4.脱獄モノといえば、「大脱走」や「アルカトラズ」などのように看守の目をいかに欺き脱獄を成功させるか、という所に映画としての面白さがあるのだと思う。しかし、本作は脱獄の過程に関しては意外なほど時間がかけられていない。
その代わりに、夢に出てきた「人生を無駄に生きてきた罪」と「自由」に対するパピヨンの強い意志が一貫して描かれ続ける。全編にみなぎるパピヨンの衰える事のない強い意志と演じるマックイーンが凄い。さらにダスティン・ホフマンという俳優の凄さも改めて感じさせられました。
ラストは絶海の孤島で平穏だが無駄に生きていく決心をしたかのようなドガの姿とは対照的にパピヨンは荒海の中へ飛び出していく。パピヨンの自由への思いと無駄には生きないという意志が最後まで伝わってくると共に波の彼方に遠ざかるパピヨンを見送るドガの表情が印象に残る。
後半に分かり辛かった所(島民と過ごす時間とその後の展開)もありましたが長尺にも関わらず最後まで惹きつけられました。久々に骨太で力強い映画を観ました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-10 16:25:13) (良:3票) |
3.《ネタバレ》 パピヨンとドガの男と男の友情、生きるために自由を求めて逃げる二人、しかし、何度逃げてもどこへ逃げても必ず邪魔が入る。自由を手に入れることの厳しさ、この世に自由なんて本当に存在するのか?と見ていて思わずにはいられなくなるほどこの映画はとにかく全てが重苦しさで充満している。独房でのパピヨン(スティーブ・マックイーン)がとにかく恐いし、凄い。何が何でもドガ(ダスティン・ホフマン)からの差し入れを貰ったことを話さなかったパピヨンが食事を半分にされようが絶対に口を割らない。友達のためなら、また自由を手に入れるためならどんな辛さも絶えてみせるという男の中の男ぶりに同じ男として私にはとても真似は出来ないものを感じさせる凄さ、見ていてとにかく楽しいとか面白いとかそういう感覚よりも人間ってどこまで我慢出来るものなのか?というものをこの映画を観ると思わずにはいられない。人は目的のためならどんな苦しみだって耐えてみせる。例え食事を与えられなかろうが殺されかけようがそれでも絶対に諦めない。物事、諦めたらそれで終わりであるというものをこの映画は私達に教えてくれている。諦めなければ必ず報われる。若い裸の女性とも出会える。えっ?それは違うって?でもきっとそういう希望みたいなもの、かすかな夢、望みを持って生きていくことがどれだけ素晴らしいことかと思わずにはいられなくなるし、ラスト、海に飛び込んで本当の自由を手に入れてみせたパピヨンの「俺は生きてるぞ!くそったれ!」て台詞を聞きながら見ているドガ、この二人の対照的な二人の演技がもたらす男の人間臭さいっぱいの映画である。 【青観】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-04-08 21:38:28) (良:2票) |
2.「自由」を求め続ける執念みたいなものがクローズアップされる作品だと思うけど、自分的には「友情」というものがひしひしと伝わってきた。特に最初に独房から帰ってきたときのマックイーンを見つめるホフマンの表情がなんとも言えず良かった。 ただ終盤ちょっとくどく感じたのでそこだけマイナス。 【ボーリック】さん 8点(2004-08-27 13:07:30) (良:2票) |
1. 仏領ギアナの刑務所に投獄、1945年脱獄に成功し、ベネズエラに市民権を得たアンリ・シャリエールの大ベストセラーが原作。迂闊なことに原作を読んでしまったため、映画の展開を楽しめずマックィーンとホフマンの演技を確認する結果となったのが何とも悔やまれる秀作。ラストの感動が半減してしまった…嗚呼オレって馬鹿!それでもマックィーンの演技は渋かったし、ホフマンの上手さは絶品!二人の好演にもまして印象的なのはジェリー・ゴールドスミスの哀愁に満ちた主題曲。「事実は小説より奇なり」映画としてオススメ。ただ、相当ヘヴィなので呉々も覚悟して観るが吉。面白くも楽しくもナイからね~。 【へちょちょ】さん 8点(2003-01-26 01:24:24) (良:2票) |