4.《ネタバレ》 あちこちですすり泣きの声がする館内で、私は泣けませんでした。「初恋のきた道」では5回も泣いた私(笑)が、いったいどうして?と、見終わってから考えたのですが、一つには、よく計算された脚本&演技&演出の「計算」が(私には)透けて見えてしまったこと。いま一つは、ラストにいたる筋書きが想像を超えたものではなかったこと。そして決定的だったのは、私にはこの幕切れは受け入れられなかったこと、でした。
むしろ、ラストは「こういう結末にだけはしてくれるな」という想いを抱いたもの。たしかに、人間が生きることの意味を問うたとき、フランキーのとった行動は一つの選択肢ではあるでしょう。しかし、私にはあの道は「進んではならない道」に思えるのです。それは、現実に同じような境遇にあっても、なお懸命に生き抜こうとする人が少なからずおられるから。
たとえば、ほぼ全身不随でありながら、わずかに動く口だけで見事な水彩画を描く星野富弘氏は、その生きざまで逆に健常者に勇気を与えてさえおられます。彼とて一度は絶望の淵に突き落とされています。でも、そこから「再生」を選んでいます。その道は決して平坦ではないはずで、大変な勇気と努力を要したと思います。行きつ戻りつ、悩んだり悟ったり、また苦悩したり……そんな繰り返しを経て、ようやく今日にいたっていらっしゃるのです。私は、その過程こそが素晴らしいと思う。
また、前半のマギーのド根性ぶりを見せつけられたあとでは、本作におけるマギーの死への願いは不自然に感じるのです。マギーなら、車椅子の生活でもマギーらしい生き方をするはずだと思えてなりません。犬のアクセルにしても、決して自分から死んだのではない。殺されています。アクセルは、そのことに逆に無念の想いを抱いていたんじゃないでしょうか。
はっきりいって、「お涙頂戴」のためにあの結末を用意したことで、本作の意義と値打ちは制作者自らがブチ壊したと思っています。映画って、こんな結末を描くためにあるの? という疑問が残ります。人が生きることの強さや可能性を信じきらなかった本作は、だから、私には9点や10点はつけられない作品となりました。ということで、6点也です。あ~、また「ショーシャンク」みたいにマイノリティ……。 【delft-Q】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-06-18 01:53:28) (良:3票) |
3.《ネタバレ》 イーストウッドは悲観論者なのでしょうか。人の死というものを、逆説的に説いている映画が多い気がするのですが、あまりにもツライ話が多い。尊厳死という難しい問題を題材にしているので、賛否両論あるのは当たり前の話であろう。それでも、評価が高いというのは、同意している人が多いからか?それとも、アカデミー賞を受賞したからか?なんにしても、胸が痛くなり考えさせられる映画であるのは間違いない。尊厳死について、話しているレビューが多いですが、僕はそれと同じくらい「人の栄光と挫折」というテーマが重くのしかかってきました。年をとってから夢を追いかけるマギー、わずか数年で頂点まで駆け上がるも、ほんの一回の間違いでずっと床に伏せる体に。人生一寸先は闇とはよく言ったもので、今・現在・一瞬を精一杯生きていかなくてはいけないと感じました。そのマギーとは逆に“唯一心あるボクサー”デンジャー。まさにマギーとは正反対、若く、実力はなく、チャンスもない。しかし、彼は精一杯生き、未来がある。この二人の対比がこの映画のキモなのかもしれません。ヒラリー・スワンクは、よく知らない女優でしたが、素晴らしい演技だったと思います。モーガン・フリーマンは好きな男優だったため、もうちょっとアツイ役柄だったらよかったなぁ、と個人的には思いました。 【グングニル】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-12-20 19:06:47) (良:1票) |
2.予測した内容と違って面食らいました。とても痛い映画でした。もう少し救いがあれば‥ 【ジョー大泉】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-05-30 08:00:52) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 単なるスポコンものにしては話がトントン拍子に進みすぎるので何かある、と思っていたらやはり・・・。でもあんなに汚いボクサーはいませんよ・・・非現実的!あんなことしたらただじゃすみませんよ・・・非現実的!まあ、叙情性に的を絞っているから気にならない人も多いでしょうけど・・・。というわけで、今までコメントをしたみなさんはみんな褒めて高い点数をつけていますが、私は辛いめの点数をつけます。俳優陣の演技とカメラワークがこれだけ優れているんだから、ストーリーがこんなに大味じゃないほうがいいと思います。原作がそうだからしかたがないのかもしれませんけれどね。 【かわまり】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-05-26 12:49:33) (良:1票) |