35.スクリーンで観ることができる機会に恵まれ、このチャンスを逃すものか!と映画館に乗り込んだ。いつも行くシネコンとは全く違う客層で平均年齢をこのワタシが下げているくらいのおじ様おば様に囲まれ鑑賞。幼い頃からTVでもう数えきれないほど観たこの作品だけど、自分が歩んできた歳月が映画により深い味わいを与えていたのです。バーンスタインの音楽はより軽快で勇壮、マックィーンのチャーミングさに微笑んで、アッテンボローの男気に感銘し、コバーンのおおらかさに癒され、ブロンソンのワイルドな中に潜む憂いさに感じ入る。マックィーンが鉄条網から手を伸ばしたその先には限りなく雄大な自然が広がり、何よりも求めた自由を奪われた時の切なさ。そして男たちが迎えた現実に涙と安堵と…大きなスクリーンから流れる音と映像は、記憶していたものより深く心に飛び込んでくるものでした。マックィーンのコミカルな演技におば様から幾度となくあがる嬉しそうな笑い声。「そうそう、彼ってこんな表情をしてたのよ。」とそんな気持ちが伝わってくるような。今はお手軽にどこでも映画が愉しめる時代。でも、スクリーンを前にさまざまな人々と共に映像と音楽と空間を共有し、その息遣いやぬくもりに囲まれて鑑賞する。きっとこれが映画の正しい観方なのかな、と。そろそろいい年になったワタシに少しづつわかってきたことの一つだったりする。 【宝月】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-06-17 00:00:01) (良:5票) |
34.面白かった!面白かった!脚本最高!音楽最高!脇キャラ最高!スティーブ・マックイーン最高!ベッ●ムとかヨ●様とか下らないよね。いい男ってのはこういうのを言うんだ! 【キュウリと蜂蜜】さん 10点(2004-09-14 16:50:53) (良:5票) |
33.バーンスタインの「大脱走マーチ」は、軽快な作品のテンポそのもので印象的です。マックイーンが繰り返し独房に入る「反復」のおかしさに象徴されるように、脱走をある種のゲームのように見せているところが独特です。史実に基づいた映画ですが、単なるエピソードの羅列ではなく、見せ方も実にエンターテイメント。特に、脱走後の逃亡劇で、ちりぢりになった各々を時間を平行させて追っていくあたりはワクワクもので、ネタバレにも十分耐え得る出来です。悲劇もありますが、描写は深入りせずといったところで、どちらかと言うとそこに感情移入している時間はあまりない印象です。むしろ、脱走の為に見せるチームワーク、そして何より、失敗はつきものだ、また次があるさ、といった「懲りない面々」の前向きな姿勢によって魅了される映画でしょう。ラストでマックイーンが独房に向かうところで「お帰りなさい」と迎えられます。この映画でのマックイーンは際立ってカッコいい。なぜなら、彼こそが誰よりも「懲りてないやつ」だから。 【スロウボート】さん 9点(2004-01-14 23:20:06) (良:5票) |
32.男の永遠の「現状からの脱出願望」を満たしてくれる映画。 今度、銀座東劇で何十年かぶりにニュープリントでリバイバルされるんで、まだ見てない人は大スクリーンで是非! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-02-25 23:31:53) (良:3票) |
31.世の女性よ、よく覚えときな、これが男というものです。「絶対あきらめないぞ」という強固な意志、それがラストのマックィーンの、ひとりキャッチボールに、凝縮されている。まさに男たちの、男たちによる、男達の映画。40年前の映画に、今の価値観で、あれこれ小賢しく揶揄して「大したことないじゃん」的、アンフェアなコメントもいろいろあるみたいだけど、この映画が人間の姿をしていたら、マックィーンみたいに一言も言い訳しないで「ああ、そうかい、坊主」と不敵に笑ってイナシちゃうよ。決めたことはやるという強固な意志を貫く男達をこれほど誇り高く描いてくれたことが嬉しい。やれ男が弱くなったとか、いい男いないのよねと鬼の首でも取ったように、論う風潮があるが、男が女より肉体だけでなく精神的にも強くなる瞬間がある。それは「俺は男なんだ」と確認するためだけに一文の得にもならない、それこそ女から見たら「馬鹿じゃないの?」と言いたくなるようなことに命を張る時だ。そういう時、男は女がどう逆立ちしても敵わない、入っていけない気高さ、誇り高さ、輝き、強さを見せる。そんな瞬間の連なりと凝縮がこの映画だ。女性が、ただの一人も出てこないドラマ作りには、そんな意味があるのではないか?「相棒、男をやろうじゃねえか。チマチマしたことは女に任せておけ。男をやろうぜ」。この映画に出てくる男達がそう語りかけてるような気がする。この映画にコメントを寄せている男性諸氏にも親愛の情をこめて俺は言いたい。「一生に一度くらい、男をやろうぜ、相棒」と。 【ひろみつ】さん 10点(2003-10-28 20:59:45) (良:3票) |
30.しばしば目に入る抜けるような空の青さはスポーツにこそふさわしい。この映画に満ちているのはスポーツの気分。逃亡するのが義務と心得ている連合国側捕虜と、それを阻止するための特別の収容所を開設したドイツ側との、攻守がはっきりしたチームスポーツ競技を観戦する気分だ。マックィーンの小道具としてのボールも、そういう気分をかもすのに役立っている。逃亡するための資材を調達していくあたりの、息のあった連携プレーが楽しい。役割りによって分業体制を敷いているのも団体スポーツの味わい。またその中にコンビの友情をいくつも仕込んでおいて、全体をまとめるのをイデオロギーにしていない。小さな友情が集まって大きな団結を構築している。一匹狼だったマックィーンも失われた友情への復讐心からチームに参加していく。本作の気持ちのいい明るさは、この友情を下敷きにしているところから来ているんだろう。悪役側も、ドイツ軍とゲシュタポとを区別し、ドイツ軍そのものはスポーツ競技の相手役としてサッパリとさせている。もちろん実際の戦争はスポーツではなかったわけで、それだけははっきりとさせとかなくちゃならない暗い部分はみなゲシュタポに任され、青空ではない曇り空の下の銃殺によって代表させる。暗い戦争を明朗なエンタテイメントに仕立て、しかもそれを「敵」をやっつけて溜飲を下げるレベルのものでなく成功させたところが、この映画の一番の手柄。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-10-22 10:08:53) (良:2票) |
29.♪「おれ、あなーを掘る・・・」♪ (笑) 軽快な音楽がいつまでも頭に残ります。昔みたときと違った目線でみられました。ロシアのシベリアなんかにくらべてはるかにドイツ空軍が連合軍捕虜に意外と人道的だったことや、キャンプ内である程度自由があったことなど、見どころはいくらでもありました。いい作品ですね、最後は切なくなりますね。。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-19 07:53:00) (良:2票) |
28.いいな!いいな!この映画を映画館の大きなスクリーンで観ることの出来た人達が物凄く羨ましくてなりません。確かこの映画、つい最近、東京では公開されたんですよね。私の住んでいる田舎じゃやらないから観れません。もし、やってくれたら絶対、仕事休んででも観に行きます。その位、とにかく大きなスクリーンで観たくて、観たくてたまらないほどの大大大好きな映画です。ビデオ、LD、DVDでそれぞれ持ってます。そんな映画は他には「ゴッドファーザー」ぐらいしかありません。とにかく面白いのなんのって、脱走を図るまでのその人間模様もさることながら、一人一人の個性が見事に描かれていて全く飽きません。脱走後のスティーブ・マックイーンのバイクでの逃走シーンのかっこ良さ、あの音楽と共に一生、忘れることのない大傑作!文句なし満点の映画です。 【青観】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-07-29 20:46:37) (良:2票) |
27.明日は保育園児の運動会。きっとまた聴かせてくれるかな あのマーチ。懐かしいだな 逃亡しまくるマッ公とかさ^^ 【3737】さん 8点(2004-10-09 23:24:30) (良:1票)(笑:1票) |
26.たとえば「映画はスターである」という意見があり、「映画は娯楽である」という意見があり、あるいは「歴史の一部を後世に伝える」という意義があり、さらに「人々に夢や感動を与える」という価値がある。この作品ほどあらゆる点で広く一般大衆が「映画」というメディアに求める要求を満たす作品は多くはない。これが実話であるという信憑性に確固たる裏づけを与える魅力溢れる主人公達のみならず、悪の象徴として通り一遍に語られかねないナチス・ドイツの軍人達にもそれぞれの抱える苦悩や人間味を持たせ、数々の悲惨なエピソードをちりばめながらも物語はポジティブに、知恵をめぐらし目的を遂げることの素晴らしさを、そして勇気を、戦時下という特殊な状況にありながらも決して人としての心を失わない捕虜と看守たちそれぞれの崇高な魂を見事に描き切っている。互いに異なる目的を持ち、ある者は脱出に命を賭け、またある者は失敗が即北方戦線勤務を意味する、究極の利害関係を背景に、双方が持てる知恵の全てを注ぎ尽くした騙し合いの小気味良さ、個性溢れる演技陣の活き活きとした表情の豊かさ、かの有名なマックイーンVSマックイーンの壮大なオートレースシーン、緻密なシナリオとダイナミックな演出、無駄なカットが一つもないとまで絶賛される完璧な演出は、3時間に及ぶ長尺を一瞬の飽きも感じさせずタイトに、しかも様々なドラマの一つ一つをあくまでも丁寧に描き尽くしている。何度失敗してもボールとグローブを片手に飄々と独房に入る独房王マックイーン、17本目のトンネルに命を賭けるトンネル王ブロンソン、書類の偽造のために視力を犠牲にした盟友を最後まで見捨てずにかばおうとする調達屋ガーナー。彼らの卓越した存在感に、全編を通して語られた男達の美しい友情と任務遂行への狂おしいほどの情熱に、人々は今なお拍手を惜しまない。「これが映画だ」と心の底から自信を持って言うことのできる、数少ない作品の一つである。 【anemone】さん 10点(2004-03-29 23:51:25) (良:2票) |
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25.昨今の戦争映画は、どうも戦争の悲惨さをグロテスクで表現しようとしている印象があって、そういうのが苦手な私はついつい遠ざかっています。でも、この作品はそんなシーンはないけれど、戦争の悲惨さがしっかり伝わってくるから好きです。「人がグシャグシャになって死ぬ」悲惨さではなく、「必死に頑張っても生き残らない人は生き残らない」、そんな淡々とした悲惨さ。 【plala*】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-12-24 04:15:51) (良:2票) |
24.小学校の時に初めて見て、面白いなあと思った。私のマックイーンデビュー作。それ以来ファンです。 幼心にチームワークというモノを感じとれたし、「皆がんばって逃げろー」ってドキドキしたのを覚えている。 <2010/5追記>映画館で見てきた。大人になって気がついた発見は、管理する側・される側ともに空軍の紳士集団であり、陸軍だったらあのようには成らなかっただろうと思った事。所長がヒトラーを心酔しておらず、ゲシュタポにも反感を持っている点なども幼少時代には気がつかなかった事だ。大人になると、脱走するまでが面白い人間ドラマとして見る事ができ、また違った印象をもった。あとはイガイにマックイーンの出番もなく、あまり活躍していないんだな。というのは新たな発見であった。 【東京50km圏道路地図】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-12-22 05:02:02) (良:2票) |
23.「塀」の中で上映できない映画ナンバーワン 【STYX21】さん 8点(2003-11-13 06:00:00) (笑:2票) |
22.点数が高いので、名画ということで初鑑賞。ほのぼのした感じもあってなかなか面白かった。冒頭に実話という振りがあったんで、いっそう楽しめた。戦時中だし、脱走って重罪で即銃殺と言う印象、ナチスだし、を持っていたんだけど、脱走の攻防もちょっと温いとこあったりして面白かった。逃げるために穴を掘るという映画はいまさらの初めてだったんでなおさら興味深かった。実話だけあって、予定調和的なハッピーエンドでもなく、好ましかった。ドイツというと一方的に悪役にされてしまう戦争映画も多いけど、所長とか白キツネの人間らしさもバランスがとれていてよい。観ながら連想したのは「パピヨン」「暴力脱獄」「告発」だった。独房ということでケビンベーコンの告発、この大脱走ではそこまでの深刻さは演出されてなかった。脱獄ものということで、ポールニューマンの暴力脱獄も連想した。どちらも主人公の格好よさが光っている。良作でした。 【タッチッチ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-07-11 20:19:44) (良:1票) |
21.今さらながら初見。いわゆる「脱獄もの」としてのスリル感はいま一つですが、やはり傑作であることは間違いありません。前半は、まるでリーマンショック前の米国投資銀行のファンドマネージャーを見ているようでした。一発当てれば称賛を浴びてボーナスもガッポリ。大ハズレで会社に大損害を与えてもクビになるだけ。むしろその“武勇伝”からヒーローになって、転職先も引く手あまた。脱獄も同様、こんなインセンティブがあるなら、チャレンジしないほうがおかしいでしょう。ただ後半は、「世の中そんなに甘くない」ということをまざまざと見せつけてくれます。なかなか“大人”の映画です。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-04-29 23:52:00) (良:1票) |
20.二つ名が表示されるエンドロールがかっこいい。「情報屋」が「インテリジェンス」とか。気が利いてて、英語はこういう時にかっこいい。自分があの状況に置かれたら、付く二つ名は、「応援団」だなーと思って見ていた。 【コダマ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-05-23 02:07:40) (笑:1票) |
19.わかりやすいということがいかに楽しいか、ということを剛速球で体現する。 高尚であろうとする映画もアリだと思うし、面白いもの。
それでも映画というものは大量に売られる基本2時間の動画であることを考えると、絵画や彫刻とか、それ自体芸術として成立するものとはちょっと違う。 そこに対する挑戦心のようなものが芸術的な映画が生み出される原動力になっている要因の一つだと思う。 でも、芸術家として評価されようという動機ばかりが強く、芸術としても映画としてもそれほどうまく機能していない映画も多い。
そういう作品ばかり見て、自分まで高尚になった気でいられる時間よりも、大脱走をみていつまでもおもしろさの余韻に浸っていられる時間の方が遙かに建設的だし、何よりも長い。 もういつみたか覚えていないほど昔にみたのに、シーン一つ一つがすぐ思い出せる。 その記憶がまた楽しい。 こういう剛速球型の映画を観ると、いかに映画が楽しい媒体なのかがよくわかる。 【黒猫クック】さん [地上波(字幕)] 9点(2009-05-01 13:52:36) (良:1票) |
18.今までに何度見ただろう。そしてこれからも何度も見るだろう。もうセリフまで覚えているほど見ている。それなのに何度見てもやっぱり楽しい。オープニングでエルマー・バーンスタインのテーマ曲が始まる瞬間からわくわくする。これぞ不朽の名作! 【とらや】さん [地上波(吹替)] 10点(2008-11-22 21:30:51) (良:1票) |
17.これこそ、何度見ても楽しめる映画。娯楽映画の金字塔。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-09-07 00:00:06) (良:1票) |
16.この作品については客観的になど語れません。群像劇、男の仕事をしっかり描いた映画で、敵役のドイツ人についても、単にドイツという祖国のために職務として兵士となっている点をしっかり描いている公平な視点にも好感がもてます。しかし、なんと言ってもこの映画はスティーブマックィーンの映画でしょう。登場から最後まで魂が持っていかれました。彼が表現したのは、何事も 孤独に、誰にも頼らず、自由を求めてあらゆる手段を駆使して縛るものから逃げようとするスピリッツです。自身が孤児のように育ち、多分、多くの規律や制約のなかで、虐げられて育てられてきた俳優以前の人間としての、自由への渇望、自分の足で立ち、自分の意思で行動したいために、安全でそこそこ生きることを保証されている環境から、命を賭けて敢えて逃げ出そうとするスピリッツが、どんな小説や他の映画よりも的確に、自身の姿、どんな強敵に対峙しても、不敵そのものの表情をうかべ胸を張ってにやりとし、『いくらでもまたやってやるぜ』という相貌を媒介にして、伝えられていた、そんな気がして私にとっては満点の映画です。 【マンフロント】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-11-15 13:20:19) (良:1票) |