《改行表示》 4. 初公開時、幻想的なドゴラのデザインを見てどんなにワクワクしたことか。期待値が高かった分、実際の映像はイマイチで少々不満だった。そのうえドゴラの登場シーンが少なすぎ。東宝特撮は「妖星ゴラス」のマグマや「海底軍艦」のマンダ等、時々チョイ役で出てくる怪獣がいるけど、ドゴラはタイトルロールですよ。加トちゃんじゃないんだから「ちょっとだけよ」じゃ物足りない。 刑事ものとして観ればそこそこ楽しめ、D・ユマの存在感が光る。 地球温暖化の影響が危惧される現代ならCGを駆使して再映画化すれば面白いかも。石炭火力発電に対する風刺にもなるかな。でもまあ無理だろうから、せめて加茂水族館で見たクラゲを、脳内でこの映画と合成して楽しむとするか・・・。 【風小僧】さん [映画館(邦画)] 4点(2020-05-31 13:41:33) (良:2票) |
3.小学校の頃です。学級日誌というものがあって、当番の奴が、「今日はドゴラを観ました。」と書いたら、怪獣オタクが、その題名は「宇宙大怪獣」が付いていないとおかしいと思います。と言ったもんだから、クラス中妙に納得顔が大勢を占め、書いた奴が怪獣映画を知らなさ過ぎるという雰囲気に包まれたのを、昨日の事のように思い出される。私は、どうでもいいんじゃないか、と思っていたのだが、周りの様子を伺いながら、ウンウンと首を振っていた。その後、最後の岩が落ちてきたシーンで、あの撮影は、少し手前に落としたのか、岩の真ん中がくり抜かれてたのかと言う議論が白熱した。私は、勿論、優勢な方の意見に、常にうなずいていた事は申すまでもない。 【パセリセージ】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-06-25 23:52:09) (笑:1票) |
2.数々の名作を世に送り出してきた特撮映画の東宝が、目先の変わった怪獣映画として生み出したのが本作。宇宙大怪獣と言っても人間には殆んど危害を加えず、エネルギー源である炭素を求めて地球に飛来してきた宇宙生物なのである。ただ、人間を襲わない未知なる生物は脅威ではあっても恐怖感などは生まれるべくもなく、本来ならその時点で怪獣失格なのである。しかし本作はそのあたりの不備を、ダイヤモンド・ギャング団と宝石Gメンと刑事との三つ巴のドラマを絡ませて、従来の怪獣モノとはひと味違う作品に仕立て上げている。単なるアイデア倒れに終わらせまいと脚本にも苦心の跡が窺えるが、ドラマ部分のコミカルな味わいがやたら面白くて、ズッコケ調のギャング団の間抜けぶりや宝石Gメンと夏木陽介扮する刑事との珍妙な遣り取りなどは、本多猪四郎監督のコメディ・センスを改めて感じさせる。中でも、宝石Gメンのヘンな外人ダン・ユマのすっ呆けた味わいは棄てがたく、肝心の「ドゴラ」が霞んでしまう程だ。で、この“主役”の影が薄いのも脚本や演出だけの問題ではなさそうで、やはり円谷特撮にもその責任の一端はあるように思う。クラゲとタコをミックスしたような、半透明でユニークな生物の造形力は素晴らしいが、いかに円谷英二と言えども着ぐるみ怪獣とは勝手が違い、この当時の技術では十分に表現しきれなかったようだ。勿論、洞海湾上空での攻防戦は迫力十分で見応えはあるし、石炭を吸上げるシーンの凄まじさには、さすが円谷特撮と思わず唸らされる。とりわけ薄暗い上空から触手が降りてくる不気味さなどに、工夫の跡が窺える。しかしやはり「ドゴラ」の出番が少ない事もあり、それらの現象以外に観るべきものがないので、どうしても物足りなさを覚えてしまう。当時、劇場用ポスターや宣伝用のスチール写真が見事だっただけに、本編との落差に少々ガッカリしたことも憶えている。でも「ドゴラ」というキャラクターをこのまま埋没させておくのも勿体無い話で、今のCG技術で是非復活させて欲しいと密かに期待している今日この頃であります。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-06-23 18:15:30) (良:1票) |
1.ゴジラなんかと比べてあんまし有名じゃないんで、期待せずに最近観たら、これが意外とおもしろかった。映画は宝石窃盗団と変な外人と刑事の三つ巴のドラマと平行して怪獣ドゴラが暴れるって感じの、二つの映画を強引に合体させたよーなもの(とはいっても実際ドゴラが実体化して登場するのは映画後半の方なんですけど)。ただ窃盗団のメンバーは天本英世がいたりして、個性的な面々で、なんか微笑ましく、変な外人と刑事の掛け合いも見てて、妙に楽しく退屈しませんでした。ドゴラもスチール写真のようにはっきりくっきりした姿は見せませんが、空中に半透明でただようその巨体は異様で、橋を触手でつかんで壊すシーンは結構見ごたえありました。それに窃盗団がちょっと好きだったのでその結末は、いい意味で、かなりショック。ドゴラ退治の方法とあいまって、うまく処理できたと思えます。最後の最後も洒落てて好きです。全体的に若干コミカルなのもなんか余裕があって、リアル指向で真剣に見なければ、それなりにいけてると思います。あとドゴラや蜂の大群なんかは、意外な方法の特撮だったみたいで、その雰囲気はどこかレトロでいて、不思議な感じでした。 【なにわ君】さん 7点(2004-10-15 11:41:30) (良:1票) |