10.トム・ウェイツは「この話のどこが面白いんだ!」と怒鳴り、監督の前で脚本を投げ捨てたという。なかなか微笑ましいエピソードだ。面白いのは会話そのものではなく、たとえば、初対面同士の気まずさだったり、ボタンの掛け違いから起こる微妙な会話のズレだったり、つまり行間にエッセンスがあって、そんな行間を現しているのがコーヒーと煙草だと思う。 【michell】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-04-17 13:35:56) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 特に何が起きるわけではないけれど、微妙な人間関係とか、言葉の綾とか、本音と建前の緊張感みたいなものを楽しめれば十分かなと。喫茶店で他者の会話を盗み聞きするような感覚でしょうか。 個人的に好きなのはケイト・ブランシェットのパート。こういう会話は本当にありそう。お互いにズレや格差のようなものを感じつつ、体面を保とうとしているところが面白い。おそらくこれは1人2役でしかあり得なかったでしょう。相手役は誰が演じてもイヤなヤツにしかならないので。 もう1つ、スティーブ・クーガンのパートもいい。いつの間にか立場が逆転し、ものすごく気まずい空気のまま終わるあたりがリアル。人間関係はこうやって壊れていくんだなということがよくわかります。 ただし、肝心のコーヒー(紅茶)はどのパートも不味そう。アメリカンな薄くて苦いだけのテイストを想起しました。モノクロの映像と、ちょっと古びた舞台設定と、いずれも素直には笑えない会話と、今ではあまり見かけない紫煙がそうさせているのかもしれません。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-04 01:28:11) (良:1票) |
8.前の会社の先輩が、「タバコは百害あって一利なしってよく言うけど、でも実際一利あるんだよなぁ・・・」とよく言っていたのを思い出した。コーヒーと煙草。気まずさや会話の隙間を埋めるアイテムとしては最強だよね。 【pb】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-07-10 12:35:30) (良:1票) |
7.画も話も小気味よく楽しい。師走に片付けものしながら見てはいけませんね、コーヒーを飲みながら登場人物に付き合う感じで観るのが正解です。監督、この映画に関しては創作の苦しみとは無縁で愉快な気持ちで作ったんじゃないでしょうか。個人的には1時間丁度くらいで切り上げて、もっと観たいな、という気持ちを残しながら終わった方がこんな洒落っ気オムニバスには向いているような気がしました。「色も温度も丁度良かったの」なんて、言ってみたいわぁ。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-12-31 21:16:50) (良:1票) |
6.ふ〜ん・・・私にはこういう映画の楽しみ方はちょっと分かりませんでしたね。どうせ意味不明にするならとことん理解不能な話をしてくれた方が、よほど訳の分からない映画人達に哲学的な深読みをされるモノになったんじゃないかな?と思いました(笑)。日常的な風景の断片を切り取るんなら、普通に街に出て喫茶店で人の話聞いてればいいんじゃないの?と。●だいたい、この手の映画を「したり顔」で評価するのって体がムズがゆくってダメですね。「この映画の良さが分かんないの?」とでも言いたげな感じで…というか…ね。退屈なモンは退屈なんだからしょうがないじゃん!っと。●最後のエピソードの右側のおじいさんが凄く良い表情だなぁっと思ったので、それに3点献上致します。 |
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5.《ネタバレ》 いやあ~面白かった。 クスクス、あはは!と笑えました。 俳優さんの地?かと思いきや、しっかりと監督の思惑があるのですね。
静かな映画やほんのりした映画、多々ありますが、間の悪い映画はこれが一番。 居心地が悪~い、いたたまれない、それでいてウィットが効いている。 日本で言えば落語みたいな構成なのでしょうか? そう言えば、落語には煙草が良く使われていました。
この作品の見どころは・・どの人物もみょ~に濃くて、見る価値ありですけれど(笑) ケイト・ブランシェットさんが凄かった。 期待していなかったのに、ここまでやってくれるとは。 アルフレッド・モリーナさんの演技も可愛かった。
頭の知的好奇心のところがすっかり満足、満足。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-07-11 20:03:51) (良:1票) |
4.喫茶店などの喫煙タイムで、我々が日常よく目にする光景を掬い取ったのが今回のJ・ジャームッシュ作品。 11のエピソードから構成されているが、ここに登場する人物たちは必ずと言っていいほど複数であり、寸暇を一人で楽しむR・フレンチ嬢ですらウエイターが絡んでくると言った具合。それぞれのパートには実に個性的な顔ぶれが並んでいる。で、そのアトランダムな組合せから生じるミスマッチな会話の面白さが、本作の狙いなのかと問えば、否、会話そのものは大して面白いものでもなく、むしろ会話の噛み合わなさから来る気拙い空気を、コーヒーや煙草で間を持たせようとする、彼らのリアクションそのものに妙味があるという事なのだろう。エピソードとしてはS・クーガンとA・モリーナのパートが面白い程度で、それ以外は実に他愛ないものばかり。それにしても、ここに用意されている喫茶店あるいは喫煙室の無機質で殺風景なこと。モノクロだから余計そう感じるのかもしれないが、少しも楽しそうには見えないぞ。オセロの碁盤のようなテーブルクロス(カップが何故か余分にある)に、マルボーロとキャメルなど定番ものばかりで、忙しなく啜るだけのコーヒーと、ふかすだけの煙草など、まったく美味そうには見えない。コーヒーと煙草という本来の主役も、ここでは間を持たせる為の道具としてしか存在しないという、アンチテーゼともなっているようだが、旨みやコクといったことにはほとんど触れられない事で、「スモーク」でW・ハートがさり気なくお洒落に煙草をふかしていたシーンから伝わるものが、本作からは感じとれなかった。だから、少なくともこの作品を観た後で喫茶店に入ろうとは、私は思わなかった。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-06-02 18:33:29) (良:1票) |
3.なんとも言えない気まずい雰囲気に見ているこっちのお尻がムズムズしてくる感じが、ジャームッシュらしくていい。で、画面から居なくなったヤツがまた可笑しいのよ。バイクで来たイギー、ヘンなものひっぱってるから犬に吠えられちゃってるジャック・ホワイト等々の姿を思い浮かべてニヤニヤ。そしてラストエピソードの「Champagine」で流れるマーラーで我々はやっとジャームッシュに許してもらえるのだ(笑)「世界はひとつの共鳴体」か・・。構えたりしないで、心を開いて観たい映画。 【黒猫クロマティ】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-05-18 21:29:56) (良:1票) |
2.レイトショーで観た。こういう映画を人も疎らな夜の映画館で観る自分に少し酔う。場内で一番受けていたのはビル・マーレイ。自分が一番好きなのは、コーヒーのお代りを注ぎたがるウェイターと美女の話。彼女のなんと美しいこと。気怠そうに吐き出す煙に見惚れてしまう。自分は単純だから、コーヒーとタバコという不健康な昼食をすぐに真似る。 【紅蓮天国】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-18 20:44:14) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 ジャームッシュが18年も前から撮り始めていたというだけあって、1話目に登場するロベルトベニーニの髪がふさふさだ。隣に座るスティーブンライト効果だろうか?(映像を見る際は照明の強いところに目が動いてしまう)作品の見どころはやっぱり、どうでもいいようでよくない?会話だ。しょうもない会話をしてる奴がいると思えば、別の場面でも同じ会話をする奴がいる。音楽と医学の話なんて11話で最終的に実現されるのだからカフェインとニコチンの作り出す話ってのはおもしろい。他の見どころといえば、全てのエピソードで必ずあるフカン視点もいい味出してる。タバコの銘柄を見てるだけでも楽しいしね。2話目の双子のコーヒーカップを置くシーンはけっこうツボに入ったなー。好きなエピソードは2、3,9,10。特に9は最高だ! 【マイアミバイス】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-05-17 20:48:40) (良:1票) |