《改行表示》 5.《ネタバレ》 登場人物たちの利己主義がバランスよく絡み続け、本作をレベルの高いエンタテイメントに仕上げています。内容的にはハードボイルドだけど、要所で挟まる軽妙な音楽がそれを中和し、ロードムービーを喜劇風にまとめます。 賞金稼ぎは、なぜ会計士を逃がそうと思ったのでしょう。それは念願とも言える仇敵の逮捕機会を会計士が提供してくれたからです。賞金稼ぎなりの感謝の印でした。でも、会計士は賞金稼ぎのことを思ってアクションした訳ではありません。そのまま別れたら、賞金稼ぎは会計士にとって「恩人」になってしまいます。だから30万ドルを贈りました。稼ぎ損ねた賞金を補填してあげたと云うより、貸し借りなしの対等な関係になりたかったのだと思います。対等な関係とは、つまり「友人」です。それに気付いた賞金稼ぎが振り返った時、友人の姿は消えていました。彼らの再会はいつか叶うと思います。 【アンドレ・タカシ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2013-01-27 00:24:10) (良:3票) |
《改行表示》 4. 漫画のワンピースは巷での評価が非常に高いです。その理由のひとつが、「ただのおちゃらけ冒険活劇ではなく、感動もあるから。」 この映画も近いものを感じます。 マフィアやFBIもふくめ、極端な悪人もいなければ極端な善人もいません。薄いグレーの人達が、四者四様で会計士マデューカスを奪い合うから面白い。みんなそれぞれ真剣なんですけど、のんびりした音楽、天然で出し抜かれあう人達の競演なので、全然緊迫したムードにならない。でもテンポが良く、人物同士の掛け合いが面白いので飽きさせない。そこへ、別れた奥さんと娘登場。そして、要所要所でのウォルシュの過去の独白。これがふわっとした物語をきゅっと締めていて、ただのコメディでは終わらせていないところがすばらしいです。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-04-29 13:30:34) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 中盤くらいからかな、ウォルシュの過去を含め全体像が見えてきてから、抜群に面白くなりました。コメディ色もあるので、結構笑えました。裏切ったり助けたり奪われたり取り返したり・・・このバタバタ感がベタだったりして、それが心地良かったりします。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-24 17:03:56) (良:1票) |
2.僕の中では、デニーロの映画で12番目ぐらいかな。「ミッドナイトラン」以降の映画に限定すれば、ベスト3には入るだろう。確かに「デニーロの転機になった映画」というイメージはある。あまりにも普通の映画で普通のデニーロだったからね。当時、僕の中でこの作品は、流行りの刑事アクション&コメディ系映画のワンオブゼムとの印象しかなかった。<デニーロである必然を全く感じなかったのが最大の印象だったのだ。> まぁ今観ればまた違った印象を受けるとは思うが。。。個人的にデニーロの本質とは、自然に滲み出る孤独と狂気の表情、現実への「もどかしさ」を漂わせる語り口にあると感じている。そういったイメージによって支えられた彼の存在感を自ら吹っ切ったのがこの「ミッドナイトラン」だったのだろう。この作品によって、彼の役者としての可能性が広がったのは間違いないが、明らかにアプローチを変えた以降の作品群のあまりの「普通っぽさ」に一抹の寂しさを感じることもまた確かなのである。これは、あくまで個人的にではあるが。。。 【onomichi】さん 7点(2004-10-10 19:45:37) (良:1票) |
1.こういう作品に対する自分の感性のなさというか、ニブさに情けなくなってしまう。そうか、そんなにも面白かったのか…。公開当時も前評判は高かったし、それなりに期待していったんだけど、ああ、これって『或る夜の出来事』に代表されるスクリューボールコメディを、男同士のカップルで再現したものかあ、と最初のうちは感心。だけど、ストーリー展開ではなく、演出がいちいち律儀すぎて先が読めてしまうものだから、途中からいささか退屈しちゃったんですよね。もったいないなあ…と思っていたら、周囲は絶賛で、ここでも賞賛の声しきり。正直、焦ってます(ホント)。でも、やっぱりデニーロはチャールズ・グローディンに完全に食われていたんじゃない? 【やましんの巻】さん 7点(2003-10-14 13:58:25) (良:1票) |