4.《ネタバレ》 画面上には殆ど血は映らないしグロテスクなシーンもない。しかしこれほどの恐怖を感じる映画は類を見ないのではないだろうか。「もう賄賂がない、持ちこたえられない。」「2日後にはみんな死んでる。」国連と言う理想はあまりにも無力で大国と言う警察は貧乏人には知らん振り。迫りくる憎しみと狂気の前には奇麗事など何の役にも立たない。自分の命を金で守らなければならない世界を知らない私達に、世界最高水準の安全をタダで得られる私達に、ポールのことをとやかく言う権利はない。私達もまた「『怖いね』と言ってディナーを続けるだけ」の人間でしかないのだ。しかし私は少なくともこの事実を知ることが出来た。平和を愛し、自衛隊を否定し、安保に反対し、あくまで理想を追い続ける日本人には是非この映画を見て欲しい。 【alian】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-09-29 02:41:32) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 この映画を見ている日本人がルワンダ人に何も出来ない。そりゃそうだ。「怖いね」って夕食を続けられるくらいの鈍感力がなければ生きてはいけない。この映画を見て多数の人間が鬱状態になって何にも出来なくなるのは困るし、「何か出来る事はないか」と危険地域イラクに行った方々を、日本政府と日本人は「偽善」だ「迷惑」だと糾弾したではないか。つまり我々は夕食を続けていい(らしい)のである。でも、日本人が日本で生活していて、この映画と同じような場面に出くわさない可能性は皆無だろうか。戦前では関東大震災の時の朝鮮人虐殺(人数は全く違うが)があったし、最近だって民兵のアジトのレイプ小屋レベルの狂気は障害者雇用企業や外国人雇用企業、カルト宗教施設なんかであった。あの時、行政、警察、そしてそれに気づいた周囲の人々はどうしたのか。何が出来たのか。新聞や本によると見て見ぬふりをした人たちが多かったのではないかと思う。理解しようともせずに認識の低い政治家の発言に同調して虐めた例もあったと思う。先進国の人間は「大虐殺」の前にポカンとしているが、主人公の友人の民兵のボスみたいに一人の人間に優しさと残酷さが同居していたり、政府軍大佐が「何でみんな俺の言う事を聞くのか、それは強いからさ」という台詞が本当なのは日本もルワンダも同じだ。この映画を見て、夕食を続けて、その後に僕らが出来る事は皆無ではない。皆無であってほしいが。・・・・・・・でもあの賄賂好きの政府軍の隊長、約束守ってもらえなかったのね。 まあ、ざまあみろだけど。 【はち-ご=】さん [DVD(吹替)] 9点(2008-10-27 01:08:30) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 戦争って怖い。本当に嫌だ。自分の身近で起きたら、誰が助けてくれる?「怖いね」って言って食事を続けるだけの人になるのは嫌だと思った。そこが一番のこの映画のメッセージだろう。戦争じゃなくても、身近なところから心がけていこうと思った。 【にゃ~】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-04-12 00:25:13) (良:1票) |
1.これはすごく重くそして考えさせられる映画だ。演技派ドン・チードルの迫真あるそして説得力のある演技が素晴らしい。大量の死体の上をバンで走り抜けたあと、冷静になろうと思いつつも、ネクタイが結べずいらだつシーンなど印象的。映画のはじめのHutuとTutsiの関係、事件の背景などの説明が分からんところもあって、始めはやや入り込めないところもあったが、途中からはずっとドン・チードルの演技に魅せられた。またその奥さん役のソフィー・オコネドーも非常に好演し緊迫感を出していた。また、シリアスなところに、ところどころ、ロマンチックな場面やギャグなどが盛り込まれていて、最後まで疲れることなく見ることができた。人が人を殺す、しかも大量に殺す、理由もなく殺す、こういうクレージーな状況で、最後まで冷静だったポールとそしてUNのおっちゃん(「何も出来ない」といいつつ、最後まで協力的だった)、赤十字のおねーちゃん、素晴らしいと思う。そうそう、ジャン・レノもよかったよ。 【あまね】さん 9点(2005-01-16 05:50:22) (良:1票) |