9.「怒りに目覚めて、人は初めて関心を持つ」というブラピの台詞が、ラストの「言ったろ。アメリカの問題じゃない。アイルランドの問題だ」に至り、『風とともに去りぬ』が、アイルランド人作者M・ミッチェルの反骨意志をものともせずにアメリカ開拓精神に塗り替えられた時の虚しさを覚えた。意訳すると、「アメリカにはもう、アイルランド人はいない」という意味か?『セヴン・イヤーズ・イン・チベット」のチベット問題同様、『デビル』のアルスタ問題も現在進行形であるのだから、描き方としては、こんなものだろうというところ。印象的なのは、教会で神父の説教を聞いている時のブラピ。泣きのブラピも抜群だけど、揺れ動く心を演ずるブラピは、ピカイチだなぁ。「僕だって全てを告悔して普通の生活に戻りたいんだ」という叫びが聞こえてきそう。でも、家族を目の前で惨殺されて、犯人に「あなたの気持ちもわかりますよ」なんてことが言える人間がいるのかと、ハリソン・フォードに訴えるブラピは、さすが。いかにもアメリカ的な、あの陳腐な脚本で、ごく普通に生活できるはずだった少年がテロに走らざるを得なかった、ごく普通の生活を望んでいる青年役を、目一杯頑張っていた。 【Y-N】さん 7点(2002-09-07 23:43:02) (良:3票) |
8.家に上げていた青年が実は武闘派テロリストだったことが判明するというサスペンスと、一介のパトロール警官が人間凶器と対峙せざるをえなくなるというスリラー、この2点が本作の骨子だったように思うのですが、2大スターの共演作となったことで、その両方の柱がポッキリと折られてしまっています。。。 まず第一の柱についてですが、最初の脚本においてフランキー・マグワイヤはかなりダークに描かれていたのですが、ブラッド・ピットの出演が決定したことで、フランキーは観客から好感を抱かれる好青年へと書き換えられたようです。彼が祖国で犯した罪について劇中では明確にされないし、NYで正体が発覚した後にも、彼は汚い手を使いません。武闘派テロリストならば、目的達成のためにオミーラの嫁・子供を人質にとるくらいのことはやってもいいと思うんですけどね。代わりに描かれるのは、フランキーが友人と戯れあったり、ビリヤードを楽しんだりといった、本筋とは無関係なブラピのプロモ映像。これにはさすがにブラピ当人も反発し、「自分が惚れ込んだのは最初の脚本であって、この内容でいくのなら俺を下ろして欲しい」と映画会社に抗議したらしいのですが、仮に降板した場合には尋常ではない額の違約金が発生することから、彼は渋々出演を継続したのだとか。ともかくこの改悪作業によって、本作は悪役がまったく怖くないという何とも間抜けなサスペンスになってしまったわけです。。。 第二の柱については、ハリソン・フォードが完全なミスキャストでした。なんせ彼はハンソロでありインディ・ジョーンズでありジャック・ライアンなのです。勤勉だけが取り柄のパトロール警官にはどうやっても見えません。本来、トム・オミーラはフランキーとの間の絶望的な戦力差を地の利と家族愛で乗り越える役柄だったと思うのですが、ハリソンさんのスターオーラによって彼は無敵のヒーローになってしまい、戦力差に係るドラマチックな展開はすべて潰れてしまいました。。。 以上、とにかく見所のない映画なのですが、不思議なのが本作に9,000万ドルもの製作費が使われているということ。これは同年公開の『ロストワールド/ジュラシックパーク』や『エアフォース・ワン』をも上回る製作費であり、ロクな見せ場のない本作のどこに、これだけのお金がかかったのかは未だに謎です。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 3点(2013-06-30 02:54:46) (良:2票) |
7.ここでの評判は芳しくないようだが、北アイルランド紛争の経緯やN.Y.Cにおける移民、職業分布について多少の知識があると結構、話に入り込めると思う。ブラッド・ピットの演技にしても哀しいテロリストの役を上手にこなしている。傑作とまではいかなくてもなかなかの作品だと鑑賞直後は正直に思ったし今でもその意見は変わらないのだが、それほど酷い作品だろうか?もったいない。 |
6.初めて最後まで見た。いつも途中まで見ては止めてしまっていたので。でもやっぱりおもしろくなかった。H.フォードもB.ピットも好きなのに何故?と思ってたんだけど最後まで見て分かった。この二人ほとんど絡んでない。いつもワンショットなんだよね。ツーショットがない。別撮り?て疑ってしまう所多すぎ。だから二人の間に芽生えるはずの「友情」が薄っぺらいの。撮影中不仲だったとかそんな噂より何より、このカメラワークが敗因では。もしかして本当に別撮り? 【ちゃか】さん 2点(2004-02-10 21:16:53) (良:1票) |
5.一言で言えば切ない・・・かな?ブラピが言った「あなたの家族に対する思いに嘘はなかった」よかったです。。。他人がなんと言おうと 【ALEC】さん 9点(2004-01-13 19:36:20) (良:1票) |
4.最近、自分の評価が平均点と違ってても動じなくなった。微動だにしない。かなり慣れた。もうベテラン。いんだよ、いんだよ。おれはこの映画に8点付けるんだよ。『おすすめ映画は?』って聞かれたらこの映画を薦めてやる。ん?薦めてやるって言い方には悪意があるな。薦めてあげるかな。まあ、いいか。この映画の欠点がおれにはわかんないのよ。まあ、正確に言うと、気付かないフリ。いんだよ、いんだよ。アホでいいんだよ。最後なんか泣けるじゃねえかよ。こんな悲しい終わり方ってありかよ。せつねえなあ。ぐひっ(泣)ブラピ~!!!死んじゃダメだ。死ぬんじゃねえよ、ぐひっ(泣)。 【ブン】さん 8点(2003-12-01 19:54:24) (良:1票) |
3.ブラッド・ピット演じるIRAのテロ実行犯と、ハリソン・フォード演じるアメリカの警察官との友情を題材にしたヒューマンドラマです。私が知ってるブラピは大抵アウトローでイカれた役が多いのですが、こういう陰のあるおとなしめの青年を演じるブラピもなかなか好印象でした。ストーリーは淡々として盛り上がりに欠けますが、その分リアリティはあるかもしれません。ただ、見終わった後、物足りなさが残ります。 |
2.つまらないことは既に周知の事実なので改善策を◆舞台はアイルランドに変更。『刑事ジョンブック』風に哀愁を加味◆ハリソンは窃盗犯射殺のトラウマを負い休職中でアイルランドに滞在◆その心の傷は回想シーンに利用◆ブラピは前半は徹底的に鬼畜。後半になって初めて過去に父が殺されたことが明かされ、善と悪に揺れ動く心の葛藤が描かれる◆追跡劇、銃撃戦、裏切り…などのアクションも満載◆ラスト、狙われたハリソンをとっさにかばって銃弾に倒れるブラピ。息も絶え絶えになりながら初めて“デビル”から人間に戻れたことに涙。そこにかかるアイリッシュ音楽で幕…◆以上おそまつ様でした…。 【プミポン】さん 3点(2003-10-19 06:06:27) (笑:1票) |
1.宣伝でいうサスペンス・アクションとは違い、ハリソン・フォードとブラッド・ピットの人情物語をベースにドンパチシーンを合間にはさむ程度でどちらかというとヒューマンドラマに分類してもおかしくない内容である。そのためか善vs悪といった図式が成り立たず、アクション・シーンが尻つぼみに終わってしまい、どうも緊張感を欠いてしまう。そうはいっても2大スターの友情物語は新鮮であり、子供と遊ぶブラッド・ピットをハリソン・フォードが温かく見守るシーンは心あたたまる。見所は別にあり!そんな感じの作品。 【ゆたKING】さん 6点(2003-10-07 14:13:23) (良:1票) |