました。
もう一つ印象深いのは「自分よりずっと頑張っている奴に、頑張れなんて言えないもん」という台詞。 主人公が天沢君に対して引け目を感じていた理由が、この一言に集約されている感じがして、とても秀逸だと思いましたね。
そもそも本作って、天沢君は典型的な「王子様」キャラだし、そんな彼と、ごく普通の女の子が結ばれるという、極めて少女漫画的なストーリーなんです。 にも拘らず、男である自分が観ても共感を持てるのは、具体的に「彼に見合うような人間になる為に、主人公も頑張る」という姿が描かれてるからなんですね。 だからこそ応援したくなるし、そんな「頑張り」が暴走して、勉強の方が疎かになってしまい、しっかり者な姉との口喧嘩にて、つい強がって「高校なんて行かないから」と言っちゃう辺りも、痛々しいくらいにリアルに感じました。 この辺り(ちゃんと彼の事を家族にも話した方が良いのでは?)と、大人になった今では思ってしまうのですが、子供の頃って、こういう不思議な意固地さがありましたからね。 何だか懐かしい気持ちと、恥ずかしい気持ちを、同時に味わう事が出来ました。
クライマックスの、まだ薄暗い夜明け前。 自転車に二人乗りして「オレだけの秘密の場所」に向かうシークエンスなんか、本当に素晴らしく、それと同時に面映ゆくて、観ていられないくらい。 「それじゃ寒いぞ」と彼女に上着を渡す仕草。 「私も会いたかった」と彼の背中に頭を添えて呟く主人公の姿など、青少年が憧れてしまうシチュエーションが「これでもか!」と詰め込まれているのだから、もう圧倒されちゃいます。 上述の「彼に一方的に幸せにしてもらうだけの女の子ではありたくない」という想いが、坂道での「共同作業」にも表れており、これには(良いカップルだなぁ……)と、素直に祝福したい気持ちになれましたね。 最後には、結婚の約束までしちゃう事すらも、この二人ならば、自然に思えます。 万が一結ばれなかったとしても、一連の出来事の数々は、素敵な初恋の思い出として、いつまでも心の中に残りそう。
脇役であった杉村君と夕子ちゃんの恋の顛末を、エンドロールの中でサラリと描いてみせるのも、御洒落でしたね。 天邪鬼な自分からすると、主人公カップルが眩し過ぎて、まるで幻みたいで、どうにも感情移入しきれない部分もあったりしたのですが…… それを差し引いても、良い映画だったと思います。 【ゆき】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-10-06 04:50:57) (良:1票) |
6.確かにこっちが恥ずかしくなるくらいザ・青春してますね。ジブリっぽくないところもあるのは原作漫画の世界を壊さないためだったのでしょうか。ま、こういうのもいいんじゃないですか。カントリー・ロードは耳に心地よく、残っています。 【HRM36】さん [地上波(邦画)] 6点(2013-07-09 10:13:34) (良:1票) |
5.甘酸っぱい青春ラブストーリーですが、既に主人公の親世代になってしまっている自分に、あのおじいさんのように高校も行かなくてよいなどとは言えず・・・若い頃であれば共感できたんでしょうね。 【東京ロッキー】さん [地上波(邦画)] 6点(2013-07-06 14:02:24) (良:1票) |
4.もし人物の設定が小学生だったら、違和感は無かったでしょう。あるいはどこぞの外国、ファンタジー世界の住人だったら素直に楽しめたと思う。でも「日本の中学生」という設定にされると、正直困ってしまう。自分の経験と照らし合わせてしまうから。自分の知る中学3年生は、あんなじゃないから。かといってリアルな設定を望んでいる訳ではありません。考えることの8割がエロ妄想の捻くれた子供の日常なんか観たくない(コレ自分のことですね苦笑)。ただ、サジ加減というものはある。本作の登場人物たちは、あまりに清くて正しすぎて、胡散臭いと思ってしまうのです。自分がまだ大人になりきれていない証拠でしょう。30も半ばなのに恥ずかしい限りでございます。もっと大らかな気持ちで素直になれたら、本作を好きになれる気がします。主人公の葛藤や選択には、感じ入るものがありました。自分には眩しすぎる映画でした。 (2019年1月12日追記)11年ぶりに地上波で再鑑賞。印象は初回投稿時とさほど変わりませんが、時代も変われば私の立場も変わるワケで。同じ年頃の娘を持つ身としては、処女作を書き上げて泣き崩れる雫の成長ぶりに、グッときてしまいました。自身を高めるキッカケとなる恋はいいものですね。そういう意味で聖司君には感謝したいところ。ただし、ラストのプロポーズはいただけません。お試し修行が終わったばかりのタイミング。本気で修行に打ち込む決意がゆえのこと?あるいは一種の現実逃避?いずれにしても10年早いわ。一人前になってからもう一度出直して来いと、私が雫の父なら言いたいところ。ずっと先を進んでいたイケメン彼氏も、年相応の幼さ(未熟さ)が残っていたとも言えますが。少年老いやすく学成りがたし。頑張れ若人よ。最後に一つ訂正を。初回投稿の「8割」は「9割」の間違いでございます。格好つけてました。すみません。 【目隠シスト】さん [地上波(邦画)] 6点(2008-02-26 18:57:15) (良:1票) |
3.「まだ好きって言ってくれてないけど、僕のことどう思ってるの」みたいなことを聞かれて、「耳をすませばのキャッチコピーみたいな気持ち」ととんでもなく恥ずかしいことを答えたことがあります。雫ちゃんより10ほども年上でしたけど。とにかくこっぱずかしい、かわいらしい映画ですね。 【なお】さん [地上波(邦画)] 6点(2006-12-30 10:49:01) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 若いっていいわね、微笑ましくって。 ホホ。 でもアタシ、きっと自分が中学生だったらこっぱずかしくって見てられないと思うわ、こんな映画。 今だから「アンタたち、頑張りなさいよっ!」って見てられるけど。 ってことはアタシは青春時代を過ぎて久しいってことかしら? やーね、年とるって。 でもほんの束の間、くすぐったいような青春時代を思い出させてもらったわ。 ところで、アタシはキザな天沢くんよりも野球部の杉村くんのほうが好きよ、素朴で純情そうな感じで。 雫ったら、男を見る目がまだまだね、なーんて。 ホホ。 【梅桃】さん [地上波(邦画)] 6点(2004-03-13 00:26:24) (良:1票) |
1.気色悪いほど爽やかな主人公達.少女漫画の王道ですな.内臓がかゆくなるような気恥ずかしさを覚え,悶絶しました.相手役の男の子が外国で辛酸をなめ,池上遼一風ハードボイルド顔になって帰ってくる展開だったら「10点」でした. |