《改行表示》 5.この映画に不快感や嫌悪感を感じる人はむしろ正常な反応だと思う。ペキンパーは暴力のありのままの真の姿を描く。だから、その陰湿さに不快に感じるのは人として当然であろう。 とかく、バイオレンス・ファンタジー(暴力=バッピーエンド)が大手を奮ってるようなアメリカという国で、彼だけは異質な存在である。暴力の残酷さ、陰湿さ、その後の虚無感を見事にえぐりだしている。だからこそ不快感を感じる人もいるだろう。 だが、自分をそれを見事に描きだすペキンパーの才能を評価してやまない。とかく彼を暴力賛美者として誤解してる人が多いが、それは間違いだと思う。ペキンパーは暴力をリアルに描くことにより、暴力の虚無性をありのまま映し出してるだけなのである。 【ミナト】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-12-24 14:03:14) (良:1票) |
4.妻の不安をよそに何も行動を起こさない主人公デイヴィットにさんざんイライラさせられ、我々は暴力に対して暴力で答えるデイヴィットを期待する。そして終盤、遂にブチギレて、ひとり果敢に戦うデイヴィット。文章で書くと爽快感を得れそうな展開だが爽快感は皆無。後味の悪さだけを残す。人間に潜む「暴力性」を描く、という観点からすれば、この後味の悪さこそが正しい「暴力」の描き方なのかもしれない。前半のイライラ感は実は目に見えない「暴力」のせいもある。平和主義というよりは、なんとか穏便にやり過ごしたい、いや勝手に穏便になるのを待つだけ、というデイヴィットは、不安を訴える妻に対して手を上げない暴力を振るっていると言える。けして楽しめるアクション映画ではないが、あえて楽しめないことを評価したい。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-25 17:11:13) (良:1票) |
3.ペキンパーの初めての現代劇にして、凄くメッセージ性の強い作品。ただこの映画は決して暴力を美化しているわけではない、いやむしろ主人公の変貌ぶりの恐怖を描いているのだろう。ホントに〝ここは僕の家だ。絶対暴力は許さない〟と言ってた主人公が、ラスト近くでは〝全員倒した〟と言う変貌ぶりは怖い、私はそう感じた。ペキンパーは本当に暴力に対抗する手段として暴力とは常とう手段なんだと言いたかったのだろうか?あまりに周囲がそう言うので、とても疑問に抱いている。 【チャーリー】さん 8点(2001-04-26 19:23:40) (良:1票) |
2.炸裂するペキンパーの暴力の抒情詩。震えて泣き叫べ! 【岸田もり】さん 10点(2000-10-21 00:26:32) (良:1票) |
1.若い魅力的な人妻に目をつけ、やがて精薄の青年を追っかけてきた村のならず者たちを、自宅への侵入を防ぐため自らの知力と体力の限りを尽くし皆殺しにする数学者。都会から逃れて新天地の田園での平穏な生活を求めてやってきた主人公夫婦だったが、しかしこの世の中、何処へ行こうとも暴力の危機からは逃れられない。S・ペキンパー監督は、主人公が大惨劇のあと精薄者を車に乗せて霧の中を彷徨うラストに、当時のベトナム戦争末期のアメリカの姿をダブらしているかのように描いてみせる。 【ドラえもん】さん 8点(2000-10-15 14:59:48) (良:1票) |