《改行表示》 8.ピーター・ジャクソンが、どれだけオリジナルの『キング・コング』とそのキャラクターを愛しているかを、ぼくもまた決して疑うものじゃない。それはこのリメイク作品においても、全編から、ディテールの隅々から伝わってくる。例えば、コングの住む断崖に散らばる巨大な骨や頭蓋骨。それを画面にさりげなく見せることで、コングが、家族や仲間の死に耐えたまったくの“独りぼっち”であることを観客に示す。それゆえ、彼がアンという「相手」を得たことの喜びを、何があっても彼女を守ろうとすることを、ぼくたちは素直に納得できるのだ。 しかし、人間であるアンもまたこの巨大な「怪物」に“愛”を、そういって言い過ぎならば“愛しさ”を抱く時、この映画はオリジナル版の〈美女と野獣〉の寓話性を失ってしまい、単なる「メロドラマ」に陥ってしまったのではないか。コングが、彼女の前ですねたり強がったりする表情やしぐさは、確かに素晴らしくチャーミングだ。ぼくもまたそんなコングを愛さずにはいられない。しかし、コングがそうやって「人間的」に描かれれば描かれるほど、これは“異形の者の悲恋もの”に過ぎなくなってしまう(…クライマックスで、エンパイアステートビルにアンとともに逃げ登る本作のコングは、まるでエスメラルダを伴ってノートルダム寺院の尖塔に登るカジモドのようだ。そう、これはむしろ『ノートルダム・ド・パリ』のリメイクといった方がふさわしいのではあるまいか…) もちろん、メロドラマだから悪いと言ってるんじゃない。でも、決して相容れない美女(=人間)であるからこそ、彼女に魅せられ身を滅ぼす野獣(=コング)の物語は、「神話」へと昇華されたのではなかっただろうか。だのに今回のコングは、たとえ死ぬとはいえ十分に愛され、何と幸せ者かと思ってしまう。しかもその“愛”が、自分に忠実で無償の愛情を注いでくれる「ペット(!)」に向けられたものではないと、誰に断言できるだろう…。 オリジナルで、最後まで恐怖の悲鳴をあげ続けたフェイ・レイのヒロイン。コングを決して「人間」とも「ペット」とも思わなかった彼女の方が、どれだけ“誠実”だったことかとぼくは思う。もちろん、そんなのは不当なイチャモンだと言われればそれまでだ。しかしなぜかこの映画には、そんな文句を投げかけたくなってしまう。…ごめんよ、ピーター・ジャクソン。 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-02-03 16:37:58) (良:3票) |
7.《ネタバレ》 何なんだろう?みんながベタボメしていたから期待しすぎてしまったのがいけなかったのか?正直楽しめなかった。とにかく、真新しさが無かったんだよな~。『おっ』と思えるような映像が無かった。みんなどっかで観たような絵だった。コングとレックスとの対決も、ジュラシックパーク3で、スピノサウルスとTレックスの対決を観たときの方が興奮したし。CGも、コングは主役だけ有って、本当にそんな生物がいるかのようなリアルさで見せるんだけど、恐竜大暴走のシーンのブロントサウルスとかラプター(なのかな?)のCGは正直ショボイ。何なんだろうな~?決して面白くない訳じゃなかったんだけど、何か物足りないと言うか、すっきりしない感じ。多分コングのサイズにも原因が有るんじゃないだろうか?やっぱちっちゃすぎないですか?10m以上は無いと駄目じゃない?コングのスタイル自体もただの大きいゴリラじゃん。どうせ架空の生物なんだから、もっと外見的にもキャラクター性を持たせた方が良かったんじゃないだろうか? 【ボロタカハシ】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-12-18 23:22:51) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 序盤キングコングが登場するまでなぜ長いのか?疑問である。島に着いてからは、キングコングのシーンより、巨大昆虫vs人間の戦いが面白かった。で、最も迫力のあるアクションが街中でキングコングが暴れるシーン。ヒロインとロマンチックになるシーンはとっても素敵。会話がないのに分かり合えるって最高!ラスト30分だけ見れば最高であるが、時間配分がいまいちであった。映像、音楽ともに一級品であったので残念であった。 【たこちゅう】さん [地上波(吹替)] 6点(2011-05-04 23:42:54) (良:1票) |
5.ナオミ・ワッツの美人だけどどこかB級っぽい雰囲気がこの映画にはぴったりでした。ただ、島のシーンが強烈すぎて、一番の見せ場のはずのNYのエンパイア・ステート・ビルではおなかいっぱいに・・・。それにしても欧米のアドベンチャー作家って巨大昆虫好きですね。かのシーンは見てられないので、はるか昔に流行った(アメリカ発の)ゲームブックでも定番だったなあとか関係ないことを思い出して気を逸らしてました。あそこを削って、NYのほうにピークをもってくればよかったのにとは思いました。でも、それでは、「ピーター・ジャクソンのキングコング」にはならないんでしょうね。あえて偏執狂的に島の恐竜やら昆虫やらを描くジャクソン監督のオタク魂こそ、この映画の真髄であり、魅力なのでしょう。何となく、アメリカの学校のクラスに1人か2人はいる目立たない男子が、この映画の押し寄せるモンスター描写に狂喜している様が想像できます。 【ころりさん】さん [地上波(吹替)] 6点(2010-01-22 16:39:16) (良:1票) |
4.映像は綺麗でよく出来ていた。セリフも少なめでまさに観る作品といった感じ。突っ込み所は多いものの、それを感じさせない迫力ある画面がテンションを保ってくれる。ただ…、どうしても3時間は長い。劇中に満載されている不必要なシーンをカットすれば、もっとクオリティの高い傑作になったのではないだろうか。3時間の映画にする必要性が全く感じられないため、作品の持つポテンシャルよりも低く評価せざるを得ないのが残念。 【ムッシュ★いち~ろ!!】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-03-12 22:24:06) (良:1票) |
3.野獣か動物か。普遍的に描かれる人間とキングコングの心の触れ合いを軸に持っているが、近代SF超大作として、CG技術を初めとした映像は迫力満点。ただ、個人的には無理矢理だなぁと、ちょっと嘲笑せざるを得ない展開だった感は否めない。もちろん、映画とはそういうものであり、物語とはそういうものであるので、これを見ようと思った段階で、最高の得点は7点あたりだったのだろう。必要なかった中途半端なラブストーリー的要素に-1点。 【Andrej】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-02-05 05:39:24) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 DVDで見ました。CGの表現力は現代映画で最高水準の出来。しかし映画としては期待以上でもなかった。コング登場までは(映画全体もですね)やたら長いのに、島からニューヨークへの移動は割愛。これは無いでしょう。怪獣映画として見れば凄いけど、コングとナオミの心の交流には無理が感じられた。 これらの点ではギラーミン版のほうが丁寧だった(特撮に関しては言わずもがな)。僕的には本筋とはちょっとズレタところでの昆虫軍団との対決が一番印象深かいものでした。劇場で見たのなら迫力に圧倒されて感想が違うんでしょうけど、自宅鑑賞ということで、この点数。 【hiko】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-06-03 23:22:47) (良:1票) |
1.私はオリジナルは観ていません。当然コングに思い入れもありません。その観点から観て、まずコングが出てくるまでの小一時間は必要か?個々の背景を細かく描き、後半にどんな人間ドラマがあるのかと思いきや、アンとコング以外はほったらかし。島に上陸してからも恐竜との追いかけっこやティラノとの戦いなどそこかしこに必要以上に長いシーンがあり、どうも間延びしているような感が・・・。長い映画は嫌いではないが、これはちょっと無駄に長いのでは。コングの表情は素晴らしく、感情移入も出来てそれなりには面白かったが、想像を上回る面白さではなかった。期待しすぎだったかな。あ、高い所と虫が嫌いな人には絶対にお勧めできません。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-02-02 12:50:02) (良:1票) |