《改行表示》 12.《ネタバレ》 ふーん。森家の面々の、なんとも、その顔いでたちの”濃いーこと!”三益お母様を筆頭に、加山も草笛も白川も皆かっちょ良すぎ。東京ならモデル事務所開けます。(おまけに彼女はボンドガールだし)そう、動物でいうとネコ系統ですね。べつに悪気はないんだろうけど、皆、責任感ナシ。勝手気まま。そっけない。。。。一方で、長い間、実質酒屋を女手ひとつで切り盛りする、まじめでしっかりもの、大地にきちんと足をつけた、未亡人の御嫁さん高峰秀子!!こちらはさしずめ、犬系統です。そう、健気な”柴犬ちゃん!!” この作品のいいなあとおもったのは、やはり!終わり方!!なんじゃこりゃ!オニーアクマー!!!いきなり急転直下!サスペンスもまっ青な怒涛のラスト!ふつうなら、性格もいいし、とてもいいひと、だれがみても、すばらしい女性。なにも悪いことしてない。か弱くも健気な女性。幸せに暮らして欲しい!そんな女性を”これでもか、これでもか!!”と不幸のズンどこに突き落とす!!突き落とす!!がんばれ義姉さん!!負けるな”高峰秀子!!” ”ふんばれ!森田礼子!!”追加!そう、まじめでいいひとって、突っ込みにくいんだよね~。 【男ザンパノ】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-05-14 02:06:14) (良:2票) |
11.《ネタバレ》 この評価平均点の高さは何? とちょっとビビリましたが、よくよく拝読し、ちょっとというか、かなり納得いたしました。数名不明ですが、ほぼ100%、男性レビュアーによる評価でした。なるほど、なるほど。これって、男心をそこまでワシ掴みにする映画なんですねえ。まあ、男だ女だとガタガタ言うのは好きじゃないが、この評価の高さは、どう考えても「男の理想とする女像」を高峰秀子に見たから、としか思えませぬ。たった半年だけをともにした亡き夫を18年経てもなお慕い、なおかつ、亡き夫の弟の愛の告白(?)に女として身悶えしながらも、貞節を貫く。この一途さと身悶え、これぞ、男心を捉えて離さぬ幻の女像。確かに、時代背景から言えば、このような女性は珍しくなかったかもしれませんが、一方では、復員したらかつての自分の嫁さんが弟の嫁さんになっていた、といった類の話は枚挙に遑がなく・・・。こんなに美しい女性が、かくも強く清らかに生きたのは、まさに映画そのもの。現実世界の女どもは、大して美しくもないのに、計算高くしたたかで・・・、ってのに辟易した世の殿方がググッと来るのもムリからぬ話。で、女の私はどう感じたか。故郷への列車の中、義弟の寝顔を見て、涙を目に一杯ためるその美しさには感動しました。・・・が! 途中下車して温泉宿まで行って、「堪忍して!」はないでしょうよ、ネエさん。ハイ、風情も何もない、身も蓋もない感想を抱きました。それがこの映画のミソであることは重々承知の上です。集う男性レビュアーの皆々様、ぶち壊しレビュー、および平均点下げ評価点、申し訳ございません。 【すねこすり】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-04-15 14:29:50) (良:1票)(笑:1票) |
10.《ネタバレ》 主人公二人の会話はどの場面でも実に巧に描かれており、演出はそれを十分に引き立てて行われていました。コウジという人物は、一見だらしが無いように見えるが、実際は芯の通った気持ちの良い性格をしている。レイコとの複雑な関係を見ていても、彼は決して淫らな行為に走らないし、紳士的な態度を常に取っている。そこにはレイコに対しての真面目で真っ直ぐな彼の心を感じることが出来た。そんなコウジを観ている人間は好きにならずにはいられない。例えば、彼の面白くて具体的な性格の一面がわかりやすく、脚本上二日目の晩に出てくる。麻雀をして帰ってきたコウジはレイコにピシャリと「ご飯はいらない」と言っておきながら、気付くとガツガツと食べているところは本当に愛くるしい。また、終盤での列車の車中でコウジはここでも「寝ない」といっておきながら、ワンカット挟んだ次のカットではグッスリと眠っているといったように、コウジの性格は憎めないほど可愛らしく、好きになってしまう。また、そういったコウジの性格を18年間傍らで見つめていたレイコにとってはそれが全ての思い出を集約しているように見えたのでしょう。だからこそ、あそこでレイコは下車しようと言ったのでしょう。そんな二人の関係性は演出でも描かれていました。二人が会話する際、ほとんどどちらかが背を向けている形になっている。また、追いかければ逃げる。近付けば離れるという動きの演出も実に素晴らしかった。そしてそんな演出があるからこそ、二つの電話のシーンがより感動的なのではないでしょうか。顔と顔を見合わせていませんが、画面で見る限り、カットバックされており、まるでそこに二人がいて向かい合っているように見えました。コウジの不器用な性格とレイコの頑な優しさが見て取れます。酒の力を借りて、顔をあわせないことをいい事に素直な思いを告げるコウジ、変わらぬ優しさを持ち続けるレイコ。演出の細やかさが画面からヒシヒシと伝わってきます。そしてラストの高峰さんの表情。嵐の前の静けさを通過し、嵐が訪れ、呼吸を乱し、髪を乱して走るレイコ。いつも淡々とした美しさを保っていた彼女が乱れる。凄すごる映画だ! 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-11-25 18:44:58) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 自分、成瀬監督の映画のタイトルってなんか品格があって大好きなんですよ。(後期の「女の座」とか「女の歴史」あたりは除く)この作品もこのストーリーで「乱れる」とは・・・卓越したセンスを感じます。確かに加山雄三の心は最後まで乱れまくってますもんねえ。今ならさしずめ「変○家族・兄貴の嫁さん」(←ありえないしかもパクリ)だろう。割と画面的には平穏無事に円満終結を迎える成瀬映画傑作群の中、義弟加山の死に衝撃を受けた高峰秀子のアップを捉えたまんま、まるでフィルムをわざとぷっつり寸断させたかのような印象のラストシーンは、他に例をみないかなりのインパクト。晩年サスペンスにも意欲をみせ、従来のタッチから方向転換しようとしていた成瀬監督の野心と気概がこのシーンだけからも充分に伝わってきます。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-02-25 14:39:38) (良:2票) |
8.■主要な舞台となるのが、雑貨屋奥の和室。襖に挟まれた二間続きで、通りに近い側はちゃぶ台が置かれ一家の食事の場となり、奥の側は高峰秀子の亡夫の遺影が飾られた高峰の寝室となっている。この二間を使った演出が素晴らしい。半分だけ開けられた襖、片方の部屋だけ点されている灯り、この二間を行き来する高峰と加山雄三。とりわけ加山が義姉への思慕を告白するシーンは絶品としかいいようがない。■さらにこの二間は、土間を挟んで台所、二階へ続く階段へとつながっており、この空間には灯りが点されていない。階段へと挙がる加山、あるいは通りを背景にした高峰の姿を逆光のシルエットで捉えることとなる。■と、セットについてしか私は言っていないのだけど、そんなの観れば分かるよ、って話だ。でも、そうとしか言えないっす。成瀬のこうした巧妙なセットの使い方と、それを心得た撮影やら照明やら演技者にただただ感服するのみ、ただただ頭がぐるぐるするだけっす。もちろん、後半、電車での加山と高峰の道行きは名シーン中の名シーン。DVDを買うのは国民の義務だな。 【まぶぜたろう】さん 10点(2005-02-08 00:34:28) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 序盤部分は、妙にスーパーネタばかりが展開されていて、ちょっとあれれと思ったのですが、幸司さん(つられてこう呼びたくなる)の告白によって世界が揺らいでからは、怒濤のザ・メロドラマが炸裂していきます。幸司さんが心を入れ替えて真面目に働き出したら、かえって距離が狭まってぎくしゃくしていくところなんか、もう悶えそうになります。寺に呼び出す「一枚の付け文」がもたらすインパクトも強烈です。そして、2人の姉が招かれて、母を交えて話し合うシーンもスリリングですね。姉たちの描写にも微妙な差があって、主人公の決意を聞いた後も、次姉の方は脳天気なんだけど、長姉の方はもしかして気づいていたのでは?と思わせる演出になっています。そして、中盤までは基本的に酒屋兼自宅で進んでいたのが、終盤には一気に汽車で別世界に飛翔します。最後だけはちょっと唐突だったかなー、あそこは何とかして、もう一段上の何か切ない別れを残してほしいところでした。●それにしても、この作品は、どこまでもデコちゃんを綺麗に撮ることにこだわっていますね。「困り顔がこれほど美しい女優」は、ほかに存在しないんじゃないかと思ってしまうほどです。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2024-09-07 01:12:02) (良:1票) |
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6.昔の日本映画だから良い、という訳では決してないのだが、これは良い。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-09-21 00:25:11) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 堪忍せずに、最後の最後まで乱れてくれたらよかったのにー。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 10点(2011-03-16 08:16:31) (笑:1票) |
4.乱れました。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 10点(2010-12-18 14:19:53) (笑:1票) |
3.《ネタバレ》 厳しい。それしかこの映画を表現できない。「女性としての幸せ」を最後は自らの手であきらめ、禁断の恋に溺れず現状に踏みとどまる選択をしたにも関わらず、その報いは斯くも残酷なものなのか。義弟加山雄三の死因が永遠にわからないというのも辛ければ、その死体が義姉高峰の側を離れていくあのカット!なんてやりきれないんだ。一歩間違えればちんけな昼メロの域を出ないこの話を監督成瀬の演出力・俳優達の演技・そして松山善三の脚本は邦画史上屈指の恋愛映画の傑作に仕立て上げてしまった。俳優加山の名演技もさることながらやはりここは日本を代表する名女優、高峰秀子の素晴らしさを堪能したい。最初は平凡な未亡人だった彼女が劇中で義弟加山に告白されてから本当に色気のある、芯から「美しい」女性に変わるのがスクリーンから伝わってくるのだ。そしてあのラストシーン。当初はこれ9点にしたけど、満点付けさせてもらいます。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 10点(2006-06-24 18:27:22) (良:1票) |
2.この映画は「乱れる」内容の作品であることを正直にタイトルで告白している。加山雄三は「絶対言うまいと思ってた」と言うが、言わなきゃドラマにならない・・・ではなく、言わなくたって言葉や態度の節々に表れる。高峰秀子だって本心ではずっと前からそうと分かってた。あんなエピソードから、加山が清水に戻ったのは浜美枝のため、なんて類推する奴はいない訳で。ある意味、そういう発言を引き出す状況に追い込んだのだ無意識に。だって、女なんだもん。 【伯抄】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-09-18 14:32:46) (良:1票) |
1.過ごしている時間の速度が全然違うな、と思った。東北まで1日以上かかる電車に二人で揺られたから高峰秀子は途中の温泉街で下車する決断を下せたのだと思う。「はやて」ではこの映画は成り立たないのである。電車のシーンからラストまでの展開は本当に息を呑むシーンの連続で、最後のクローズアップは呼吸が止まる。それにしても加山雄三よかったなー。今まで「サライ」とか若大将的なイメージしかもってなかったのだけど。加山雄三が飯をいっぱい食うだけで楽しかった。そして「ぼかぁ義姉さんが好きだ!」と言わせるほどの高峰秀子のけなげな後家ぶりに胸が痛くなる。あのシーンの時だけ茶の間の雰囲気はガラリと変わり、そこから物語は一気に転調する。だがこの映画、それまではドタバタ劇のような語りが進行する。スーパーの宣伝カーをまるで死神の襲来のように見つめる商店の人々のまなざしには思わず笑ってしまう。彼らにしてみれば笑えない事態なんだけど、笑えない事を笑いにする事にかけて、成瀬監督のセンスはとにかく冴え渡る。喜劇とか悲劇とかいう枠組みを越えて、人間の滑稽さ・あわれさや戦後の家族のあり方を背景におきながら、映画的興奮を常に喚起させるその圧倒的な才能。この映画は成瀬の映画の中でも飛びぬけてお気に入りです。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-06-21 14:41:43) (良:1票) |