《改行表示》 9. 今のところ生涯最高です。40~50回くらいは観ました。少年期、青年期、中年期(老年期?)の切り替わり、場面の切り替わりが巧く、好みです。編集、脚本が本当に素晴らしい。心に残るシーンもたくさんあります。そしてそのシーンにはモリコーネの音楽が響きます。ストーリー上あまり重要ではないのですが、ケーキを持って行くとさせてくれるという娘に少年がケーキを持って行って待つが、待ちきれずにケーキを食べてしまうシーンなんか思わず顔が緩みます。ヌードルスの最後の笑みは、中年期の冒頭で、「これまでゆっくり眠ることは無かった」みたいな事を言ってたように、この先彼には追われる身である不安と友人を亡くした悲しみとロッカーから無くなった現金の謎を抱えて生きていかねばならず、唯一の光である良き思い出も最後には踏みにじられるという辛くて悲しい人生を歩むこととなるが、この時だけは逃げおおせた安堵感をしみじみと感じ、ぐっすりと眠ることができた。そしてそれがこの先二度と感じることの無い最後の安堵感だった。ということの象徴なんじゃないでしょうか? 【R&A】さん 10点(2003-04-25 16:17:00) (良:5票) |
8.《ネタバレ》 ネタバレ的なことを書くのは嫌いなんですが、ラストの笑顔の意味について、私なりに解釈してみます。あれは、焼死体が替え玉であると見抜き、ウッズが生き残ったことを確信した笑みだったのではないでしょうか。もともとデ・ニーロはウッズを死なせたくない一心で内通したわけですから。またウッズも、デ・ニーロが見抜くことを見越して焼死体を使い、生き残ったというメッセージを伝えたのだと思います。ついでに言うと、清掃車に飛び込んだ(ように見せかけた?)のもウッズの替え玉だと思います。ここで伝えたかったのは、もう二度と会わない(会えない)ということ。つまりウッズは同じ手を二度使って、デ・ニーロと“言葉以上の会話”をしていたんじゃないでしょうか。そう考えると、かなり重厚な友情物語になりませんか? ちなみに私が観たのは完全版です。 【眉山】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-04-10 00:43:07) (良:3票) |
7.早く電話に出ろよっ!って思った 【紅蓮天国】さん 6点(2003-10-13 21:13:53) (笑:3票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 ラストの微笑みには、顔がくしゃくしゃになるほど泣かされた。現実世界のヌードルスは、親友マックスや仲間のことを思って警察に密告するが、それが原因で彼らは死んでしまう。彼は自責の念に浸ると共に、裏切り者としてマフィアに追われる身となってしまう。そこで、彼は故郷を捨て、異郷で暮らすことになる。それも人殺しという社会の影に生きる存在で、だ。その上、恋人とはもう二度と会えない。自分の善意が裏目に出て、彼は人から身を隠して細々と生きなければならなくなった。とても笑うことなんかできないこの惨めな生活の中で、唯一彼が至福のひとときを過ごせるのが、アヘンの夢の世界なのである。この夢の世界の中で、中年になった未来のヌードルスは、死んだはずのマックスが政治家に成りすまして生きていたことを知る。マックスは、自分を馬鹿にした彼に復讐するために、組織ぐるみで偽装工作し、ヌードルスに自分の性で親友が死んだと思い込ませ、さらに金や恋人をも彼から奪ったと告白する。政治家として窮地に追い込まれていたマックスはお前に殺されれば本望だとヌードルスに殺害を依頼するが、ヌードルスは自分の考え方を示して拒否する。その後、マックスは自責の念からかゴミ収集車に飛び込んで自殺し、夢は終わる。つまり、彼はつらい現実から逃れようとするためにアヘンに浸り、自分が裏切り者じゃなかったという設定の夢、自分の考え方が正しいとされる夢を見ることで、恍惚の笑みに浸っていたのである。途轍もなく悲劇的な微笑みである。そして、今後も彼は悲惨な現実を忘れるためにアヘンの夢に浸り、微笑み続けるだろう。この映画は、高貴な精神ゆえに悲惨な人生を強いられた者の悲しみ、そしてその壮大な運命の悲劇を描いた偉大な映画である。実に素晴らしい作品だ。 |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 学生時代にDVDを購入したものの、あまりにチンタラした展開についていけずに1時間で鑑賞を断念(ファンの方、ごめんなさい)。その後、10年以上ほったらかしになっていたのですが、今回、腹を決めて4時間の長尺に挑み、無事、完走いたしました。。。 で、感想ですが、やっぱり長いです。長すぎです。勝手に短縮版を作成し、これを全米公開版としたアーノン・ミルチャンの気持ちがよくわかります。長尺が悪いと言っているわけではないのですが、本作については、内容に見合った尺ではなかったと思います。叙情的と言えば聞こえはいいものの、ひとつひとつの場面に妙な間があり、そうした動いていない時間が積み重なって長尺となっているのです。相当体調の良い時に見なければ、確実に寝落ちします。。。 また、全体のレイアウトもおかしいと感じました。映画は突然はじまり、冒頭30分は何が起こっているのかわかりません。よくわからないが、どうやら主人公・ヌードルスが大変な事態に陥っているらしい。この冒頭の引きの強さは素晴らしく、残りの3時間近くをかけて、ここに至る物語が描かれるのだろうと思っていたですが、肝心の本編は、このネタふりとうまく整合していません。ヌードルスがヤクザから命を狙われるに至った経緯はアッサリとスルーされてしまうのです。どうやら、ヌードルスがヤクザの逆鱗に触れてしまったことは映画における重要な要素ではないようなのですが、ならばなぜ、冒頭にあのシーンを持ってきたのかの理解に苦しみます。冒頭のネタふりは、主題と直結したものであるべきです。。。 論争の的となっているオチについても同様。ヌードルスの初登場シーンは阿片窟であり、本編の終わりには再び阿片窟に戻る。つまり、結末と冒頭はループしており、通常の映画文法であれば、これは主人公の妄想でしたというオチと解釈できます。しかし、本編には若き日のヌードルスが知らないはずのカラーテレビや60年代仕様の自動車が登場しており、こうしたテクノロジーの齟齬に着目すれば、本編を夢オチと捉えることはできなくなります。この辺りの処理のマズさは気になりました。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 4点(2014-08-15 01:06:14) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 長すぎた製作準備期間の末、通常では実現し得ないところまで膨張しきった妄想が、なぜか見事に実現してしまった、まさに異形の大作。時代の移り変わりの中、姿かたちを変えながら何度も現れる、同じ人物、同じ部屋、同じ街。それを描く、ありとあらゆるシーンひとつひとつが、“ドラマ”をはらみ、我々に訴えかけてくる。そう言う意味では、表面的で判りやすい要素が多いのかもしれないけど、やはり面白くてカッチョよいのだ。ここでの“ドラマ”とは、ある意味では“トリック”でもある。ラストにおけるマックスとの再会は、ストーリー上の大きなトリックであるけれど、これ以外にも細かいトリックがある。例えば、悪ガキどもの放火シーン。最初は、新聞に小便をかけていると、我々に思わせ、ああ、悪いヤツらだな、と思わせる。次のシーンで、小便ではない別の液体であることが判る。次に「タバコ→火」ときて、げげっ本当にトンデモない奴らだ、ってなことになる、この衝撃性。あるいは、晩年のヌードルスとデボラの再会シーンも面白い。女優のデボラは舞台化粧で真っ白けの顔、年齢不詳で若い頃と変わらない。初老のヌードルスと若いデボラが出遭う、不思議な瞬間。会話の中でデボラが化粧を落としていくと、年齢がその顔に現れ、時間軸は急速に合致する。このような小さなドラマが再現なく現れては消える4時間(完全版)。ラストのヌードルスの笑みは、解釈は色々あるのかもしれないけど、私には、セルジオ・レオーネ自身の満足の笑みのように思えて仕方ない・・・・・・。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-03-23 14:55:04) (良:1票) |
3.B級映画の巨匠セルジオ・レオーネのノスタルジー溢れる青春ギャング大作。確かにキャスト、音楽、映像、上映時間、そしてタイトルと、どれをとっても米メジャー資本の超大作と呼ぶに相応しいと感じられるが、やっぱりこの映画は所詮B級だ。友情と裏切り、愛と金、栄光と挫折、そこで描かれるテーマの実に類型的なことか。少年時代から延々とエピソードを積み重ねて、最終的には壮年になった2人の男の対決に繋がっていくのだが、そのなんとも言えないヒューマンタッチには正直いって奥深さが感じられない。ギャング映画といえば「ゴッドファーザー」という名作があるが、そこで描かれた孤独と呪縛の歴史に比べ、ノスタルジーに重きを置いた情緒的ストーリー、ただ「時の過ぎ行くままにこの身を任せた」歌謡曲的進行はあまりにも軽々しい。大体、肝心の場面にBeatlesの「Yesterday」とは、、、確かに時代設定と主人公の心情を伝えるにはいいけど、楽曲としてはちょっと安っぽい。男たちの生き方に苦悩の本質が見出せず、印象的なモリコーネの音楽と妙にミステリータッチな展開で押し切ってしまった演出も。。。う~む、実は、「ワンス~」をレビューするにあたり、自分がこの作品をここまで酷評するとは実際に書きだしてみるまで思いもよらなかった。しかし、思い出してみるにやっぱりこの映画はB級だ。それがマカロニと称されたセルジオ・レオーネの拘りと限界であり、また逆に愛すべきところでもあるのだ。最後に褒めておくけど、この映画、僕としては、そんなセルジオ・レオーネの頑固なまでのB級性を楽しむことができたし、時間もそれほど長くは感じなかった。まぁそれなりに面白かったということなのである(実は)。そして、デニーロ。彼の「笑顔」はやはり強烈だ。そこに何らかの意味を求めたくなる気もするが、それは凡庸な展開の裂け目に垣間出でたデニーロ自身の押さえ切れない狂気と見るべきなのだろう、ということにしておく。 【onomichi】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2004-04-18 00:12:04) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 もう20年も経ったのか?感慨に耽ってしまう。当時映画館で見た衝撃は計り知れない。音楽の素晴らしさがこの映画を際立たせている。今だに音楽が頭の中を駆け巡るとその時の場面がフラッシュバックしてくる。コマ送りで少年が撃たれる場面、貸切レストランで踊る場面、デボラがヌ-ドゥルスを入れない場面などなど。少年たちのヌ-ドゥルスを呼ぶ声まで思い出すほど、深く余韻を残してくれた重厚で濃厚な傑作だと思う。どの場面も印象深く 時代を織り交ぜた構成は見事で、中でも生き生きとした少年時代が感慨を深くさせている。衝撃的過ぎたエロスや暴力もありつつ友情、金、愛、裏切り、死を綴っていく。すべてを手に入れた者の表情など見所も多い。物凄い衝撃を与えてくれた映画でした。 【ピヤクト】さん 10点(2004-03-31 06:26:17) (良:1票) |
1.「いい映画だぁ」と純粋に思わせた作品。セルジオ・レオーネ監督&エンニオ・モリコーネ(音楽)の「最強タッグ」はマカロニウェスタンだけではないのだった。。。人間同士の熱い程の「繋がり」を、強烈なまでに表現している。だから、そういった交錯する各々の想いに対して、何度も目頭が熱くなるんだろうなぁ。それをモリコーネの音楽が更に盛り上げるのだからたまらない。観る度にやられてしまう。流石です。当時、この映画が正当に評価されなかったのは本当に残念。よりによってアメリカで。。。ちなみに、DVDではアメリカの映画評論家による解説が音声特典として付いています。「正当に評価できなかった」アメリカ人のダメな解説なんかを何故につけるのだろうか?? 【ムトゥ】さん 10点(2003-09-10 09:02:17) (良:1票) |