7.《ネタバレ》 脚本の良し悪しだけで評価するなら、本作は“どうということはない映画”になってしまいます。しかし、鮮烈な印象を与える建築・内装デザインや色彩演出、そして場の空気を創るBGMのセンスの良さが、本作をA級ホラーの域にまで高めていると考えます。バランスの良い平均的な良作より、飛び抜けた個性が際立つ奇作の方が、観客の心を掴むもの。忘れることのない映画だと思います。刺激を追及するあまり、醜悪でグロテスクな描写で埋め尽くされている昨今のホラーと比べると、その品格の高さが窺い知れる“美しい”映画でありました。白状しますと、あまり面白いとは思わないのですが、良い映画です。(以下余談)ラストは完全にドリフだなと思ったのは、内緒にしておいてください。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-12-18 18:57:55) (良:2票) |
6.「決して一人では観ないでください!」、懐かしいですねこのフレーズは。ウィリアム・キャッスルも泣いて詫びを入れるぐらいの東宝東和のハッタリ宣伝のおかげで私らの世代にはこの映画はイメージがイマイチでしたが、あらためて観直してみるとなかなか味がありますよ。とくに自分はオープニングのわけのわからなさが好きですね。いきなり空港の自動ドアが開くところをゴブリンのおどろおどろしいサウンドつきで見せられれば、この次何が出てくるんだろうと誰だって慄いちゃいますよ。その後のタクシーのシークエンスは言うまでもなく有名ですが、窓に何かが映りこんでいるかどうかは別にしても、ヘンな運転手や土砂降りの中を少女が走っていくところなんか禍々しくて良いですね。ジェシカ・ハーパーも良く考えるとかなり大根役者ですが、絶叫はしないけど眼をひんむいて怯える表情は彼女ならではの技です。バーバラ・スティールをあげるまでもなく、イタリアン・ホラーには眼の大きい女優が合ってます。 ほんとストーリーはあってない様なもので、いかにも怪しげなキャラが意味もなく後から後から湧いて出てくるだけの映画だと切り捨ててしまうことも可能でしょう。でも“アルジェント・レッド”と称したくなる鮮やかな赤色の使い方には、ただただ感嘆するばかりです。そしてゴブリン・サウンドもね。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-10 20:49:42) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 公開後しばらく経った映画を、3本立て位で上映する場末の映画館で『決して一人では見ないで下さい』とのキャッチコピーにもかかわらず、ガキの頃一人で見ました。 当時は、そりゃビビりつつチビりましたよ・・・ 針金地獄でもがくシーンは何度か夢にも出てきた位、私にはトラウマで印象深いシーンでもあります。 今だとR15とかになるんかな?どうなの?と思う位のシーンもあるんだけど、今観る分には平気だしチビりません。 やはり全編を通してゴブリンの音楽で聴覚を、原色の色彩などで視覚を刺激され恐怖心を煽られますね。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2012-04-12 17:50:27) (良:1票) |
《改行表示》 4.暫くすると再度観たくなる中毒性をもった作品です。 赤と青の極彩色、意味深な(展開上なんの繋がりもないけど)恐怖を煽るワンカットの挿入、そして過剰なまでの音楽演出。それらが脳裏に焼きついて離れない。また観たいと思う欲求を刺激する。 1人目の犠牲者がでるまでの冒頭15分は鳥肌モン。 まさに完成したアルジェント・ワールドの傑作だと思います。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-01 10:24:03) (良:1票) |
3.ホラーを語る上で外せない映画。全編を通して不気味な描写のオンパレード。いつでも目を閉じれるように細目で観ていた記憶がある。公開時の「決して一人では観ないで下さい」の宣伝コピーは社会現象(ドリフのコントなどで使われた)になるほど有名だった。残酷描写がより一層の恐怖を与えその後のイタリアンホラーが残酷路線に傾いていった分岐点の作品。 【支配人】さん 7点(2002-08-17 23:22:39) (良:1票) |
2.映画館でみました。当時は筋が分っているにもかかわらず、ドキドキして見ていました。(今はきっと馬鹿にしながら見るだろう)なによりゴブリンが奏でる音楽が恐怖をより強めましたね。私はなぜかテーマ曲を聞くと妙に落ち着くのです。アルバムを買って毎日部屋を暗くして聞いていました。きっと精神的に満たされていなかったのでしょう。話がそれてしまいました。映画の内容としては当時は文句なく10点、今は3点。音楽が良かったから総合7点というところですかね。 【なっつ】さん 7点(2002-08-10 23:35:56) (笑:1票) |
1.当時、音が映画館の中を“走り回る”といった、「サーカム・サウンド方式」という立体音響と独創的でシュールな色彩効果で、現実を超えた不安感というものを嫌と言うほど体感させられた記憶がある。まさに生理的な怖さとはこういう作品を指すわけで、D・アルジェントの手腕は遺憾なく発揮されたと言える。ヒロインが夜の空港のターミナルから屋外へ出た瞬間の“ある演出”が、これから始まる恐怖のドラマを予感させて、実に新鮮に感じたものだった。 【ドラえもん】さん 7点(2002-02-08 00:37:02) (良:1票) |