12.ネタバレ 銃声が鳴り響いた瞬間、手を胸に当てて“神様この少女を助けて下さい”と祈ってしまった。天使がくれた“透明なマント”があって本当に良かった。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-04-29 00:46:23) (良:1票) |
11.いいねー、登場人物全員が不機嫌そうで。これがアメリカの本性だ。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-04-26 22:59:40) (良:1票) |
10.脚本は、面白いか面白くないかは別としてたしかにうまいとは思う。ただ、脚本が完成されすぎているからだろうか、なんだかコンピューター同士の詰め将棋を見てるような感じの作品ととった。アメリカという移民の国ならではの、日常に様々なカタチで存在する人種に対する偏見を、まさに様々な人種による群像劇仕立てで見せてゆくのだが、あからさまな差別が描かれてもそれほどネガティブな印象は無い。身内への愛が同時に描かれていて、性善説がベースにあるからだ。透明マントのエピソードは同じ年頃の娘を持つ身ゆえに涙なしでは見られないのだが、それ以外に揺さぶられるようなシーンはなかった。監督は自らの脚本を完璧に映像化しているが、ただそれだけ。職業的に仕事をこなしただけという感じで、この作品には決定的ななにかが欠如している。でも透明マントにはやられたのでこの点数を。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-04-18 18:34:32) (良:1票) |
9.人種問題等を扱い、テーマとして不快ものもあるのでしょうが、率直に脚本の妙に脱帽。群像劇というんでしょうか、いくつかのエピソードが少しずつからみながら、エンディングを迎えるスピ-ド感、リズム感にスクリーンに引き込まれました。最近、食傷気味だったハリウッド映画にまだまだこんな良質な作品があったとは。納得のアカデミー賞です。 【くらけん】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-04-15 23:31:09) (良:1票) |
8.ネタバレ 「人種差別」という事に対して、多面的な描き方をすることで、観る者に対して単純ではない考えを形成させる映画だ。 しかし、この映画で描かれた人種差別は大きく二つの要素からなるように思う。一つは、意識的に人種差別主義的な思想を持つ人間が行う「思想的な差別」。もう一つは、人間が経験的あるいは統計的思考によって、ある人種に特定の性質を結びつけることによるいわば「認識上の差別」である。 例えばマット・ディロン演じるライアン巡査は明らかに「思想的な差別」であるし、逆にそれが不満だったライアン・フィリップ演じるハンセン巡査が最終的に陥ったのは「認識上の差別」による反応行動であった。また、たいていの差別はその両者が絡み合ったものであるだろう。 この映画では、通常は「人種差別」概念と同一視されがちな「思想的な差別」の問題を扱うだけでなく、万人が陥りうる「認識上の差別」の問題性を効果的に浮き彫りにすることで、正義の側から人種差別を単に悪として片付けるだけでは済まされないことを観る者に痛感させたであろう。 結局、この映画のメッセージとして残るのは、人種差別への非難というよりは、人間の普遍性を意識させる方向へと向いているといえるだろう。悪を非難して正義を美化したところで、両者の隔絶は広がるばかりであって、むしろ悪と正義とを互いの方向へと近づけることによって、初めて理解へと向かっていくことを、説得力ある現実性の描写によって表現したといえる。 個人的には、アメリカのみならず、西洋社会が広くこの作品を受容することで、卑劣な黒人選手差別が問題化している欧州サッカー界の現状に光が射すことも強く願いたい。 【酒梅】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-15 23:24:57) (良:1票) |
7.自分の心の裏側を見せてもらったような気がしました。 ぐっと我慢する男たちに共感。 ドン・チードルさんの存在感が光っていたし、マット・ディロンさんの威圧感に驚かされました。
アカデミー賞のお陰で地方でもこういう名作が劇場にかかります。 感謝!! 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-10 22:16:28) (良:1票) |
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6.ネタバレ 久々にこれほど高い点数付けられる映画に出会いました。正直オスカー受賞するまで全く気にしてなかった作品でしたが、受賞したのをキッカケに一度観てみようと思い鑑賞しました。それぞれの職業や人種が全く違う登場人物たちの人種差別をベースにした群像劇ですが、まずこの手の映画は1つのエピソードに話が偏りすぎたりしがちですが、本作ではどのエピソードも過不足なくバランス良く纏められていて、同じくオスカーを受賞した編集の巧さを強く感じました。特に主役が居るわけでもなく、それぞれのエピソードで登場人物の間で炸裂する衝突に次ぐ衝突。そんな過酷な運命に人生を翻弄される登場人物たちを見事に演じた俳優陣も素晴らしいの一言に尽きます。ドン・チードルとマット・ディロン、この2人の演技が特に印象に残っています。物語を通して、まるで現代社会の縮図を見ているような感じになったり、家族愛、恐怖、怒り、敵対、不信感など様々な感情や表現を僅か113分間に全て描き出したポール・ハギス監督の驚くべき手腕に今後の作品に期待を抱かずにはいられません。こういった仕上がりになったのも世界有数の他民族都市であり存在そのものがまるで登場人物の1人みたいな舞台であるロサンゼルスの効果も大きかったと思います。ラストの雪の描写も美しく希望を繋いでいくみたいな形で感動的でした。最後に少し私事が入りますが、1年半ぶりに映画館で映画を鑑賞しましたがそれがこの作品で本当に嬉しく思います。 【エージェント スミス】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-03-29 15:36:13) (良:1票) |
5.まだ10ヶ月を残してますが、まず間違いなく私的2006年度No.1作品はこれになるでしょう。一つ一つは単純なエピソードながら、練りに練ったであろう脚本・編集構成に全く抜かりが無く、抜群に面白い群像劇に仕上がってます。役者も正に適材適所(ドン・チードルの印象的な顔で、少し「トラフィック」を思い出した)。物語は確かに人種的偏見を扱ってるんですけど、問題の根本は人種ではなく、「信用」と「思いやり」の欠如。人を見たら幼児誘拐犯と思わざるを得ない社会や、他人を思いやることがまるで「損」でもあるかの様な風潮は、単一民族国家のつもりでいるどっかの島国も変わりありません。この映画は個人と社会、愛情と憎悪、共感と反感、偶然と必然、不運と幸運、美徳と醜行といった、ぶつかっても決して混ざり合うことのない糸で織られた複雑な文様のタペストリー。そこに浮かび上がった余りにも不完全な人間の姿は、しかし、この上なく愛おしい、9点献上。 【sayzin】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-03-03 00:03:35) (良:1票) |
4.ネタバレ 白人>黒人>南米系>中央アジア系>東南アジア系という人種問題の構図を扱いながらも、テーマの本質は「人間」そのものを描いた作品。 人は誰しも、やり場のない悲しみ、苦しみ、怒りを抱えながら立場の弱い人を傷つけ、また逆に人に傷つけられて生きている。それでもなお、誰かに触れ合いたい、何かを感じたい、心の乾きを潤したいと求めずにはいられない弱い存在でしかない。オムニバス形式で短い時間で深く描きこめてはなかったが「人間」の本質を捉えた素晴らしい、いい映画だった。ブレンダンフレイザー以外の俳優陣の演技も素晴らしかった。フレイザーの役は妻の苦しみに全く気づかない、あるいは妻の怒りに相当うんざりしているというようなさらなる演技が必要ではなかったか。または、妻の苦しみに手を差し伸べるか、逆に振り払うかの流れもあってもよかった。中途半端でどっちつかずの役柄だった。 映画はよいのだが、個人的にはラストがどうにも気に入らない。東南アジアの人達を解放する黒人の笑顔がこの映画とマッチしていないような気がする。「笑顔」に対するうそ臭さではなく、ややちょっとこのエピソードが突飛というか、ずれている気がする。ラストは多数の人の交錯するシーンで終わればよかったのではないか。エピソード自体あってもいいけど、ラストに持ってくるものではないだろう。 また、人種差別者のマットディロンが起こした行動とマットディロンを嫌ってパートーナーの起こした行動の対比が見事だな。どんなに蔑んでいたとしても、自分の命を省みない行動を起こせるし、逆に人種差別なんてしない、仲良くなろうしても、心のどこかに人を信じきれない先入観が潜んでいる。自暴自棄になった黒人テレビ演出家を救った男のもう一つの行動に「人間」という複雑さ、強さ、弱さを感じられた。余談だが、隣の客がモノ凄い花粉症の人で常に鼻から「スピースピー」と訳の分からない音が聞えてきた。花粉症の人はこの時期大変かと思うけど映画鑑賞の際には周りの人の迷惑にならないように気をつけましょう。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-02-27 01:49:27) (良:1票) |
3.私はこの映画を見ながらムーアの「ボウリング・フォー・コロンバイン」を連想してしまいました。人種間の不信感からくる不安、身の危険を守るためにガンを所持する、しかしガンをお互い持つことにより更に不安が増すという負のスパイラル状態、結局、思いやりも優しさも銃声一発で全てがすっ飛んでしまう・・・。銃社会というのは本当に嫌だなぁというのが一番の感想でした。ただ、一緒に観た妻は、「銃の話はメインじゃない、もっとヒューマンな部分、例えばお母さんに食料を運んだのは弟ではないのにお母さんは弟をかわいがり兄にあたる、兄さんの悲しさとか、しっかりそういうところを観なアカン」とのことでした。 【ぴよっち】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-02-26 10:10:25) (良:1票) |
2.ネタバレ 何気ない事に苛立ち、その捌け口として関係の無い人に当たってしまう。この誰しもが持つ経験の先に何が起きているか考えた事があるだろうか。この映画では、己の苛立ちが他人の苛立ちを生み、その負の連鎖から起きる悲劇を描いている。『砂と霧の家』の傷付け合いたくない者同士の負の連鎖、『マグノリア』の皆がかかえる苛立ちと希望。例えるならこの二つの映画の要素を足したような内容。人間のダメな所、良い所、それを含めて人間なのだなと改めて思った次第。怒ったっていい。苛立ったっていい。傷付け合うけど、それでも人間としての尊厳を失ってはいけない。まさに生きる上で糧になる映画だと思う。「人間をなめるな!」by長渕 【カイル・枕クラン】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-02-16 00:28:54) (良:1票) |
1.眠いし、物理のレポートやらなきゃだし、他の作品のレビューも溜まってるけど、この作品は観た直後に書いておきたい。ホント、コレ素晴らしい。アメリカで未だに根強く残っている人種差別という問題を軸に、一人一人の人生が絡み合うという作品。そして、ある人とある人の人生がクラッシュを起こし、更に玉突きでクラッシュを起こすというアンサンブル劇。実際僕がアメリカに留学していた頃、差別とまではいかなくとも、多少なりともアジア人であるという軽蔑を受けたことはあるので、その辺のことは理解しているつもりだ。各場所に上手く多くの人種を散らしてあるので、分かりやすく、大変考えさせられる。人種差別を軸にしながら、銃社会、介護問題、階級問題など、多くの問題を上手く拾っている。表現するのが難しいほど複雑な話なので、完全に理解するのは大変である。裏を返せば、話の繋がりを見つけるのが楽しい。本作の登場人物は、一人一人が心にどこか悲しみを持っており、誰もが愛らしいキャラクターとして描かれている。人間は皆、悲しみと喜びの間で生きている。どこまでも不器用だけれど、そんな人間が抱きしめたくなるほど好きだ。明日から人に優しく接したくなる、ほんのりあったかい作品。最高です。 【こばやん】さん [試写会(字幕)] 10点(2006-02-01 00:08:07) (良:1票) |