6.朝鮮学校生と日本人高校生の交流(と言ってもほとんどケンカ)を大胆に描いた作品。もっとも、いろいろな意味で朝鮮に関心が集まっている昨今、監督の「機を見るに敏」な性格が鼻につく。 この監督、反体制=格好良い、と思っているフシのあるステレオタイプ型の人間で、時代遅れの「ヤクザ」から注目の「在日」にスタンスを変えてようやく日の目を見た。 もっとも「人情」をベースにして「トンチンカン」と「時代錯誤」を作品で訴えるのが常套らしい。せめて青春映画としてまともに物語を描いているのかと思えば、実はそういうわけでもない。主人公の恋愛も、結ばれることが前提の予定調和。 朝鮮人の「悲劇」「恨み」を登場人物に語らせるのは良いが、それに対して主人公は人のいない所でヒステリーを起こすだけで(惚れたが弱みでしようが無いかも知れないが)、ギターを叩き壊した挙句、(なのになぜか)ラジオ局に駆け付けてイムジン川を朝鮮語で熱唱したりする。ラジオ局のディレクターも奇妙な人で、「朝鮮総連や公安から抗議の来ている問題の曲は放送できない」と社会人として正論を吐く上司を問答無用の暴力で黙らせて、主人公にイムジン川を歌わせる。 この映画、ほんとうに「何も知らない」人には良い部分もあるのだが、監督自身、日本人であるのなら、せめて他人から聞いた歴史ではなく、自分でちゃんと歴史の勉強して欲しい。 アメリカのキング牧師の話しも出てくるが、見る人に寄っては、アメリカのアフリカ系と日本の在日を同系列で考えているのだろうか?と常識を疑われかねない。 金儲けと売名のために、頼まれてもいないのに特定の人々のスポークスマンを買って出るような、陳腐な映画をつくってはクリエーターとして恥ずかしい、と思わない所が恥ずかしい……。本人、バラエティーで見る限り、おもしろそうなおっさんだが。 【lafish】さん [地上波(邦画)] 5点(2007-05-20 01:24:18) (良:5票) |
5.活き活きとした不良達が画面を席巻し、間に入る笑いのタイミングも絶妙。井筒監督はもっとも得意とするジャンルにおいて、本当に良い仕事をしています。メイキングを見ると俳優を追い込む鬼のような演出をしていますが、そのしごきの甲斐あってか俳優たちの演技も見どころとなっています。「良い俳優・良い演技を見たなぁ」と素直に思わせる邦画は久しぶりです。また細かい部分では、主要な登場人物達の髪型をすべて別々にし、服装も人物特定しやすいようにそれとなく色分けがしてあります。時代ものの映画では全員が同じような髪型・服装をするため人物の特定が難しいことがあるのですが、監督は観客が混乱しないよう、視覚的な工夫をきちんと入れてきているのです。以上、いくらお金をかけても「映画になっていない映画」が多い中、井筒監督はお金の力ではなくプロとしての腕前で「映画らしい映画」を撮ってみせる、現在の日本映画界においては稀有な存在だと評価できます。。。と非常に楽しく鑑賞していたのですが、ラスト30分で一気に冷めてしまいました。葬式に出席した主人公康介が、在日の老人から「在日朝鮮人がいかに酷い目に遭ってきたか」を聞かされる場面です。。。私が生まれ育った地域には朝鮮学校があり、学生時代には在日の店長のお店で4年間アルバイトしたし、妹の彼氏が在日朝鮮人だったこともありました。私は在日社会のすぐ近くで生きてきて、日本人と在日朝鮮人双方に対してフラットな認識を持っているつもりなのですが、その私がこの場面には強い違和感を覚えます。他のレビュワーのみなさんも指摘されている通り、事実誤認の嵐。調べればすぐにわかるようなウソを映画で堂々と主張し、ありもしないことの反省を日本人に強要するのは、ちょっとどうなのよと思います。監督は在日の人達のためにこの場面を入れたのかもしれません。しかし、このような形で必要以上の贖罪意識を押しつけることが日本人のストレスとなり、それが在日のみなさんに対する反発へつながっているという現実を私は目にしています。もちろん、監督がどんな主張をするかは自由です。日本が悪いと思うのならそれでも良いのですが、ウソやデマを言ってでも日本が悪かったことにしようとする姿勢は作り手として問題だし、それが日本人のストレスを煽っていて、かえって溝を作っているという現実もよく認識されるべきです。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-09-14 01:30:35) (良:2票)(笑:1票) |
4.この時代ならではの熱さを描いているのならば、まだ良かった。逆に皮肉を込めてこの時代を描いているのであれば、それでも良かった。しかし毒舌映画評論家・井筒和幸は、説明的で説教臭い不自然な脚本で、一体何を描きたかったのか? まさか本作に登場する、この時代に蔓延っていた毛沢東語録に心酔した日教組系の無能教師よろしく、本気で左翼思想を喧伝するつもりだったの? 「イムジン河」も朝鮮半島分断の悲劇ではなく、この映画では日本人と在日朝鮮人の間に横たわる超えられない障壁と捉えれば、現在にも通じる普遍的なテーマになったと思う。乱闘、通夜、出産、そして「イムジン河」がカット・バックされるクライマックスと、坂口拓に一言も台詞を喋らせなかったのは評価します。そういうことで、5点献上。 【sayzin】さん 5点(2005-01-19 00:18:24) (良:2票) |
3.ちょっと前に観たのですがココの評価の高さに投稿するのを少々ためらってたんですけど・・・んー私の感想としてはですね、「ケンカに明け暮れる若気の至り的ヤンキー暴力映画」です。あえて在日としたその理由、意義がよくわからないというか薄かったんじゃないでしょうか。深く掘り下げて描いてはいないということですね。その分、これでもかと出てくる暴力シーンに後半辟易した。若手の俳優たちはパワーがあってよかったのですが、やんちゃな兄を持つ真面目な美少女のヒロイン、そのヒロインにぞっこんになる男の子のキャラ、出産と暴力を交互に見せるシーンだとか、どこかで見たことあるようなモノばかりで新しさはまったく感じなかったです。基本はやっぱり「ロミオとジュリエット」になるんでしょうか、シェークスピアって偉大ね。まぁ、井筒監督らしい作品ですね。いつも思うんですけどね、産気づいてから産むまでわめき過ぎ!!あんなにギャーギャーわめいて産む女はいませんよ。
点数の全てはキャリアアップする前の一番勢いのある時期というような若手俳優たちのエネルギッシュでひたむきな演技に対するものです、これだけは評価できました。 作品としてはですね、ブームに乗ったとでもいうような、在日問題を都合よく利用した娯楽作品としかいえず、まったく評価できません。観る側の視点で評価の違う映画でしょうね。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-01-02 13:46:24) (良:1票) |
2.俳優の言うセリフが監督の説教のように聞こえてくる…。何も知らないだろ?お前は、といわれているようなそんな映画だった…。(確かに自分、何も知りませんでした、すいませんでした…。)キャストが魅力的だったのが良かったのでこの点で。 【おっちょ】さん [DVD(邦画)] 5点(2006-05-28 18:44:41) (良:1票) |
1.ここまで世間で持て囃されるほどの映画だとは感じませんでした。設定が昭和30年代~40年代なら、ギャグや演技演出も昭和風なんですよね…。「泣ける」という評判も色々聞いていましたが、「泣いた」という人がどこで泣いているのかが分かりません。歌でしょうか?最後のハッピーエンドへの持っていき方も「出産」に絡ませる辺り、思いっきりベタじゃないですか。まあでも、観ていて眠くならない程度には楽しめたかもしれません。 【(^o^)y-~~~】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-03-22 01:01:09) (良:1票) |