2.原題「Out of Rosenheim」のRosenheimは、南ドイツの都市名ですが、直訳すれば「バラの里」。だから、原題は「楽園を離れて」くらいの意味なのでしょうか。、、、、、自然豊かなドイツを離れて、砂漠の真ん中にやってくるジャスミンと、楽園を追放され、また神を見失った我々(西欧人)、そして夫(=父=神)を失ったブレンダが重なります。(もしかしたらジャスミンは、神との媒介でマリアを象徴させる存在でもあるのかもしれません)、、、ということで、神の存在しない、殺伐とした日常をどうやって生きていったらよいのか、というのがこの映画の底にある意図なのでしょう。そう考えないと、四隅を黒くした双眼鏡からの映像をどうして入れ込むのかがわかりにくい。夫(=神)は遠くから見ているということだと思います。、、、、また、手品(マジック)をやるのは、超越的なもので殺伐とした日常を活性化させるという含意で、ブーメランは、戻ってきてほしいものをそこに込めるということなのだと思いました。そして主題歌のフレーズ、I am calling youのyouとは神に対する呼びかけに響きます。(別に神でなく、夢、恋、若さなど、失ってしまった貴重なものと考えてもよいと思います)、、、、そう考えて見ていると、砂漠、行き交うトラックという殺伐とした景色の中に、ふと神々しく超越的なものの存在を感じることができるようにも思います。そしてそこで暮らす人々、その心のつながりの暖かさが心に染みる。、、、荒涼とした私たちの日常に何か潤いが、、、、、。「パリ・テキサス」とどちらが好みかというのも、興味深い比較ですね。、、、映像の美しさ、音楽という点では「パリ・テキサス」もいいですが、描かれている世界という点では、圧倒的にこちらの映画の方が私は好きです。
1.大好きです、この映画。見ている間次は何が起こるんだろう?と終始わくわくしっぱなしでした。大学の図書館の中にある自主学習センターで英語教材として見たのですが、DVDを借りる時に受付のアメリカ人の先生が“This is a very good movie!”とおっしゃってくれたので、もうその時からわくわくw見始めたらなんて綺麗な映像&音楽なのだろうとうっとりしました。ドイツ人のおばちゃん可愛いわー。本当癒し系です。かたやブレンダ、ちょっとイライラさせるわー。でもこの正反対の2人がいいドラマを繰り出すんですよね~。こういう雰囲気の映画最高に好きです。ストーリーもキャストも音楽も映像も全部好き。あのピアノ青年の音色ががらっと変わるシーンとか、ブレンダが笑うシーンとか、ブーメランのシーンとか本当好きなんですけどー。すいません、好きとしか言えなくて・・・!でも本当素晴らしかったです!DVD購入を検討します◎