2.《ネタバレ》 そのパパは決して前向きの反体制闘士ではなく、ちょっとダラシのない普通のパパ、隣人としての庶民の代表。そこに夢遊病を絡めたことで味わいが深まっている。隣りの女の子が死んじゃう場面なんか、「ちくしょう、こんな仕掛けで泣いてたまるか」とは思っても泣けてしまった、これには「夢遊病」も効いてるんじゃないか。吐く息も白い道を犬と歩いて、女の子の家に行っちゃうとこ。そのまま女の子のベッドの脇に入っちゃう。それを見守るドクター(女の子の父)の気持ちがしみじみと伝わってくる。この子が年ごろになるまでに死んでしまうのかあ、といった感慨。そういう庶民のドラマがあるのでテーマが生きてくる。政治向きの題材扱うと、日本では目を吊り上げて取り組むけど、外国ではこうユトリをもって扱ったりする。なんか日本では「取り組んでる」ってことを主張したいみたいのが多く、かえってあちらの映画のほうが、より題材を咀嚼していた忍耐の長い時間の経過が感じられて、厳しい印象。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-05-14 12:00:40) |