13.安楽死とか尊厳死とかいろいろ議論されるけど、私たちが日本人でしかも健常者の感覚で物言えることなのだろうかと考えてしまう。スペインはカトリックの国だし、離婚すらママならぬと聞くし、自殺はなおさらのことだろう。それでなくても30年近くも人の手を借りずに生きてこれなかったとなれば・・・。だからといって諸手をあげて賛成というわけではない。やはり難しい問題だとしか言い切れない。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-07-06 21:31:26) |
12.私はラモン本人よりむしろまわりの家族や友人、恋人などの気持ちが気になりました。息子のように愛して世話をする義理の姉、安楽死を断固として認めない兄、自ら死を望む息子を見守るしかない父、生きる意義を見出そうとする恋人、同じ悩みを抱える恋人、ラモンを応援する友人たち。お兄さんが「死ぬのは一瞬のことじゃない、もうラモンに会えなくなってしまうということなんだよ!」と甥っ子に言うシーンでは素朴ながらラモンへの深い愛情を感じました。この映画では誰も間違ってなんかいなくて、だからこそ、悲しい。 【kaneko】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-12-12 10:35:42) (良:1票) |
11.淡々とラモンの世話をするマヌエラが秀逸。尊厳死については昨今、軽々しく「賛成」と言われがちだけれど、命についてはもっともっと深く考えるべきであると思う。神父が非常に傲慢な人物に描かれていたけれど、彼も四肢麻痺障害を抱える身として「他人のやっかいになりながら生きながらえる」ことの価値を見いだしたかったのだと思う。人に迷惑をかけないために自ら命を絶つことは決して美徳ではないし、その人が命を絶ったからといって残された家族は救われないのでは。「自らの意志を尊重する」というのはそう簡単なことではない。神父の介護をしていた彼の迷える瞳が印象的でした。 |
10.「自殺」というと、「何とかして止めたい」とか、減らして行かねば」と考える人が多いと思う。でもそれはあくまで「自殺」とは無関係な立場の人の考え方であって、本気で自殺を考えている人からすれば、「死んだ方が楽なのに、どうしてこれ以上苦しい方へ引き留めようとするのか」と言う意見の人がほとんどだろう。この映画は、形はちがえど、そのように「死」に対してどちらかといえば肯定的な考えをもつ人の意見寄りにつくられたものであると思う。理解できない人は理解できないんだろうな。でも一つだけ言えるのは、主人公は元から「死にたい」という強い願望があったわけじゃなく、ただ「生」に対する執着心がなかったと言うこと。だから家族や社会とのずれがあったのだと思う。難しいテーマだけど、深く考えさせられました。 【トナカイ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-04-14 23:22:29) |
9.尊厳死が許されるか否かという以前に、僕は「人生とは一体誰のものか?」ということについて考えずにはいられなかった。ラモンは最初から最後まで自分の現状を否定し、尊厳ある死を望み続ける。確かに四肢麻痺状態の彼からすればこれまでの28年間は屈辱と絶望感に満ちたものだっただろうし、そこから脱却したいという気持ちを頭ごなしに否定する気にはなれない。「がんばってください」とか「生きていたらいいこともある」なんて言葉が逆に相手を傷つけることもあり得ることも十分承知している。しかし、時として「誰かのために生きる」人生というのもまた必要なのではないか(この場合、介護してくれる兄夫婦や甥のために)。こんなことを言うとラモンに「俺の人生は俺のモンだ。どうしようと俺の勝手だ」と言われそうだが、どんな人間も一人では決して生きてはいけないのである。つまり、自分を取り巻く家族や友人もまた自分の人生の一部であり、ラモンもまた彼らの人生の一部なのである。彼の死は彼だけのものではないのだ。映画は『人生は義務ではなく権利だ』と述べていますが、僕は権利であると同時に義務も伴っていると考えます。「自由」という行為に必ず「責任」が伴うのと同じように。 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-02-25 00:59:00) |
8.実際はいつも笑顔なのに、自分の想像の中だけでは笑顔でないのが印象的だった(笑顔についての説明は映画の中にあったが)。いろいろ考えさせられ、見た直後はもう二度と見なくていいやと思ったが、しばらくたつとまた見てもう一度考えてみたくなる。 【HK】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-01-29 22:39:01) |
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7.あんなに多くの仲間がいたのに、尊厳死を選んだラモン。生きることは「義務」じゃなくて「権利」か。考えさせられるな。 【T橋.COM】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-22 00:28:17) |
《改行表示》 6.「なかせる映画」かと思いましたが、「考えさせられる映画」でした。ハリウッド的になにか「がーん」ということがあって、涙どばーって感じではなく、黙々と「死」というものについての問いかけがあり、「キミたちもよく考えてみ」という感じ。そのあたりを評価しました。 (変更)が、期待していたほどの感情の起伏がかんじられなかったので-1点。 【んぽ】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-10-29 03:43:23) |
5.人物の苦悩や想いがグッと伝わってくる。考えさせられる映画。まあ自ら命を絶つということに関しては、個人的には本人の自由なんじゃねえかと思う。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-10-29 01:43:45) |
4.人間の死生観に纏わる究極の問いかけをテーマにしている作品であるが故に、それぞれの生き方や考え方の違いから、観る人によって感じ方や捉え方などといった価値判断も違ってくる。テーマがテーマだけに明確な答えなどなく、作り手側もそんなことを求めてはいないのは明らかだ。様々な異なった意見はあって然るべきであり、それほどに考えさせられる作品だと言う事である。主人公のラモンは若い頃に遭遇した事故で四肢麻痺となり、終生ベッドに横たわるだけの生活を強いられているのだが、病魔に襲われていつ死が訪れるかも知れない病人とは違い、あくまでも身障者なのである。だからその気にさえなれば人生を全うする事も可能だった筈だ。しかしながら、彼は自ら人生にピリオドを打つ決断をしたのだ。映画はそんな彼のとった行動に対し“何故?”ではなく、あくまでも“どう思いますか?”と問いかけている。端的に言えば、身の回りの世話をし見守ってくれている人々に対する気遣いと、自分では何ひとつ出来ないという屈辱的な日々に耐えられなくなり、もはや生きていく事に意味を見出せなくなってしまったからだろう。要は彼のプライドが許さないのだ。人間とは様々な人々と関わり合い支え合いながら生きている。それは健常者であろうと身障者であろうと。そして身障者の多くは自らその苦境を乗り越えて生きているのも事実であり、だから28年もの間、支え続けてくれた家族や友人たちに対して、ラモンのとった行動は余りにも身勝手だという意見も良く分かる。しかも死ぬことすら人の手を借りなければならないとならば、尚更である。取りも直さず、ずっと見守ってくれ支えてきてくれた人々に対し、彼には生きる「責任」があり、人生を全うする事によって初めて、生きる「義務」を果たしたと言えないだろうか。それが延いては「感謝」や「礼儀」という事にも繋がってくる。しかし生ある限り強く生き抜いて欲しいという周囲の願いは、所詮「綺麗ごと」に過ぎないのかも知れない。映画はドラマ性を極力抑え、ラモンを取り巻く人たちの日常を冷静な眼差しで綴っていく。だからその味わいは意外なほど淡白だ。本作は表層的には魂の救済の物語のようだが、寧ろ人に愛され大切にされる事の意味を問いかけているように思う。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-08-25 17:26:09) |
3.テーマも深いし、映画として見応えもある。ストーリーの運びも絶妙だし、俳優の演技も申し分ない。…ただ、なんだろう。伝わるものが明確なだけに、語りすぎていたのかもしれない。饒舌に過ぎたのかもしれない。惜しむらくは…。ハリウッドじゃできない物にして欲しかった。 【GUSUTAV03】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-05-20 04:05:11) |
2.(長々と失礼します) 愛と生と死を描いた、言わば禅問答の様な作品。私はこれまで、深く考えずに「尊厳死」なるものを支持してたと思う。しかし驚いたことに、本作を観てその考えが変わりました。これは明らかに単なる自殺です。借金を苦にしてビルから飛び降りるのと何ら変わりません。本作の主人公が他の人と違うのは、その自殺に人の手を借りなければならないということ。ここが最大のポイントです。「愛する人に殺させるか?」、若しくは「愛する人を殺せるか?」と問われれば、私にはとても無理です。愛とはエゴイスティックな感情。例え相手が植物状態で回復の見込みが無くても、ただ生きていて欲しいと願うのが人情ってもんです。植物状態の人間にとって命に意味は無いかもしれませんが、周りの人達にとっては、その人が「生きていること」こそ重要。他人の為に命を投げ打つのが崇高な行為なら、他人の為に生き続けることもまた崇高な行為の筈。そこに命の意味が生まれるのです。恐らくフリアはそのことに気づいたのでしょう。中身のスッカラカンなロサは気づかない。最も複雑な感情を体現していたのはマヌエラ。主人公の意思を尊重したい気持ちもあるし、愛する家族を失いたくないとも思っている。介護を負担にも感じているし、世話することに喜びを見出してもいる。ここに答はありません、たぶん何処にも無いでしょう…。それにしてもアレハンドロ・アメナーバルという人は、ホントに映画作りが巧いですね。特に序盤の、主人公の過去の見せ方には惚れ惚れしました。それでも私的に特別な感動はありませんでしたが(隣に座った女性は号泣してますた)、色々と考えるきっかけを与えて貰ったので、7点献上。 【sayzin】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-05-13 00:11:44) |
1.尊厳死を扱った作品であるが決して暗い内容でも「お涙ちょうだい」的な内容にもなってなっていなかったのがまたいい。純粋に「尊厳死」というテーマに対して真面目に取り組んでいる。自分自身、寝たきりになって自由に動き回れない体になってしまったら尊厳死を望みたい。技術によって生かされたくないし、苦しんで死んでいくのもいやだ。そう思う人は世の中にたくさんいると思う。そんな考えを持った人達からのメッセージとも受け取れた。深い内容の映画であった。 【ぺん】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-05-02 23:03:39) |